知覚の恒常性(perceptual constancy)
知覚の恒常性(perceptual constancy)
〇 感覚(sensation)とは、刺激が網膜や鼓膜などの感覚受容体に作用し、それが脳の特定領域に到達して生じる経験。
〇 知覚(perception)とは、脳に到達した感覚情報が選択・解釈されることによって生じる体験。
感覚として生じているが、知覚として気づいていないといった具合に、同じ映像を見たときに感覚として網膜に写っている映像は同じでも、何に注目するかは同じにならず異なるため、知覚は非常に主観的な体験である。
〇 知覚の恒常性とは、観察者の移動や照明の変化によって感覚器に到達する刺激の大きさや強度が大きく変化しても、知覚はさほど変化せず同じ対象は同じように知覚されて一貫性を保つ性質のこと。
(1) 大きさの恒常性(size constancy)
同じ対象が5mから10m前方まで遠ざかれば、対象の網膜像は半分の大きさになるが、実際に半分の大きさになったとは見えず、網膜像の大きさが変化してもある範囲までは一定の大きさに見える。
(2) 形の恒常性(scape constancy)
丸い皿をななめ方向から眺めれば、その網膜像の形は長円となるはずだが、やはり円として知覚する。
(3) 明るさの恒常性(brightness constancy)
同じ白紙を直射日光下で見た場合と、暗い室内で見た場合では、反射する光の量は大きくことなるが、室内の白紙を灰色とは知覚せず、白紙と知覚する。
〇 選択的知覚とは、無意識的に感覚情報を取捨選択し、必要な情報のみを知覚すること。
自分にとって価値のある情報が選ばれやすくなることを知覚的鋭敏化といい、自分がタブーとする情報が選ばれにくくなることを知覚的防衛という。
〇 カクテルパーティー効果(cocktail party effect)とは、選択的知覚の一例で、多くの人々で混み合う賑やかな場であっても、自分の話し相手の声が聞こえる現象。
鼓膜に響く聴覚情報から必要な情報だけを抽出している。
〇 分割的注意(divided attention)とは、同時に実行される複数課題を調整するため、利用可能な範囲で注意を振り分けること。
注意を有限な心的資源とみなす。
