第16話 ふわふわ朦朧拳(酔えば酔うほど強い?!)
体が、自分のものじゃないみたいでした。
病室に戻ったとき、
私は仰向けのまま一切動けず、
酸素マスク越しの呼吸だけが、かろうじてできていました。
呼吸をするだけで精一杯。
言葉を発するのもままならない。
自分としては麻酔で寝てただけなんですが、手術時間は約7時間、負担の少ない腹腔鏡手術といえども体に刃物が入り大腸を丸っと一本引っこ抜かれればダメージは大きいですよね。笑
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そこへ、両親、兄、義姉が顔を見に来てくれました。
誰がどこに立っていたかまでは覚えていませんが、
義姉に向かって**「今度、チェスでもしましょうか」**と話しかけた記憶だけが、不思議とはっきり残っています。
なぜチェス……?
自分でもよくわかりません。笑
それを言った後は、また静かに眠りへと落ちていきました。
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不思議だったのは、痛みはまったく感じていなかったこと。
(麻酔と痛み止めのおかげだと思います)
でも、もっと強く感じたのは、
**「自分の身体じゃないみたいだ」**という違和感でした。
腕も脚も、腹も胸も、
たしかに“自分の身体”なのに、どこか遠くにあるような感覚。
おそらく、麻酔後の朦朧とした状態からだもは思います。
そのまま、ふわっと意識が薄れまた眠りに落ちていきました。
さて、摘出された大腸について。
後日家族から聞いた話ですが、
手術終了後〜私が目覚めるまでの間に、
摘出した大腸のお披露目会があったようです。
金属製のタッパー?みたいな弁当箱のような容器にぎゅっとしまわれて大腸が登場。
そのまま、広げて実物でポリープ群や盲腸などを観察、解析してもらったらしいです。
その際、誰も写真を撮ってないって言うから残念で仕方ないです。
僕も己の腸を見たかったのに、、非常に残念!!
一部は研究標本としてホルマリン漬け(ホルモンの壺漬けじゃないですよ!)にされ、残りは廃棄とのことでした。
