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高校野球経験者として考える「甲子園7回制」――それでも私は9回制を残してほしい

高校野球の「7回制」が議論されています。

暑さが年々厳しくなっている以上、選手の安全を考えることは当然です。暑さ対策そのものには、私も大賛成。

でも、7回制にすることについては少し違う。

私は高校野球経験者として、甲子園は今の9回制を続けてほしいと思っています。

これは単なる「昔からそうだったから」という懐古主義ではありません。

甲子園には、甲子園にしかない価値がある。

そして何より、この議論の真ん中にいるべきなのは、大人ではなく球児たちだと思うからです。


「危ないから7回にしよう」――本当に球児の声はそこにあるのか

暑さが危険。

だから試合時間を短くする。

そのために9回から7回へ。

理屈は分かります。

ただ、この議論をニュースなどで見ていると、一つ気になることがあります。

実際に甲子園を目指している高校球児たちは、どう思っているのか。

ここがもっと聞こえてきてもいい。

高校野球は、大人のために行われているものではありません。

主役は球児。

ならば制度を大きく変えるときも、球児たちの意見を中心に考えるべきではないでしょうか。

大人が「こっちの方が安全だから」と決めて終わり。

私は、それには少し違和感があります。


球児たちは「甲子園の数試合」だけ野球をしているわけじゃない

もう一つ思うこと。

高校球児は、甲子園の試合だけ野球をしているわけではありません。

真夏の暑い日。

冬の凍えるような寒さ。

春も秋も含めて、毎日のように練習を積み重ねている。

グラウンド整備。

ランニング。

ノック。

バッティング。

試合に出られない選手も含めて、長い時間を野球に費やしている。

その積み重ねの先にある甲子園。

だから暑さ対策を考えるなら、甲子園の試合だけを切り取るのではなく、高校野球全体として選手をどう守るのかという視点も必要だと思います。


なぜ球児は「全国大会へ行こう」と言わないのか

高校野球には、ちょっと特殊なところがあります。

他の競技なら、

「全国大会に行こう」

「全国を目指そう」

という言葉が普通です。

でも高校野球は違う。

「甲子園へ行こう」

と言います。

全国大会の開催地だから甲子園を目指しているだけではない。

あの球場そのものが、目標になっている。

土。

アルプススタンド。

応援。

独特の空気。

そして、何世代もの高校球児が目指してきた歴史。

「全国大会」と「甲子園」。

同じようで、やっぱり違う。

高校野球を経験した人間として、ここは大切にしてほしいところです。


108回積み重ねてきた歴史――変えれば戻せないものもある

全国高校野球選手権大会は、長い歴史を積み重ねてきました。

108回。

その間には、当然いろいろな変化があったはずです。

時代に合わせて変えるべきものは変える。

これは必要。

でも同時に、変えてしまえば簡単には戻せないものもあります。

9回まで戦う高校野球も、その一つではないでしょうか。

7回制には7回制の良さがあると思います。

しかし、「安全のため」という一つの理由だけで長く続いてきたものを変える前に、まだできることがあるのではないか。

私はそう思います。


9回を守るか、命を守るか――そんな二択じゃない

ここは誤解されたくありません。

私は、

「昔から9回なんだから、暑くても我慢しろ」

なんて言いたいわけではありません。

むしろ逆。

暑さ対策は、今以上に徹底して進めるべき。

試合時間。

休憩。

給水。

日程。

選手のコンディション管理。

そして選手だけではなく、応援する生徒たちへの対策。

例えば、アルプススタンドへの屋根の設置。

簡単に実現できる話ではないでしょう。

それでも、できる対策を一つずつ考えていく価値はある。

「9回制を残したい」と「安全性を高めたい」は対立する話ではありません。

伝統か、安全か。

そんな二択にする必要はない。

両方を目指せばいい。


甲子園は「変える」のではなく「進化」してほしい

私は、甲子園は甲子園のままであってほしいと思っています。

9回制も。

積み重ねてきた歴史も。

そして、『いつか甲子園へ行きたい!』という球児たちの憧れも。

伝統を守ること。
選手の命や健康を守ること。
この二つは、きっと両立できるはずです。

大切なのは、甲子園の形をただ変えることではなく、歴史や球児たちの憧れを残しながら、より安全な形へ進化させていくことではないでしょうか。

私は高校野球経験者として、9回制を残してほしいと思っています。

ただ、ここまで書いてきた私の意見も、結局は一人の大人の意見です。

甲子園で実際にプレーするのは、今の高校球児たち。

だから最後はやっぱり、球児たち自身がどうしたいのか。その声を最優先にしてほしい。

7回なのか、9回なのか。

大人だけで答えを決めるのではなく、主役である球児たちの声から始まる議論であってほしい。

高校野球を経験した一人として、私はそう思います。


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