2. 正の数・負の数/絶対値(利益と損失)
■ この回は「怖さを消す回」
数学が嫌いになる最初の原因は、
「マイナスがよくわからない」
ここです。
今日は、
マイナスの正体を完全に掴みます。
そして最後にこう思えるようにします。
「あ、なんだ。ただの“位置”か。」
■ 物語:数字が怖くなった夜
月末。
シャッターを閉めたあと、
僕はレジの前で固まっていた。
売上:120,000円
支出:150,000円
指が震える。
くま「30,000円足りない…」
胸の奥がざわっとする。
れな「それを数字で書くと?」
くま「−30,000円。」
れな「そう。怖いのは数字じゃない。意味が曖昧なことよ。」
その言葉で、僕は気づく。
マイナスが怖いのは、
理解していないからだ。
第1章 正の数と負の数は“方向”
■ 頭の中に一本の線を描いてください
横にまっすぐな線。
真ん中に「0」。
右に 1、2、3…
左に −1、−2、−3…
これが数直線。
■ 正の数とは?
0より右。
+3 は
0から右に3歩進んだ位置。
「増えた」「前進」。
■ 負の数とは?
0より左。
−3 は
0から左に3歩進んだ位置。
「足りない」「後退」。
ここで大事なこと。
プラスもマイナスも、
良い悪いではない。
ただの「位置」。
第2章 足し算は“歩く”こと
例1:+4 +3
0から右に4歩。
さらに右に3歩。
今どこ?
右に7歩。
答え:+7
例2:−4 −3
0から左に4歩。
さらに左に3歩。
左に7歩。
答え:−7
例3:+7 −4
右に7歩。
そこから左に4歩戻る。
今どこ?
右に3歩。
答え:+3
ここで大事なのは、
−は「引く」ではない。
−は「左方向」。
これを分けるだけで、
混乱は消えます。
第3章 引き算の正体
問題:
−5 − (−2)
怖いのはカッコ。
でもやることはひとつ。
引くとは、反対方向に進むこと。
−5 − (−2)
左に5歩いる。
「−2を引く」とは?
左2歩を取り消すこと。
つまり、右に2歩進む。
今どこ?
−3。
式で書くと、
−5 − (−2)
= −5 + 2
= −3
なぜこうなる?
借金2万円が帳消しになる。
それは増えたのと同じ。
マイナスを消す行為は、
プラス方向。
第4章 絶対値 ― 距離という視点
ここで、世界が変わります。
■ 絶対値とは?
0からの距離。
縦棒で囲む。
|−5|
■ 図で言葉にする
数直線を思い浮かべる。
0から−5まで何歩?
5歩。
だから
|−5| = 5
0から+5まで何歩?
5歩。
だから
|5| = 5
距離はマイナスにならない。
これが絶対値。
■ 赤字を絶対値で見る
−30,000円。
これは「方向」。
でも、
|−30,000| = 30,000
これは「規模」。
方向と規模を分けると、
冷静になれる。
第5章 距離として考える練習
|3 − 8|
まず位置を考える。
3の位置。
8の位置。
どれだけ離れている?
5。
式で確認。
3 − 8 = −5
絶対値 → 5
距離は向きに関係ない。
小さなおさらい
0は基準点
プラスは右
マイナスは左
絶対値は距離
これが今日の全部。
練習問題(完全理解用)
① +9 − 4
右9、左4 → 右5
答え:+5
② −7 − 2
左7、さらに左2 → 左9
答え:−9
③ −3 + 8
左3、右8 → 右5
答え:+5
④ 5 − 11
右5、左11 → 左6
答え:−6
⑤ −4 − (−6)
= −4 + 6
= 2
⑥ |−12|
12
⑦ |7|
7
⑧ |5 − 2|
5 − 2 = 3
絶対値 → 3
⑨ |2 − 5|
2 − 5 = −3
絶対値 → 3
⑩ −9 と +4、0から遠いのは?
|−9| = 9
|4| = 4
答え:−9
物語の続き
僕は電卓を置いた。
赤字は消えていない。
でも、恐怖は消えていた。
くま「マイナスは敵じゃないですね。」
れな「ええ。位置よ。
位置がわかれば、動けばいい。」
ここが理解できたなら、
あなたはもう
数学の入口を越えています。
次からは、
“数を関係で見る”世界へ進みます。
