「気のせいでした。」その一言で、違和感を捨てていませんか?
「気のせいでした。」
救急外来では、
決して珍しい言葉ではありません。
結果的に異常がなく、
「何もなくて良かった。」
そう思えることは、
患者さんにとっても、
私たちにとっても良いことです。
しかし、
その経験を、
「自分の違和感は間違っていた。」
と受け止めてしまうと、
次の患者さんで思考が止まります。
違和感は、
正解を当てるための能力ではありません。
患者さんを見失わないための力です。
異常がなかったからといって、
違和感が無意味だったわけではありません。
「確認した結果、大丈夫だった。」
それだけのことです。
救急では、
検査をしても異常がない。
経過を見ても変化がない。
そんな症例は数多くあります。
だからこそ、
「今回も気のせいだった。」
という経験を積み重ねることは危険です。
その積み重ねは、
次に本当に危険な患者さんを前にした時、
「今回も大丈夫だろう。」
という思考停止につながるかもしれません。
急変は、
その一度の思考停止から始まることがあります。
違和感は、
診断名ではありません。
検査結果でもありません。
患者さんの表情。
声の変化。
呼吸のリズム。
いつもと違う雰囲気。
数字だけでは表せない、
小さな変化に気付く力です。
その感覚を、
「気のせいだった。」
という一言で捨ててしまうのは、
とても惜しいことです。
違和感を持つことよりも、
実はもっと危険なことがあります。
それは、
「違和感が外れた」と思い込み、
次から違和感を信じなくなることです。
では、
違和感とは、
現場でどのように向き合えばいいのでしょうか。
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