都会にしかないもの、離島にしかないもの
都会には当然のようにあるものが、離島にはありません。
一方に、都会にはないものが、離島にはたくさんあるものがあります。今日はそんなことを比較してみます。
昨年と今年、頻繁に瀬戸内海に浮かぶ大崎上島と大崎下島を訪れました。
大崎下島は、とびしま海道と呼ばれる橋で本州から繋がっていますが、大崎上島は今でも橋がかかっておらず、フェリーでしか渡ることができない完全な離島です。
東京で暮らしていると、いつでも、どこでも、なんでも、手に入るという便利さが当たり前ですね。
しかし、穏やかな瀬戸内海を渡る船に揺られ、島に降り立った瞬間、その当たり前は全く通用しません。
会社員の時は、私は最寄り駅のJR吉祥寺駅まで小田急バスで通っていました。朝のラッシュ時間は、バスは1時間に45本も走っています。山手線より多いんです。
そして、そのバスも満員で、バス停に留まらず、通り過ぎるくらいなんです。これが日常の当たり前でした。
大崎下島への移動は、JR広駅前のバス停から乗ります。1日に数本しか運行してないバスに乗車したのですが、乗客は5人。
私は90分間乗ったのですが、40−50分後には、乗客は私のみになりました。
すでに、離島へ移動する前から、都会のあたりまえではない光景なんです。
都会と離島の「ある・ない」を比べながら、大崎上島・大崎下島で見つけた島旅の魅力を書いておきます。
都会にあって、離島にないもの
まずは、都会にあって離島にないものを書き出してみます。というか、これはもう、挙げればキリがありません。
24時間営業:
島には、都会を照らす巨大なネオンサインも、数メートルおきにあるコンビニエンスストアもありません。
都会は夜も眠りません。離島の眩しい灯りといえば、漁火か、満天の星が降り注ぐ夜空です。
お馴染みのチェーン店:
ハンバーガーチェーンも、有名コーヒーショップもありません。どこにでもいるUber Eats配達員なんて絶対にいません。
カタカナや英語が似合わないのが島です。島の人はチェーン店ってワードを知らないかもしれません。
満員電車と交通渋滞:
当然、満員電車はありません。電車そのものがないんです。都市高速もないし、もちろん渋滞も無縁です。
信号機すら、島全体で数えるほどしかありません。
大型モール:
休日を丸一日潰せるような大型ショッピングモールや、最新作を上映するシネマコンプレックスももちろんありません。
そもそも、ゲームセンターやカラオケ、パチンコなど娯楽と言えるものは皆無です。
どんだけでも書き出せそうですので、このくらいにします。都会の基準で言えば、島は圧倒的に不便で何もない場所なんです。
都会になくて、離島にあるもの
では、島は退屈で不便なだけの場所なのかな? いや、決してそんなことはないと訪問して感じました。
都会になくて、離島にあるものは、たくさんあって、それは、私たちの五感を強烈に刺激してくれるものがあるんです。
海と山:
大崎下島の御手洗(みたらい)地区には、江戸時代から昭和初期にかけての古い町並みがそのまま残っています。
細い路地を歩けば、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。どこにいても、瀬戸内海が見えます。もれなく、ミカン山が目に入ります。
すれ違う人との温かい挨拶:
道を歩いていると、すれ違うおじいちゃんやおばあちゃんが自然に声をかけてくれます。
同じマンションの隣人の顔すら知らない都会の生活とは、人と人との距離感が全く違います。
道端に落ちている柑橘類:
島のあちこちに、採れたてのレモンやみかんが格安で無造作に置かれた無人販売所があります。
というより、買わなくても、道端に落ちています。みかん、デコポン、レモン、はっさくなど、ごろごろと100個、200個って数で落ちています。
太陽をたっぷり浴びた柑橘は、どんな高級スーパーの果物よりも美味しいです。
本物の暗闇と星空:
余計な街灯がないからこそ、夜空を見上げるとこぼれ落ちそうなほどの満天の星が広がります。
BGMは波の音。
本物の暗闇とは、足を踏み出すのが怖いくらいの真っ暗闇なんです。
島時間:
時計がいらないんじゃないかって思いたくなります。分単位のスケジュールに追われるのではなく、太陽の傾きや潮の満ち引きで生活している感じです。
時刻表と言えばフェリーですね。フォリーの時刻表に合わせて1日が動いていきます。
比較表 都会 vs 離島
都会と離島の違いを、視覚的に表にまとめてみました。

ないからこそ、見つかるもの
島を巡って強く感じたのは、「ない」ことは決して不足ではないということです。
コンビニがないからこそ物を大切にしたり、 都会のように情報処理に追われなくていいからこそ、海に沈む夕日が空の色を飽きずに見つめることができます。
都会で清々しい朝散歩をしていても、排ガスとエンジン音があります。
島では、朝に限らず一日中、潮の香りと感じて、鳥たちのさえずりが心地いいです。
都会の散歩ではスーツで出勤する会社員が険しい顔しています。
島の朝は、島民たちが天気を話題に、笑顔で会話しています。

大崎上島、シキファームの松本ご夫妻から、「島には何もないから、自分たちで作るんですよ」を誇らしく話してくれました。
都会の何でもすぐ手に入る便利さは、時に私たちの感覚を鈍らせてしまうのかもしれませんね。
無いから作っちゃえばいいという創造性は、都会の人には欠けている感覚です。
離島には、お金で手軽に買える刺激的なエンターテインメントはありません。
しかし、みかん畑を抜ける潮風の匂いを胸いっぱいに吸い込み、地元の人と他愛のない言葉を交わし、ただ波の音を聞きながら生活しています。
そんな、人間本来の豊かな時間を過ごすための余白が、島にはあふれています。
「余白」、そう、これは明らかに都会にはないものですね。
島には余白、余裕、余暇、余力、余地、
余っているものがいっぱいあるんです。足りないなんて決めつけていたのは都会住まいの人だけなのかもね。
何もないように見えて、実は大切なものがすべて揃っているんですね。
今度は今月の3連休にまた瀬戸内海の離島に遊びに行きます。
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