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“今ここ”に集中する力〜リハビリと心のケアに共通する視点〜

「いつになったら、この手の痺れと痛みが取れるんですか?」

そう尋ねられたとき、私は少しだけ言葉を選びました。
痛みや痺れが0になることは難しいと、ご本人も主治医から言われて理解はされていたものの諦めきれない気持ちがあっての言葉だったと思います。

でも、それでも聞きたくなる。
「いつになれば、この辛さが終わるのか」
そう思うのは当然のことです。



「痛みや痺れの変化は、自分では分かりにくいと思いますが……
手で“握る力”は、確実についてきていますよ」

そうお伝えすると、
少し間をおいて「そういえば、最近は買い物袋が持ちやすいかも…」と
小さく笑ってくださったのを、私は忘れられません。



リハビリも、心のケアも、
“未来”ばかりを見ていると、今の一歩が見えなくなることがあります。
「いつ治るのか」「この先どうなるのか」――
その問いに、確かな答えが出ないときこそ、
“今ここ”に目を向けることが、心と体を守る支えになるのです。



アドラー心理学では、
「人は過去の原因ではなく、未来の目的に向かって生きている」とされます。
けれど、その“目的”が見えないとき、人は不安にとらわれ、立ち止まってしまいます。

だからこそ大切なのは、「今この瞬間に何ができるか」。
“今、できていること”“今の気持ち”に気づくことが、再び前を向く力になるのです。



カウンセリングの現場でも同じです。
過去の後悔や未来の不安で、今を置き去りにしている人がたくさんいます。
けれど「今日はこう感じている」と、
今の気持ちを言葉にできた瞬間に、表情がゆるむことがある。

答えがなくても、「今ここにちゃんと自分がいる」
その感覚が、安心の土台になります。


🍀言葉の処方箋🍀
焦らなくていい。
不安になっていい。
でも、"今ここ”のあなたがちゃんと生きていること。
それが、何よりの力になる。

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