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しれっと温泉を流す不動の湯

大阪市の城東区にある鴫野(しぎの)という町は、かつては工業地帯として発展した地域なのだそうで、第二寝屋川ぞいに大きな道路があります。  

作業用の車を通りやすくするためなのか、この付近の一帯は、おしなべて道路が直角平行に区画整理されています。

直角平行に区画整理されているとはどういうことかというと、簡単にいえば、地図で見ると真っ直ぐな道路ばかりで、曲がりくねったところとか、T字路やY字路がほとんどないのですね。

四角い交差点と真っ直ぐな道路が、いくつも連なって形成されている。

反対側の南鴫野商店街のあたりは、逆に道路の構成がグニャグニャでカオスなので、余計にこの直角平行な構成が際立つ。

おそらくだけど、高度経済成長期に一気に新築の一軒家を大量に造成した時に整理されたのが第二寝屋川ぞいの地域で、商店街の地域のほうは戦前からの細い道路が今もほとんどそのまま残っている、そんなところではなかろうか。

何も調べていない状態で、すべて想像で述べているので、全部が間違いの可能性もありますが……。

さて、その区画整理されたところの一画に、さりげなく、実にさりげなく、温泉があったりします。

それが、銭湯密集地帯の城東区の中でも上位の人気銭湯である、不動の湯。

遠くからだと煙突の「ゆ」の赤い文字が見えたりするのですが、いざ建物の目の前に来てみると、ものすごくふつうの地味なビルだったりする。

いちおう「天然温泉」「不動の湯」の文字はあるものの、しれっと書かれているだけで、特になんの装飾もない。   

大阪市内で地下1000メートルからの温泉が沸いているという、まさに都会のオアシス。なのだから、旗をやたらと靡かせたり、ネオン看板を灯したりなんかして、もっと大々的にアピールすればよかろうに、びっくりするほどに地味な外観。

ただ、大阪市内には他にもいくつか温泉の沸いている銭湯があるのですが、港区のテルメ龍宮といい、西淀川区の野里の湯といい、この不動の湯の姉妹店の華厳温泉といい、なぜかあまり主張がなく、ふつうの住宅地に完全に同化しているのが定番です。

建物がクソデカいのでまあまあ目立つテルメ龍宮を除けば、一見だけでは、どこにでもあるふつうの銭湯にしか見えない。必要以上に温泉を主張してはいけない規律などがあるのだろうか。

それはともかくとして、この不動の湯の受付および浴場は2階にあります。1階は駐車場で、ここに13台まで停められ、提携されている近所の駐車場と合わせると、40台ほどが駐車可能。あとLuupスタンドもあるとか。

どちらも私は使っていないのでよくわかりませんが、一般銭湯の駐車場で40台の収納可というのは、大阪の銭湯の駐車場収納率第3位だと思われる。

ちなみに第1位はおそらく貝塚市の清児の湯(近隣のパチンコ店とマクドナルドとの共用だけど約300台)、第2位は豊中市の五色(公式HPによると60台)。もちろんこれは私調べでしかなく、もしかするともっと収納できるところもあるのかも。月極駐車場も運営しているところとかもあるし。

階段を上った2階が入口ですが、靴箱は玄関口ではなく室内にあります。この靴箱もかなりの数。ちゃんと数えたわけではないけど、150個はあると思う。ということは、一気に150人を収容可能ということか。

支払いは靴箱の横手にある機械で行います。わりと最近になって導入されたもので、バーコード決済やクレジットカードにも対応。

以前は現金のみ対応のシンプルな券売機だったのですが、どうやら撤去されたようです。個人的にはあの、格安チケット自販機みたいな券売機が好きだったんだが……。格安チケット自販機ももうあまり見かけなくなったな。

駐車場と玄関口は大きいですが、脱衣場と浴室の規模はふつうです。150人が一気に来たら80人くらいはあぶれてしまうでしょう。とはいえ人気店なので、男湯のほうだけで余裕で30人くらいは常に右往左往している。

さっそく温泉に入りましょう。

温泉の浴槽には、ぬるめの浴槽と熱めの2種類がありますが、ぬるめのほうはなかなか空かないので、熱めのほうにゆっくりと。よく子供が入ってすぐに脱落しているのを見かけるけど、熱い風呂の良さはある程度おっさんになってからわかるものだよ。

ぬるめのほうは半分が電気風呂になっており、何気にジェットがひとつだけ設置されていたりもする。浴槽が半円形なので足を伸ばして入るのは難しいですが、いったん入るとなかなか出られない。温泉に特有のヌメヌメした感触があまりなくて浸かりやすい。

小さな露天風呂があり、ここも半分が電気風呂。温泉のほうの電極板は年季が入っていますが、こちらはおそらく新しい。後から設置されたものなのかもしれません。銭湯好きな人でも苦手だという人が多い電気風呂をわざわざ2つ設置させたのは、何かこだわりがあるのだろうか。

サウナ室の扉には「バスタオル着用」の注意書きがあるのですが、現在はそのルールは廃止されているらしく、別にバスタオルを持っていなくても入れます。ただ、マットなどが敷かれていないので、椅子の湿気などが気になる人は持参したほうが良いかも。

そして最後に、ここに来たらスルーしてはおけないのが、脱衣場にあるウォーターサーバー。冷えた温泉水をその場で飲めます。以前は無かったのですが、最近になってからは紙コップを設置。

2つめの紙コップからは有料(10円)だそうですが、これは1つめの紙コップで何杯も飲んでも無料ということなのだろうか。とはいえ共用のものなので、節度は守りましょう。

常連さんは小さい魔法瓶を持参して、それに注いでいる。私はその場で1杯だけ飲んだあと、空の500mlペットボトルに半分だけ入れて持って帰っています。

温泉はバブル期に莫大な資金を投入して掘られたものなのだそうですが、それ以前はごくふつうの街中の銭湯だったようです。

その時代も見てみたかったと思いつつ、家に持って帰るつもりだった温泉水を、駅に着く前にもう飲みきってしまうのでした。

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ぷらーな サウナはたのしい。