【要注意】親がやりがちな「逆効果な声かけ」5選― 25年の指導で見えた共通点 ―
こんにちは。数学教師歴25年の「Q.E.D. の向こう側」です。
先日、保護者からこんな相談を受けました。
「先生、うちの子、家で全然勉強しなくて……ついキツく言っちゃうんです」
そう肩を落とすお母さん。
実は、私たち教師も全く同じ失敗を繰り返してきたんですよ。
今日は、良かれと思ってかけた言葉が、なぜか子どもを動けなくさせてしまう……
そんな「声かけの落とし穴」について、少しお話しさせてくださいね。
◆ 善意の言葉が、子どもの足を止める理由

「心配だから言っているだけなんです」
「応援しているつもりなんです」
これまで、多くの保護者の方からこの言葉を聞いてきました。
その温かな愛情は、間違いなく本物です。
でも、悲しいかな。 その「善意」が、教室では子どもの口を重くし、表情を曇らせる原因になっていることが多々あるんです。
実はこれ、親御さんを責めているわけではないんですよ。
むしろ、一生懸命に向き合おうとしているからこそ起きてしまう、「ボタンの掛け違い」のようなものなんです。
長年教師をしている間に、たくさんの生徒が、家庭での一言を背負って登校してくるのを見てきました。
子どもにとって親の言葉は、単なる言葉ではなく、 その奥にある意味を、敏感に受け取ってしまうことがあるんです。
◆ 思わず私も使っていた声かけ
偉そうに言っていますが、私もかつてはよく使ってしまっていた言葉があります。
テストの点数が下がった生徒に、「やればできるんだから、もっと頑張りなさい」と励ましのつもりで声をかけていたんです。
「先生、『やればできる』ってことは、できない今の僕は、やってないダメな人間ってことですよね」
私は彼を励ましているつもりで、実は「今の君ではダメだ」と否定し続けていたことに、その時初めて気づいたんです。
伝えるタイミングや、生徒の心の状態をもっと考えるべきだったと反省してます。

◆ つい言ってしまう「逆効果な声かけ」5選
もし、お子さんが最近黙り込んでしまっているなら、こんな言葉をかけていないか、一緒に振り返ってみませんか?
第5位:「ちゃんと勉強してるの?」
親御さんは「進捗の確認」をしたいだけ。
でも、子どもは「信用されていない」と受け取ります。
結果、頭を動かすことより「勉強しているフリ」が上手くなってしまうんです。 そんな時は、「今日は、どこが一番ややこしかった?」と、中身に興味を持ってあげてください。
第4位:「前はできてたでしょ?」
過去の自分と比較されるのは、今の自分を否定されるより辛いものです。 「今、どこで止まってる?」 そう聞いて、現在地に寄り添ってあげるだけで、子どもは少し呼吸がしやすくなります。
第3位:「なんでこんなミスするの?」
数学を教えているとよく分かりますが、ミスには必ず理由があります。
でも「なんで?」と責められると、脳は言い訳を探すのに精一杯で、解き方を考える余裕が消えてしまいます。
「ここまでの考え方、教えて」と、思考のプロセスを一緒に歩いてあげてください。

第2位:「やればできるんだから」
これは真面目な子ほど、「できないのは自分の努力が足りないせいだ」と自分を追い込む呪文になります。
「やり方、合ってるか一緒に見ようか」 そう言って、具体的な方法に目を向けてあげましょう。
第1位:「なんでできないの?」
教師として、一番胸が痛くなる言葉です。
できない理由が分からないから、子どもは困っているんです。
思考が止まった子に必要なのは、「どこまでは分かってる?」という、小さな足がかりを与えてあげましょう。 「ここまでなら分かってる」と言えた瞬間、止まっていた思考がまた動き出します。
◆ 家庭は、子どもにとっての「回復の場」であってほしい

「厳しくしなくて大丈夫ですか?」
面談でよく聞かれる質問です。
もちろん、規律は大切です。
でも、「厳しさ」と「思考を止めること」は全く別物なんです。
考えられなくなった子は、どれだけ叱っても、どれだけ怖がらせても動きません。
学校は、常に評価される場所です。
だからこそ、せめて家庭だけは「できない理由を安全に話せる場所」であってほしい。
「先生、私の代わりに厳しく叱ってください」とお願いされることもありますが、実はその子に一番必要なのは、「ここでは叱られない、失敗してもいいんだ」という安心感だったりするんですよね。
◆ 今日から、言葉の「温度」を少しだけ変えてみる
才能の差でも、勉強量でもありません。
声かけの質を変えるだけで、子どもの表情は驚くほど変わります。
もし、お子さんが黙ってしまったら。
それは反抗でも、やる気がないのでもありません。
「どう言えばいいか分からなくて、一生懸命に言葉を探している最中」 なのかもしれません。
そんな時は、ゆっくり待ってあげませんか。
私たち大人も、そうやって待ってもらえた時に、一番頑張れたはずですから。
いかがでしたでしょうか。
もし「うちの場合はどう声をかけたらいい?」と迷う場面があれば、いつでも教えてください。
よろしければ、あなたがお子さんに声をかける時に、一番大切にしている「一言」をコメントで教えていただけませんか?
皆さんの素敵な「お守りの言葉」が、他の誰かの支えになるかもしれません。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
