わたしの筆箱を植え込みに捨ててしまった子の思い出(追記あり)
数日前から5月に行っていたクンダリーニヨガのトラウマ解消ワークを再度しています。そのせいかまた色々過去の出来事を思い出すので
記憶と感情の整理のため書いています。
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子供の時、同じ団地の同じ階段によし子ちゃんという子が住んでいた。わたしの家が3階でよし子ちゃんの家が1階。よし子ちゃんは小柄で痩せていて目もとが鋭くて猫みたいな感じの子だった。
同い年だったので、よく一緒に遊んだ。3年生の時、よし子ちゃんと同じクラスになった。
ある放課後、誰もいない教室でなぜかテンションが上がってしまったわたしたちふたりは折り紙や画用紙をバラバラにしたり、机に落書きをしたりして悪戯の限りを尽くした。
やっている時は楽しかったけど、後になって何でこんなことをしてしまったのだろうと後悔した。バレたら怒られるだろうと思って怖くなった。
教室の状態から当然それは先生に知られ、次の日の朝クラス全員に誰がやったのかと問われた。わたしもよし子ちゃんも下を向いて、名乗り出ることはできなかった。そして先生は犯人捜しを諦めた。
悪いことをして秘密を共有したよし子ちゃんとはそれからも一緒に遊んだ。
★★★
ある時、わたしは母に新しい筆箱を買ってもらった。それまで使っていたやつが壊れたからだ。近所の商店街の文房具屋で選んだ、プラスチックの箱型にマグネットで止まるビニール製のふたのやつだ。ピンクと黄緑色の背景にコアラのイラストが描いてある。
ふたの内側の背になる部分に黒マジックでクラスと名前を自分で書いた。あまり上手に書けなくてちょっと残念だった。それでもやはり新しい筆箱は嬉しかったので学校に行くのがほんの少しだけ楽しくなった。
授業が終わって帰ろうという時、ランドセルの中を見ると筆箱がなかった。わたしはよし子ちゃんが隠したのを知っていた。よし子ちゃんがわたしの机のところにいたのを見てたから。でも何も言えなかった。
家に帰って「筆箱がなくなった。よし子ちゃんがとったの。」と母に言った。
次の日学校は休みだった。交番から電話がかかってくる。母と一緒に歩いて交番まで筆箱を受け取りに行った。
帰り道、芝生の横をとぼとぼ歩く。筆箱は団地内の芝生にある植え込みの中に落ちていたそうだ。
「よし子ちゃん、どうしていいかわからなくなっちゃったんだろうね」と母が言った。
わたしだってどうしていいのかわからなかった。モヤモヤとした感情だけが残った。胸の奥に何か重いものが居座りそれが喉のほうまで圧迫する。
怒ったら楽だったろう。筆箱返してって言えたら良かった。でも怒ることはできなかったし、言う勇気もなかった。
次の日学校でわたしが筆箱を持ってきているのを驚いたような目で見ていたのを覚えている。
それからわたしがよし子ちゃんとどう接していたのか、なぜか全く覚えていない。そのうちよし子ちゃんはどこかに引っ越して行ってしまった。
★★★
わたしは人と関係を築くのが苦手だ。どんなに仲良くなっても完全に相手を信じることができない。いつか裏切られるのではないかといつも恐怖を感じていた。だから表面的な付き合いになりがちで深く付き合える友達が本当に少ない。
おそらくこのよし子ちゃんの件が一因なんだろうな、と思う。
今でも思い出すとちょっと悲しい気分になる。別によし子ちゃんのことは恨んでない。今はそんな経験もした自分、それも含めた上で今の自分があるって分かっているから。
何でも話せる親友、とか、たくさん友人がいる人を羨ましいと思ったこともあるけれど、今はもうどうでもいいやって思っている。それよか自分が大事だ。わたしは自分自身と関係を作ってゆく。
もしまた誰かに自分に対して理不尽なことをされたり、不当に扱われることがあったら、その時はきちんと怒ることをしたい。きちんと自分を守ることをしてあげなければいけないと思ってる。
追記:別にひとりがいいって言ってる訳じゃない。多くはないが私にも大切な友人たちがいる。ただ、彼女たちがわたしのことを本当に好きでいてくれるのか自信が持てないでいる。時々本当にひとりぼっちな気分になる。
多分いつか自分を丸ごと受け容れられたら、自分のことを丸ごと愛することができた時に、心の底から人を信じることができるんじゃないかと思う。だから、今は自分を大切にすることを学んでいる。(11/8)
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わたしとあなたの中にはすべてがあります。