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(No.104)55歳を過ぎたら考えたい仕事だけに頼らない「もう一つの軸」のつくり方

55歳を過ぎたころ、ふと
「あと5年で定年か」
と意識し始める方も少なくありません。

ここまで仕事を続けてくる中で、多くの人が、さまざまなことに折り合いをつけながら働いてきたはずです。
理不尽なことにも耐え、責任を果たし、我慢し、努力してきた。そうして会社人生を積み重ねてきた方は多いと思います。

けれど、その一方で、55歳を過ぎたあたりから、これまでと同じような我慢が少しずつ苦しくなってくることがあります。

定年が近づくと、現実的な不安が増えてくる

この時期になると、仕事に対する不安は、気持ちの問題だけではなく、より現実的なものになってきます。

「60歳以降、再雇用で本当に働き続けられるだろうか」
「体力はもつだろうか」
「病気や体調の変化に対応できるだろうか」
「今までのように仕事についていけるだろうか」
「疲れが抜けにくくなってきた」
「何より、気力が続かない」

こうした感覚は、特別なことではありません。
むしろ、長く働いてきた人ほど自然に感じやすいものだと思います。

定年が近づくということは、働き方だけでなく、自分の生き方そのものを見直す時期に入るということでもあります。

仕事だけを支えにしていると、不安が大きくなる

これまで仕事中心で生きてきた人ほど、定年が近づいたときに心が揺れやすくなります。

仕事は、収入の源であるだけでなく、役割、居場所、人間関係、達成感など、多くのものを与えてくれます。
だからこそ、その比重が大きい人ほど、「仕事が変わる」「終わる」ということに大きな不安を感じやすくなります。

言い換えれば、仕事だけが自分を支える一本の柱になっている状態です。

その柱が揺らいだとき、心まで大きく揺れてしまう。
だからこそ、55歳を過ぎたあたりからは、仕事以外にも少しずつ別の軸を持つことが大切になってきます。

もう一つの軸があると、心に余白ができる

ここでいう「別の軸」とは、大げさなものではありません。

たとえば、

・会社以外の人とのつながり
・新しく学ぶこと
・趣味や地域活動
・小さな副業や発信活動
・将来につながる資格取得への挑戦

こうしたものが、仕事以外の支えになります。

新たな人間関係ができると、これまでの職場では出会えなかった考え方や価値観に触れることができます。
それだけでも、自分の視野は広がります。

会社の中だけで自分を評価していると、どうしても物差しが一つになりがちです。
けれど、別の世界に触れることで、「今の会社だけがすべてではない」と感じられるようになります。

この感覚は、定年前後の不安をやわらげるうえで、とても大切です。

小さな挑戦が、気力を取り戻すきっかけになる

新しい軸をつくるといっても、すぐに大きな変化を起こす必要はありません。

たとえば、

・ドローン操縦の資格に挑戦する
・英会話教室に通ってみる
・シニア男性向けの料理教室に参加してみる

そんな小さな一歩でも十分です。

大切なのは、「まだ自分は新しいことを始められる」という実感を持つことです。

仕事では守りに入る場面が増える年代だからこそ、仕事以外の場で小さな挑戦をすることが、気力の回復につながることがあります。
学ぶこと、試すこと、少しできるようになること。
その積み重ねが、自分の中に前向きなエネルギーを取り戻してくれます。

定年後を見据えて、副業という選択肢を持つ

もう一つ、現実的な備えとして考えたいのが副業です。

60歳の退職を見据えて、少しずつ副業を始めてみる。
これは、単なる収入確保の手段ではありません。

たとえば、退職までに毎月5万円を自分で稼げるようになる。
その意味は、金額以上に大きいものがあります。

副業を始めると、自分で考え、学び、試し、相手のニーズをつかみながら形にしていく力が必要になります。
そのプロセスは、受け身になりがちな時期に、自分の主体性を取り戻す機会にもなります。

そして何より、副収入が少しでもできると、今の会社との距離感が変わります。

「ここにしがみつかないと生活できない」
ではなく、
「ここに残るかどうかを自分で考えられる」
という感覚が生まれるからです。

選択肢があることは、心理的な安定につながる

今の会社に残るのか。
再雇用で働き続けるのか。
別の働き方を考えるのか。

その答えは、人によって違います。
正解は一つではありません。

ただ、どの選択をするにしても、自分で選べる状態をつくっておくことには大きな意味があります。

人は「選べない」と感じると苦しくなります。
一方で、「自分には選択肢がある」と感じられると、心に少し余裕が生まれます。

残ると決める。
残らないと決める。
どちらであっても、自分で決めることができれば、受け身ではなくなります。

その違いは、気持ちの安定に大きく影響します。

定年前の数年間は、次の生き方を準備する時間

55歳を過ぎてからの数年間は、ただ定年を待つ時間ではありません。

むしろ、これから先の働き方や生き方を、自分で整え直していくための準備期間です。

仕事だけに支えを求めるのではなく、
学び、人とのつながり、趣味、副業など、
少しずつ別の軸を育てていく。

そうすることで、60歳以降の選択肢は広がっていきます。

定年は、終わりではなく節目です。
これから先を少しでも自分らしく生きるために、55歳を過ぎた今こそ、仕事以外の軸足を少しずつつくり始めてみてはいかがでしょうか。

ご相談について


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