映画『ミンナのウタ』の感想
映画『ミンナのウタ』は、2023年8月11日に公開された清水崇監督のホラー映画。主演はGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーで、みんな本人役で主演を務めています。(上記の公式サイトも気合が入ってます!)
物語は、GENERATIONSのメンバーである小森隼が、ラジオ局の倉庫で「ミンナノウタ」と書かれた古いカセットテープを見つけることから始まります。そのテープから流れる不気味なメロディーを聴いた者は次々と奇妙な出来事に巻き込まれ、次第にメンバーたちが一人、また一人と姿を消していくというストーリーが描かれます。
この作品では、呪いのカセットテープをめぐる物語が展開されていて、映画『リング』を彷彿とさせます。『リング』が呪いのビデオテープを通して貞子の恐怖を描いたように、『ミンナのウタ』では「ミンナノウタ」と書かれたカセットテープをめぐり、少女・高谷さなの呪いが広がっていきます。この高谷さなをめぐる話が、とにかく怖い…。
Jホラーの系譜を継ぐ新たな恐怖
『リング』では、ビデオテープを再生した者に降りかかる「観たら死ぬ」という明確な呪いのルールが、観客に強い緊張感を与えました。それに対し、『ミンナのウタ』は、ラジオ番組の企画で使われた古いカセットテープにまつわる呪いのメロディーが、様々な不可解な現象を引き起こすという点で、現代的なアプローチを見せています。
『リング』がビデオテープという当時の時代を象徴するメディアを恐怖の装置として使ったように、『ミンナのウタ』はカセットテープという、ある種レトロなメディアを新たな恐怖のアイコンとして蘇らせました。これは、単なるオマージュに留まらず、時代を超えて形を変えながら受け継がれていく呪いの系譜を描いているとも捉えられます。
また、GENERATIONSのメンバーが本人役で出演している点も、物語にリアリティと緊迫感を与えています。本人役であるがゆえに、変な演技感もなく、今流行の、モキュメンタリーチックなフィクションと現実の境界が曖昧になることで、まるで実際に彼らに呪いが降りかかっているかのような感覚を味わうことができます。
『リング』がそうであったように、『ミンナのウタ』もまた、観客に「音」による恐怖を強く印象づける作品です。視覚的な恐怖だけでなく、耳から入る呪いのメロディーがじわじわと精神を蝕んでいくような演出は、現代のJホラーにおける新たな恐怖の形を示していると言えるでしょう。
なんというか、空耳や耳から離れないウタ(これは日常的にも起こりますが、それがある意味呪のようになってしまう。)といった、音楽あるあるのようであったり、また、高谷さなの趣味が音の収集というニッチな部分も、面白恐いです。
GENERATIONSをアイドルと言っていいのかは迷いがありますが、アイドルが主演する映画といえばホラー映画!そういった系譜も背負っていながらも、清水崇監督の腕で、しっかりと骨太の最恐キャラが出てくるホラー映画となっています。
