「口を触らせてくれない」悩みに寄り添う。外国人スタッフと歩んだ、あたたかい学びの時間
こんにちは、訪問歯科衛生士のノンです。
普段は訪問歯科の現場を回っていますが、先日、ある老人ホーム施設さんからご依頼をいただき、スタッフの皆様に向けた「簡単な口腔ケアのセミナー」を開催してきました。
最近の介護現場では、多くの外国人スタッフの方々が活躍されています。今回のセミナーでも、初めて口腔ケアを本格的に学ぶという外国人スタッフの方が多く参加してくださいました。
私も「どうすれば一番わかりやすく伝わるだろう?」と色々と準備を重ね、写真付きの資料を何枚か作成して臨んだのですが……やはり現場での実践に勝るものはありませんでした。
「マニュアル」よりも「体感」すること
セミナーが始まってすぐに気づいたのは、言葉で説明するよりも、実際に見て、触って、体験してもらうことが何より大切だということです。
そこで急遽、プログラムを「体感型」にシフトしました。
ハブラシやスポンジブラシを実際に触ってみる
口腔ケアジェルを自分たちで「味見」してみる
「これなら不味くないね」「あ、これはちょっと苦いかも!」
実際に自分のお口で試してもらうことで、「ケアを受ける患者様がどう感じるか」を五感で理解してもらうことができました。
マニュアルを読んだだけでは分からなかった、お口の中のデリケートな感覚。それを自分自身で体感してもらうことで、スタッフの皆さんの目が一気に輝き出したのを感じました。

「口を触らせてくれない」その時どうする?
セミナーの中で、一番多く質問が出たのがこの悩みでした。
「口臭が強いのに、拒否があって口を触らせてくれない。どうしたらいいですか?」
寝たきりでうがいができない患者様は、お口の中がとても乾燥していることが多いものです。カサカサに乾いた状態でいきなりブラシを入れられたら、誰だって痛くて拒否してしまいますよね。
そこで、実際の患者様のお口をお借りして、実演を交えながらこのように指導させていただきました。
まずは「保湿」を徹底すること。お口の中を優しく潤してあげる。
無理にこするのではなく、ふやけた汚れを優しく「拭い取る」ようにケアすること。
「こういう角度で、こうして……」と手元を見せながら説明すると、スタッフの皆さんは「なるほど!」と深く頷いてくれました。何より嬉しかったのは、どのスタッフの方も本当に真面目で、熱心にメモを取りながら聞いてくれたことです。
相手を想うケアは、世界共通
言葉や文化の違いはあっても、「目の前の患者様を良くしてあげたい、気持ちよくしてあげたい」という優しい想いは、みんな同じです。
マニュアルをただなぞるだけではない、現場の生の声と、何が知りたくて何を求めているのかがはっきりと分かった今回のセミナー。
教える立場でありながら、私自身にとっても「伝えることの大切さ」を改めて学ぶ、とても温かい勉強会になりました。
スタッフの皆様、本当にありがとうございました。明日からのケアが、少しでも優しく、楽しい時間になりますように。

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