治りにくくなる前に対処を!ランナー膝こと腸脛靱帯炎の病態と対処法について!
おはようございます!こんにちは!こんばんは!「セラピストで副院長の豆知識」へ、ようこそ!
皆さん普段運動はしていますか?ランナー膝という言葉は聞いたことがありますか?
今回はランナー以外にも起こる可能性があるランナー膝(腸脛靱帯炎)について記事をまとめました。
また今回は通常の記事と合わせてさらに詳細な情報を記載した有料記事も記載しました。この内容を読んでいただき、さらに詳しい情報が知りたい方はぜひ読んでみてください。
1.ランナー膝とは
膝の外側にある腸脛靱帯の炎症による痛みで、ランナーに多いためランナー膝と呼ばれています。実際にはランナー以外であっても、膝に負担をかける動作を行い膝の外側が痛む場合に腸脛靱帯炎は発症している可能性があります。最初は、運動後に膝の外側に痛みが生じたとしてもアイシングや休息をはさめば改善が狙えます。しかし、対処せずに繰り返し症状が出ている間に組織が変性し、慢性的な症状に変化していきます。
💡豆知識💡〜その他の膝外側部痛の可能性について〜
ランナー膝以外にも膝の外側部が痛むことがあります。多いものとして、①外側半月板損傷、②外側膝窩部痛(膝窩筋、大腿二頭筋腱など)、③外側側副靭帯損傷などがあります。痛みの位置や、痛みがでる条件が異なるので正確な対処のためには鑑別が必要です。
2.腸脛靱帯について
腸脛靱帯は、骨盤の前外側にある大腿筋膜張筋から移行する形で腱膜上の腸脛靱帯に置き換わり、脛骨近位外側のGerdy結節(ガーディ結節)に付着します。また大殿筋や外側広筋とも接しているため、それらの筋緊張の影響を受けます。膝関節の外側の安定性に作用しています。腸脛靱帯は膝関節の屈伸動作において大腿骨外側上顆を跨ぐように前後にスライドします。
3.ランナー膝発症の原因
ランニングでは体重の3~4倍の負担がかかると言われています。その動作が繰り返されることで、腸脛靱帯は体重を支えながら、かつ運動による屈伸動作中に外側上顆との摩擦の反復で炎症が発生してしまいます。
4.増悪因子および対処法
・オーバーユース(使い過ぎ・過負荷)
運動していない人が急にたくさん走り込みをしたり、慣れた人でも運動をしすぎることで組織の許容量を超えて炎症が生じてしまうことがあります。
対処法:明らかな使いすぎの場合は休息日を設けることが必要です。また段階的に負荷を上げていくことで急激で強い症状が出る前に、コントロールできるようにします。
・マルユース(使い方の不良)
猫背(骨盤後傾)
骨盤後傾位になると、運動連鎖(姿勢の連動)の関係でO脚方向へのストレスが入りやすくなります。それにより膝の外側を支える腸脛靱帯への負担が大きくなります。また骨盤後傾により大腿筋膜張筋も過度に張力を求められるため、その影響でも摩擦力が強くなってしまいます。
対処法:猫背や骨盤後傾は普段も生活も含めて姿勢を正していく必要があります。またランニングフォームなどの運動時の姿勢を撮影したりして振り返ることで、使い方の癖がないか確認できます。
・身体のコンディション
運動に対して体を支えるための筋力が不足していたり、柔軟性が不足していると摩擦ストレスが増大し発症しやすくなってしまします。
対処法:体重を支えるための、殿筋群(特に中殿筋)や広筋群(特に内側広筋)の筋力を増強する。また大腿筋膜張筋や外側広筋の柔軟性改善を行う。これらで腸脛靱帯にかかる摩擦力の軽減を狙います。
・床面や靴などの環境的要因
硬い路面や、陸上競技のタータンなどの反発力の強い地面では、足をついた時に跳ね返ってくる力(床反力)も強くなります。そのため膝にかかる負担も大きくなります。またトラックなどで同じ方向ばかりの運動も負担がかかってしまいます
対処法:床面の条件は変えることは難しいので、運動や足に合わせた靴を選択することも効果的です。
・体重
ランニング時には体重の3~4倍の体重がかかるため、5kg体重が増えた状態の運動は約20kgもの負担が増えている状態となります。
対処法:食事内容や水泳やウォーキングなど、行いたい運動よりも負担が少ない方法で、先に減量を図ることも膝への負担軽減につながります。
・O脚
平均値内の膝関節はまっすぐからわずかにX脚方向になっていますが、日本人では膝に異常がなくてもO脚の方は多くみえます。O脚では膝が外側に張り出した状態になるため物理的に腸脛靱帯への摩擦力が強くなります。猫背のところでも解説したように姿勢の影響も考えられます。
対処法:運動に合わせた靴の選択することはもちろんですが、踵の外側を少し上げて傾斜をつけるウェッジやインソールを使用することで膝が外に向く力を軽減させる効果が狙えることがあります。
💡豆知識💡〜手術による影響もあるかもと思いましょう〜
膝関節に関わらず骨折後の骨接合術などではプレートの厚みや皮質骨からスクリューが少し突出していることはよくあります。安定した骨接合のためには必要なことです。膝関節においては、大腿骨顆部骨折後のスクリュー、骨幹部骨折後の髄内釘の横止めスクリュー、ACL再建術後のエンドボタンなどがあります。これらの出っ張りにより腸脛靱帯が通常よりも摩擦力を受けてしまい、疼痛が生じてしまう例を経験したことがあります。
💡独り言💡〜ランナー膝のその後にもご注意を〜
私も過去にランナー膝を経験しました。普段運動などしていない私が練習なしで10kmのマラソンに参加した時です。大勢の人が参加するマラソンの場合は、混雑を避けるためにゴール後もぐるっと遠回りして歩かされて自分の荷物まで戻ることはよくあると思います。私の場合は、そのゴール後に歩いている段階で徐々に片側性に症状が出現しました。そして会場から2km程度先の駐車場に向かう徒歩のなかで痛みが強くなり明らかにかばって歩いている状態でした。問題はそのあとで、ランナー膝の症状は幸いすぐに改善したのですが、かばっていた状態で当日歩いていた影響で、反対側の足関節に負担がかかっていたようで、そちらの方がランナー膝よりも遥かに痛くなり何週間も続きました。自業自得ですが笑。代償動作はどこかに負担をかけてしまいます。人に言えた身ではないですが、みなさんもお気をつけください。
5.最後に
ランナー膝・腸脛靱帯炎はスポーツしている方などの過負荷傾向の方や、姿勢、体重、筋力、柔軟性などの身体の変化によっても発症することがあります。慢性化すると症状の改善までが長引いてしまうこともあるので、早期に対処できると良いですね。
細かい病態や治療方針などについては医療機関に確認と指示に従ってくださいね。
もしさらに詳細な情報に興味がある方はぜひこちらの記事もご覧ください。

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