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【東京エッセイ】夜の中に目が覚める

いつの頃からか、夜の中に目が覚めるようになった。

大抵は再び眠るようにしている。

それでもまた目が覚めることがあり、小刻みに寝てを繰り返し、もう良いかと夜明け前に起きる。

昔は、眠ったら朝まで起きることはなかった。

年齢と共に、睡眠の様相も変わっていくのだろうと思うようにしている。

今回は、はっきりと目が覚めたので、そのまま起きることにした。

そして、こうしてエッセイを書いている。

冬至までは夜が長くなるので、当然外はまだ暗い。そして寒い。

暖房はつけずに、冷たい空気の中で淡々と筆を滑らしていく。

さらさらと流れる言葉は、心情そのままの吐露なのだろう。

来し方行く末を思いながら書いていると、いつの間にかぼんやりと現在の事だけを書いていることに気づく。

未来はどうなるか分からないからだろう。

結局のところ、今ここを思うことに収斂するのが、心のあり様なのだろう。

ただ、異常に発達した記憶力のせいか、画像のように過去の映像がちらちらと思い浮かぶ。

良い記憶ならまだしも、嫌な記憶まで現れるのは、無意識には善悪など存在しないからだろう。

だから、現れる様々な記憶のまま、流れに逆らわず淡々と筆を進めている。

まるで独白だなあ、とおかしみを感じつつ書いていると、本当に今ここの大切をしみじみと感じる。

人が肌身で感じるのは、現在そのものだから、自然とそうなるのだろう。

それを当然のこととして受け入れ、現在の思考の流れのまま言葉を紡いでいると、静けさの中で、自分がそのままの形を取り戻していくのを感じる。

時間と共に夜は白々と明るくなっていくのだろう。

窓の外は未だ暗いが、心は明るい。

人よりほんの少し早く起きるだけで、こんな風に心持ちが変わるのは、季節と同じで、ほんの少し視線を変えるだけで、いつもの風景の色に、ほんの一滴別の色を注ぐようなものだろう。

淡い変化、目を凝らしても気づけないような微妙な変化。

但し、確実にそれまでと色は変わっている。

思いが変化の象徴なら、そこにただ一滴、異なる色を、加えてみる。
それだけで、変わらないはずの日常が少しだけ違って見える。

こんな風に、今日も1日を大切に過ごしていくのだろう。


11月も半ばに、なりながら。

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