やさしいコミュニケーション連載 ~第一章 「コミュ障」って、どんな人?
「自分はコミュ障だから、人と話すのが苦手なんです」
そんな言葉を、聞いたことはありませんか?
もしかすると、自分自身について、そう感じている人もいるかもしれません。
初対面の人を前にすると、何を話せばいいのか分からない。
会話が途切れると、気まずく感じてしまう。
話しかけたい気持ちはあるのに、「変なことを言ったらどうしよう」と考えて、声をかけられない。
人と話したあとに、
「あの言い方でよかったのかな」
「嫌な人だと思われなかったかな」
と、何度も振り返ってしまう。
こうした経験が続くと、
「やっぱり自分はコミュ障なんだ」
と思ってしまうことがあります。
でも、「コミュ障」という言葉は、本来の自分を決める名前ではありません。
人との関わりの中で感じている、苦手さや不安を表すために使われることが多い言葉です。
無口な人だけが「コミュ障」ではない
「コミュ障」と聞くと、口数が少なく、人前でほとんど話せない人を思い浮かべるかもしれません。
けれど、コミュニケーションに困っている人は、必ずしも無口とは限りません。
たとえば、沈黙になるのが怖くて、相手が話す隙がないほど話し続けてしまう人もいます。
相手が自分の経験を話している途中で、
「それ、ボクもあるよ」
「自分の場合はもっと大変だった」
と、自分の話に切り替えてしまう人もいます。
本人は、相手に共感したいと思っているのかもしれません。
けれど、話していた相手は、
「まだ自分の話が終わっていなかったのに」
「話を取られてしまった」
と感じることがあります。
ほかにも、いつも相手の話を聞いているけれど、自分のことは何も話せない人もいます。
相手に嫌われないように気を遣いすぎて、家に帰るころには、ぐったり疲れてしまう人もいるでしょう。
つまり、コミュニケーションの苦手さには、いろいろな形があるのです。
話せることと、コミュニケーションが上手なことは違う
たくさん話せる人を見ると、
「会話が得意でいいな」
「自分もあれくらい話せたらいいのに」
と思うことがあります。
けれど、話す量が多いことと、コミュニケーションが上手なことは同じではありません。
会話は、一人だけで完成するものではないからです。
自分が話す。
相手が聴く。
相手が話す。
自分が聴く。
そうやって、お互いの言葉を少しずつ受け渡していくことで、会話は続いていきます。
どちらか一人だけが話し続けても、反対に、どちらも何も話せなくても、やり取りはうまく続きません。
大切なのは、たくさん話すことではなく、相手との間に小さな往復があることです。
4コマ漫画 「共感したつもりだったのに」

帆乃香のひとこと
相手と似た経験を話すことが、悪いわけではないんだよ。
「自分も同じだった」と伝えることで、相手が安心することもあるからね。
ただ、相手の話が終わる前に自分の話へ移ってしまうと、相手は「聞いてもらえなかった」と感じることがあるんだ。
そんなときは、自分の経験を話す前に、
「それは大変だったね」
「今も忙しいの?」
「少し休めている?」
と、一つだけ相手に返してみよう。
そのあとで、
「実はボクも、似た経験があってね」
と話せば、相手の話を奪うのではなく、経験を分かち合う会話になりやすいよ。
大丈夫。一歩ずつで変われるよ♪
コミュニケーションが苦手なのではなく、方法を知らないだけかもしれない
人との関わりがうまくいかなかったとき、
「自分は性格が悪い」
「人付き合いの才能がない」
と決めつけてしまうことがあります。
でも、本当にそうでしょうか。
相手の話を途中で奪ってしまう人は、相手に興味がないのではなく、「自分も分かる」と伝えたかったのかもしれません。
話し続けてしまう人は、自分だけが目立ちたいのではなく、沈黙になることが怖かったのかもしれません。
何も話せない人は、相手に関心がないのではなく、失敗したくない気持ちが強かったのかもしれません。
行動の裏側には、それぞれの不安や理由があります。
もちろん、理由があれば何をしてもいい、ということではありません。
相手を傷つけてしまったときは、振り返ったり、伝え方を変えたりすることも必要です。
でも、自分を厳しく責め続けなくても大丈夫です。
まずは、
「自分には、こういうときに話しすぎる癖があるかもしれない」
「人前だと、考えすぎてしまうみたいだ」
「聞き役になると、断れなくなることが多いな」
と気づくこと。
その気づきが、少しずつ変わっていくための第一歩になります。
「コミュ障」という言葉で、全部をまとめなくていい
「自分はコミュ障だ」と言ってしまうと、自分のすべてがコミュニケーションに向いていないように感じるかもしれません。
けれど、実際には、
初対面は苦手だけれど、仲良くなると話せる人。
大人数は苦手だけれど、一対一なら落ち着いて話せる人。
対面では緊張するけれど、文章なら丁寧に伝えられる人。
自分から話すのは苦手だけれど、人の話をじっくり聞ける人。
そんなふうに、得意な場面と苦手な場面が分かれていることが多いものです。
だから、
「自分はコミュ障だからダメ」
と大きくまとめるのではなく、
「どんな場面で困っているんだろう?」
と、少し細かく見てみましょう。
苦手な場面が分かれば、試せる工夫も見つけやすくなります。
今日の小さな実践ミッション
今日は、人と話した場面を一つだけ思い出してみましょう。
上手にできたかどうかを評価する必要はありません。
次の中から、自分に近いものを一つ選んでみてください。
□ 緊張して、言葉が出なかった
□ 沈黙が怖くて、話しすぎてしまった
□ 相手の話の途中で、自分の話を始めてしまった
□ 相手に合わせすぎて、疲れてしまった
□ 話したあとに、言い方を何度も後悔した
□ 思っていたより、落ち着いて話せた
□ 相手の話を最後まで聞けた
どれを選んでも、正解や不正解はありません。
「今日は、こんな傾向があったんだな」
と気づくだけで、今日のミッションは達成です。
振り返り
余裕があれば、次の三つも考えてみましょう。
1.どんな相手と話していましたか?
2.そのとき、どんな気持ちでしたか?
3.次に同じ場面があったら、何を一つだけ変えてみたいですか?
一度でうまく変えようとしなくても大丈夫です。
人との関わり方は、小さな経験を重ねながら、少しずつ自分に合った形を見つけていくものだからです。
次回予告
次回は、
「話せる人=コミュニケーション上手」ではない
というテーマについて、もう少し詳しく考えていきます。
話すことと聞くことのバランスや、会話のキャッチボールについて、帆乃香と一緒に見ていきましょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
ご意見、ご感想、フィードバックなどをコメントいただけると嬉しいです(*´ω`*)
あとがき
ここは、
「迷いの中にいるあなたが、安心して戻ってこられる場所」
としてつくりました。
焦らなくていい。
比べなくていい。
あなたのペースで、大丈夫です。
心が整えば、人生はまた動き出します。
その一歩に、静かに寄り添えたら嬉しいです。
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最後までお読みくださりありがとうございました(´ω`)
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