[ほのぼの]うしろの親子
お正月に諏訪大社上社本宮へ初詣に行った時の話──
澄み渡り引き締まる空気の中
参拝の為に長蛇の列に並んでいると真後ろに並んでいるお母さんらしき女性の喋り声が聞こえた。
「前の人と同じようにするのよ。」
きっと小さいお子さんと二人で参拝に来ていてお母さんは参拝経験があまり無いのだろうなと直感した。
私は地元で神事に携わる御役目を務めた経験があり、神事の作法は宮司から叩き込まれていた。
…良かったですね。「前の人」がこの私で。正しく美しい「二礼二拍手一拝」をご覧に入れましょう。
などと心の中で後ろの親子に語りかけた。
徐々に拝殿が近づくにつれ背後の二つの熱視線が私の背中に突き刺さる。
比例するようにプレッシャーが高まっていき、ついに視界には拝殿だけが映った…
覚悟を決めて御賽銭を御賽銭箱にそっと滑らせ、「二礼二拍手一拝」の構えに入ったその瞬間。
頭が真っ白になって
「二拍手二礼」してしまい
逃げるようにその場を去りました。
ご愛読ありがとうございました。
まんまる先生の次回作にご期待ください。
