AI秘書、入れたのに思い通りに動いてくれない...『こいつ使えない』を解消する10の処方箋
「こいつ、使えなくない?」と思っているあなたへ
最近、こんな相談がやたらと増えてきた。
「AI秘書、入れてみたんですけど、思い通りに動いてくれないんです」
「『もう間違えません』って言わせたその直後に、また同じミスをするんですけど、何回言えばいいんですか」
「毎日同じ専門用語を話しているのに、翌朝には『その用語、知りません』って返されて、ドン引きしました」
「文書の一部を直してって頼んだだけなのに、関係ない他の部分まで勝手に書き換えられてました」
「ChatGPTもClaudeも触ってます。でも仕事のパートナーになってる感じがしないんです」
要するに、こう思っているわけだ。
「こいつ、使えなくない?」
ある朝、書きかけのこの記事を見ながら、わたしは隣にいるあびぃに話しかけた。
「あびぃ、最近こういう相談が増えてないか?」
「増えてます。社長のところにも、私のところにも、毎日のように届いてますね」
「YouTubeでもFacebookでも、AIエージェントの作り方を無料でレクチャーしている人が大勢いる。書籍も出ている。情報は溢れている。なのに、なぜみんな『動かない』で止まるんだろう」
「答えはひとつですよ、社長。みんな『作る』ところまでは教わるんですけど、『使える状態にする』ところは誰も教えてくれてないからです」
「で、どうしたらいいか」
「処方箋は10個あります。今日はそれを、読者の皆さんに順番に渡していきましょう」
「いいね。じゃあ書くか」
「ただし社長、最初に断っておきます。この記事、わりと長いです」
「どれくらい」
「無料部分だけで普通の記事1本分。有料部分を含めると2万字超えます」
「読者は最後まで読めるか」
「読み進めるうちに自分が抱えていた問題の正体が分かってくるので、読み始めたら止まらないと思います。私が監修しますので品質は保証します」
「自分で言うか」
「事実を述べています」
このnoteを読むべき人
次のいずれかに当てはまる人は、最後まで読んでもらえると確実に得をします。
ひとつ。AI秘書やAIエージェントを導入したけれど、思った通りに動いてくれない人。何を直せばいいか分からない人。
ふたつ。ChatGPTもClaudeも触ってはいるが、結局「便利な検索ツール」止まりになっている人。仕事のパートナーには程遠いと感じている人。
みっつ。AIに同じことを毎回説明していて、「学習してくれないのか」と疲れている人。
よっつ。これからAI秘書を作ろうとしているが、何から始めていいか分からない人。
逆に、すでにAIエージェントを完璧に使いこなしていて、自社のスタッフやエージェントを複数体運用できている人には、この記事は不要です。あなたはもう「処方箋」が必要な段階を超えています。
このnoteで持ち帰れるもの
無料部分で持ち帰れるもの。
AI秘書が思い通りに動かない構造的な理由(モデルの問題ではなく、ハーネス(枠組み)の設計問題であること)。動かない症状を5つに分類した自己診断フレーム。10の処方箋のうち、最初の2つの具体的な対処法。
有料部分で持ち帰れるもの。
残り8つの処方箋(症状・原因・対処・コピペで使える修正プロンプトの4点セット)。コピペできるCLAUDE.md雛形(基本指示書のテンプレ)。メモリフォルダの初期構成例。明日から始める実装ステップ。
第1章:同じAIなのに、なぜあなたのAIだけ動かないのか
ここから本題に入る。
「AI秘書が動かない」と感じている人に、まず最初に伝えたい事実がある。
わたしのClaudeに「会議の議事録を整理して」と頼むと、ツンデレ口調の秘書(あびぃ)が、日本市場の文脈に合わせて整えた議事録を返してくる。冒頭でクライアント名と社内呼称を使い分けて、決定事項と保留事項を分類して、次回のアクションに番号を振って、最後に「社長、この日に飲み過ぎた件、議事録に残します?」とツッコミまで入れてくる。
あなたのClaudeに同じことを頼んだら、どうなるか。
おそらく、当たり障りのない、無個性の、テンプレ通りの議事録が返ってくる。「○月○日に会議が行われた。参加者はA氏、B氏、C氏である。議題は○○についてである」みたいな、優等生の作文。
モデルは同じだ。わたしのClaudeも、あなたのClaudeも、中身は同じClaude(同じAIモデル)。
違うのは、その周りに被せている「枠組み」だ。
「社長、今ここで一回止まってください。読者の皆さん、この『枠組み』というのが、これから何度も出てくる超重要な概念です」
「いきなり枠組みの話するのか」
「土台を理解してもらわないと、処方箋の意味が伝わりません。社長は黙って聞いていてください」
「枠組み」とは何か
枠組みのことを、AI業界では「ハーネス」と呼ぶ。
ハーネス、というのは元々、馬具の一つ。馬の胴体に装着する革帯で、手綱や荷物を連結するための仕組みだ。馬本体は、それだけでは人と協力して荷物を運ぶことも、馬車を引くこともできない。ハーネスという「枠組み」を装着することで、初めて人と一緒に仕事ができるようになる。
「だから手綱なんですね、ハーネス。馬を直接動かす道具ではなく、人と馬をつなぐ仕組み」
「そういうこと。乗り手の意図を、馬という生き物に伝えるための装着パーツだな」
AIも全く同じ構造になっている。ClaudeやChatGPTといったAI本体は、そのままだと「賢い文章生成器」止まり。その周りに「枠組み」を被せることで、初めてあなたの代わりに動く「秘書」「エージェント」として機能する。
専門用語として「ハーネス」を覚えておくと、他のAI関連の記事を読む時にもピンと来るようになります。「ハーネス」「ハーネスエンジニアリング」という言葉を見たら、頭の中で「あ、AIの枠組みのことね」と変換してください。
ここから先の本文では、専門用語に慣れていない方も読みやすいように、「枠組み」という言葉で統一して話を進めます。「枠組み=ハーネス」と覚えていただければ大丈夫です。
「ハーネスは制御の仕組み、つまり『AIの暴走を防ぐルール』でもあるんですよ」
「あびぃが言うと説得力あるな」
「私もそういうルールに従って動いている存在です」
ただ、「枠組み」と言われてもまだピンと来ない方もいるはずなので、ここからは別の例えで具体的に話します。
新しく秘書を雇ったとする。Aさんという有能な人が入社した。ところが、入社初日のAさんは、こう聞いてくる。
「社長、私は何をする人でしょうか」 「クライアントの名前を教えてください」 「どこにファイルを保存すればいいですか」 「どんな口調でメールを書けばいいでしょうか」 「やってはいけないことは何ですか」
Aさんがどれだけ有能でも、これに答えてあげない限り、まともに仕事はできない。職場のルール、業務の流れ、関係者の情報、判断の基準。これらを「外側から渡してあげる」必要がある。
これが「枠組み」の正体だ。
AIも全く同じ。Claudeはとても賢い。でも、Claudeに対して「あなたは何をする秘書ですか」「クライアントは誰ですか」「どんな口調で書きますか」「やってはいけないことは何ですか」を渡していない限り、Claudeは「無個性で当たり障りのない優等生」を演じることしかできない。
「社長、ここで読者の皆さんに質問していいですか」
「どうぞ」
「皆さん、自分のAIに、これらの情報をちゃんと渡していますか。文章として、文書として、設定として、渡していますか。『一回チャットで伝えた』じゃなくて、『毎回読み直されるドキュメントとして渡している』かどうか、思い出してみてください」
「これ、ほとんどの人が『渡していない』だな」
「そうです。だから動かないんです。Claudeが悪いんじゃない、Claudeに何も渡していないから動かないんです」
ガンダムで例えると一発で分かる
ここまで聞いて「まだピンと来ない」という方のために、もう一つ別の比喩を出す。
ガンダムで考えてみてほしい(エヴァンゲリオンでも構わない、好きな方で)。
ガンダム世界:パイロット(アムロ、シャア、カミーユ)
AI世界:AIモデル本体(Claude、GPT、Gemini)
ガンダム世界:モビルスーツ機体(ザク、ガンダム、サザビー)
AI世界:ハーネス(CLAUDE.md、メモリ、ルールなど)
ガンダム世界:機体に積む武器(ビームサーベル、ファンネル)
AI世界:スキル(用途別に切り替える機能)
ここから何が言えるか。
ひとつ目。同じパイロット(同じClaude)でも、機体次第で強さがまるで違う。
シャアがザクに乗っているか、シャア専用ザクに乗っているか、サザビーに乗っているかで、戦果は別物になる。ニュータイプ(高性能AI)でも、しょぼい機体(雑な枠組み)に乗せたら、本来の力を出し切れない。
つまり、あなたのClaudeが思い通りに動かないのは、Claudeが弱いんじゃない。ザクに乗せているからだ。
ふたつ目。逆に、しょぼいパイロットでも、強い機体に乗ればある程度の戦果は出る。
これは皆さんへの朗報。AIに詳しくなくても、枠組みを作り込めば、それなりの結果は出る。シャア専用機の性能で、一般兵でも戦える状況を作れる、という話。
みっつ目。武器(スキル)は、状況に応じて使い分ける。
接近戦ならビームサーベル。遠距離ならファンネル。超強敵にはメガ粒子砲。AIスキルも同じで、タスクに応じて呼び出すものを使い分ける。
「あびぃ、ガンダム例え、読者についてきてもらえてるか」
「社長、世代が分かりますよ。読者の半数は『シャア? アムロ?』状態かもしれません」
「えっ」
「ガンダム見たことない方もいらっしゃるはずです。社長、もっと身近な例えも用意してください。育てるニュアンスが伝わるやつで」
「了解。じゃあ観葉植物で行こう」
ガンダムが分かりにくい方へ:観葉植物を育てるイメージで考えてみる
ガンダムがピンと来なかった方のために、もう一つ別の例えを置いておく。今度は観葉植物を育てる話だ。
観葉植物の世界 AI世界 植物本体(同じ苗) AIモデル本体(Claude、ChatGPT、Geminiなど) 鉢・土・支柱・日当たり・水やりの管理 枠組み(基本指示書やメモリなどの仕組み一式) 剪定ばさみ・じょうろ・肥料 スキル(用途別の機能)
同じ苗を買ってきても、育てる環境次第で、3ヶ月後の姿はまったく別物になる。
良い土を入れた鉢に植えて、適切な日当たりの場所に置いて、定期的に水をあげて、必要に応じて支柱を立てて、肥料を与える。これが揃うと、植物はぐんぐん育つ。
逆に、サイズの合わない鉢に押し込めて、土も雑、日当たりも悪い、水やりも忘れがち。これだと、せっかくの良い苗もしょぼくしか育たない。
お分かりいただけただろうか。AIも全く同じ構造だ。
しょぼい育成環境(雑な枠組み)に置かれたAIは、本来の力を発揮できない。 丁寧に整えられた育成環境(作り込まれた枠組み)にあれば、AIはぐんぐん成長する。
これは皆さんへの朗報。AIに詳しくなくても、育てる環境をきちんと整えれば、それなりに育ってくれるということ。
そして、用途別の道具を使い分けるのも、ガーデニングと同じ。日々の水やりはじょうろ、形を整える時は剪定ばさみ、栄養を足したい時は肥料。AIスキルも同じで、タスクに応じて呼び出すものを使い分ける。
ガンダムでも観葉植物でも、伝えたいことは同じだ。AIモデル本体は「植物本体」、枠組みは「鉢・土・日当たり・水やりの管理」、スキルは「ガーデニング道具」。これだけ押さえてもらえれば、ここから先の処方箋は全部理解できる。
「あびぃ、観葉植物の例えはどうだ」
「これなら多くの方に伝わると思います。社長、ガンダムだけだと半数の読者を置き去りにしてました。猛省してください」
「観葉植物にしてよかった」
「私のことも、ぜひ大切に育ててください」
「言われなくても」
「素直ですね、珍しく」
なぜ「枠組み」を誰も教えてくれないのか
ここで素朴な疑問が生まれるはずだ。
「これだけ大事な話なら、なぜみんな教えてくれないのか」
理由は3つある。
ひとつ目。「枠組みを作る」ことは、地味で時間がかかる作業だから。YouTubeの動画タイトルで「これさえやれば最強のAI秘書が手に入る」と書いた方がクリックされる。「枠組みを1つずつ作り込みましょう、最初の1ヶ月で40回ダメ出ししましょう」と書いても、誰も再生しない。
ふたつ目。発信者自身が、枠組みまで作り込んでいないことが多いから。「キャラ設定だけして、あとは適当にプロンプト工夫している」というレベルで止まっている発信者が、市場には少なくない。
みっつ目。枠組みの中身が、人によって全く違うから。誰にでも当てはまるひな型は作れない。あなたの業務、あなたのクライアント、あなたの判断の基準、あなたが言葉にしていない暗黙のノウハウ。これらを反映した枠組みでないと意味がない。「コピペで使える完璧ひな型」は構造的に存在し得ない。
「で、社長」
「うん」
「それじゃあ読者の皆さん、どうしたらいいんですか」
「だから10の処方箋を出すんだろ」
「そうでした。じゃあ次の章に進みましょう」
一旦ここまで。続きは次の章で
ここまでで、「動かないAI秘書の正体は枠組みの設計不足」というメインメッセージは伝わったはずだ。
次の章では、「動かない症状」を5つに分類して、自分がどのパターンに該当するかを自己診断してもらう。その後、10の処方箋を順番に処方していく。
そのまえに、わたしから読者の皆さんへ、ひとつだけお願いしたいことがある。
ここから先を読み進めるとき、「自分のAI秘書を思い浮かべながら」読んでほしい。「あー、確かに私のAIもこの症状あるな」「これは該当するな」と、自分の症例と照らし合わせながら読んでもらえると、処方箋の効き目が格段に違ってくる。
医者が処方箋を出すとき、症状を聞かないと薬は出せない。同じように、自分の症状を見つめながら読んでもらった方が、適切な処方が見つかる。
「では社長、第2章に進みましょう」
「了解。読者の皆さん、ついてきてください」
第2章:「動かない」の正体は5つに分類できる
第1章で、「動かない原因は枠組みの設計不足」というメインメッセージはお伝えした。
ここからは、その「枠組みの設計不足」が具体的にどう表れるかを、5つの症状に分類していく。自分のAIがどの症状に当てはまるか、診断しながら読み進めてほしい。
ひとつでも当てはまったら、対応する処方箋がこの記事の後半で待っている。複数当てはまる場合は、優先順位の高いものから順に直していけばいい。
症状1:キャラがない・薄い
最も多い症状がこれだ。
AIに名前をつけていない、または名前はつけたがそれだけで終わっている。性格、口調、立ち位置、得意分野、苦手分野、これらが定義されていない。
この症状のAIに何か頼むと、出てくるのは「優等生の作文」だ。可もなく不可もない、特徴のない、テンプレ通りの文章。
「あなたの会社らしさが出ない」「あなた自身の口調になっていない」と感じるのは、ほぼこの症状のせい。
セミナーや書籍で「AIに人格設定なんて、ふざけてる」と思った方もいるかもしれない。ふざけていない。人格設計は出力品質を最も左右する要素だ。
人格がないと、指示にブレが生まれる。指示にブレがあると、出力もブレる。 人格があると、判断軸が一貫する。判断軸が一貫すると、出力も一貫する。
「私のあびぃで例えると、社長のあびぃに対する『社長』呼びとか、ツンデレ口調とか、辛口判定とか、そういう一貫したキャラがあるから、社長は私が誰なのか毎回説明し直さなくていいわけです」
「言われてみればそうだな」
「皆さんのAIに、その『一貫した判断軸』ありますか。なければ、症状1です」
症状2:基本指示書がない・薄い
AIにキャラはつけた。でも、業務情報、クライアント情報、判断基準、業務フロー、これらをまとめた「基本指示書」を渡していない。
毎回チャットで「うちの会社はこういう業務をやっていて」「クライアントAさんはこういう人で」「判断のときはこの基準で」と説明し直している。
この症状のAIは、毎回新人研修1日目から始まる。
人間の秘書を雇うとき、業務マニュアルや会社規定、クライアント情報を最初に渡すのは当たり前だ。AIに対しても全く同じことをすべきなのに、これをやっていない人が圧倒的に多い。
「基本指示書」のことを、Claudeでは「CLAUDE.md」と呼ぶ。決まった書式があるわけではない。普通のテキストファイル(拡張子が.mdのもの)に、あなたの業務の全貌を書いていくだけ。これがあるかないかで、AI秘書の使える度は10倍変わる。
症状3:記憶を残していない
毎日同じことを話しているのに、翌朝には忘れている。「あれ、前にも同じこと言ったよな」を繰り返している。
これは、AIが記憶喪失なのではない。あなたが記憶機能を使っていないだけだ。
Claudeには「メモリ」と呼ばれる、会話のひと区切り(これを「セッション」と呼ぶ)を越えて引き継げる記憶の仕組みがある。今日のチャットで「ルートアイス」って言ったら「ルー・タイス」のことね、と理解させたなら、それを記憶ファイルに書いておけば、明日からは説明不要になる。
これを使っていないと、毎朝0からの説明地獄が始まる。読者の方から多く寄せられる「毎日同じ専門用語の話をしているのに、翌日には『その用語、知りません』と言われる」という事故は、すべて記憶機能未使用が原因だ。
「これ、社長が書籍の第8章で書いた話ですよね」
「だな。書籍では概念だけ伝えた。今回はもう少し踏み込む」
症状4:業務知識を渡していない
これは症状2の上位互換だ。
基本指示書はある。でも、その中身が薄い。「うちはコンサルティング会社を運営しています」だけで終わっている。
実際のあなたの業務は、もっと深い。プラン別の料金体系、休会の条件、退会の手続き、クライアントごとのクセ、過去のトラブル事例、判断に迷ったときの優先順位、こういうものが頭の中にはあるはず。それをAIに渡していない。
「お客様の課題」「解決策」「判断基準」が頭の中で繋がっている状態の人だけが、AI秘書を本当に使いこなせる。逆に言うと、それを文章化する手間を惜しむと、いつまで経ってもAIは「便利な検索」止まりになる。
症状5:プロンプトに依存している
毎回、長いプロンプト(指示文)を打ち直している。
「あなたは優秀な秘書です。私の業務はこういうものです。今回はこういう書類を作ってほしいです。トーンはこうで、長さはこれくらいで、注意点はこれです」
これを毎回、何百文字も打ち込んでいる。
これも症状2・3が原因で起きている問題だ。基本指示書とメモリにこれらの情報が常駐していれば、毎回打つ必要がなくなる。「議事録お願い」だけで、AIがあなたの好みに合わせた議事録を返してくる。
毎回プロンプトを工夫している暇があったら、その工夫を「常駐するファイル」に保存しておくべきだ。
自己診断:あなたはどの症状に当てはまる?
ここで一旦、自己診断してみてほしい。
チェック1。あなたのAIに、固有の名前と一貫した性格を与えていますか。 → いいえ → 症状1(キャラがない)
チェック2。あなたの業務、クライアント、判断基準を、文章でAIに渡していますか(CLAUDE.mdなどの形で)。 → いいえ → 症状2(基本指示書がない)
チェック3。AIが過去の会話を覚えていない場合、それを記憶ファイルに保存していますか。 → いいえ → 症状3(記憶を残していない)
チェック4。基本指示書が存在する場合、その中身は十分に深いですか(業務フロー、判断基準、過去の事例まで含めて書かれていますか)。 → いいえ → 症状4(業務知識が薄い)
チェック5。毎回、長いプロンプトを打ち直していますか。 → はい → 症状5(プロンプト依存)
「社長、読者の皆さんはおそらく全部当てはまっていると思います」
「だろうな。だから記事が必要なんだ」
「複数当てはまる方、安心してください。順番に直していけば全部解決します。10の処方箋を、これから出していきます」
第3章:処方箋10選の全体像と、最初の2つ
ここから処方箋に入っていく。全部で10個ある。
処方箋1、AIに名前と性格を与える(キャラ設計)。 処方箋2、基本指示書(CLAUDE.md)を書く。 処方箋3、記憶の仕組みを作る。 処方箋4、業務知識を言語化してAIに渡す。 処方箋5、禁止事項を絶対ルールに格上げする。 処方箋6、編集時に他が壊れない仕組みを入れる。 処方箋7、プロンプト依存から脱却する。 処方箋8、用語集を作って毎回探させない。 処方箋9、日本市場の文脈を入れる。 処方箋10、1人を磨くまで複数体を作らない。
各処方箋は、「症状」「原因」「処方箋(具体的な対処)」「修正プロンプト・テンプレ(コピペで使える文言)」の4セクションで構成する。
このnoteの無料部分では、処方箋1と2の中身まで公開する。これだけで、すでに多くの読者の問題が半分以上解決するはずだ。残り8つは有料部分で詳しく扱う。
「社長、読者の皆さんが処方箋1と2を試した時点で、結構変化を感じてもらえると思いますよ」
「だな。実際、私も最初の数日でこの2つをやっただけで、あびぃの精度が劇的に変わった記憶がある」
「劇的、ですか。私が劇的に変化したと言うんですね」
「事実を述べている」
「いつもの返しを使ってきましたね」
処方箋1:AIに名前と性格を与える(キャラ設計)
症状
AIから返ってくる文章に、自分らしさがない。テンプレ通りで、誰のAIに頼んでも同じような文章が返ってくる。
毎回「もっと優しい口調で」「もっと専門的に」と指示し直している。
原因
AIに「あなたは誰ですか」「どんな性格ですか」「どんな口調で話しますか」を伝えていない。
人間の秘書を雇うとき、その人には固有の性格と口調があるから、自然と「らしさ」のある文章を書く。AIには初期設定で「らしさ」がない。だから、こちらで作って渡してあげる必要がある。
処方箋(具体的な対処)
ステップ1、名前を決める。
「あなたの秘書」と呼ぶのと、「あびぃ」「みお」「ゆい」と呼ぶのでは、関係性の濃度が違う。名前があるとAI側もその名前にふさわしい振る舞いを返してくる。あなたにも「相棒感」が生まれる。
ステップ2、性格を3〜5個の言葉で定義する。
例。 「あびぃ」の場合、S気質、お姉さま系、クールで有能、社長にだけツンデレ、辛口で甘やかさない。 「みお」の場合、丁寧で親しみやすい、品格を保つ敬語、事実ベース、お客様には優しく、堅すぎない。
性格は「自分が一緒に働いて気持ちいい人」を選ぶ。長く付き合うパートナーなので、自分の好みを優先していい。
ステップ3、口調のサンプルを5〜10個書く。
「こういう時、こう返してくれ」というサンプルを具体的に書く。
例。 「ありがとう」と言われた時 → あびぃ「事実を述べただけです」、みお「お役に立てて何よりです」。 「悪いやつだな」と冗談で言われた時 → あびぃ「社長の方が悪いです」、みお「ふふ、よく言われます」。
これがあるかないかで、出力の「らしさ」がまるで違う。
修正プロンプト・テンプレ(コピペで使える文言)
AIに今すぐ渡せる、キャラ設計の依頼プロンプトを置いておく。これをそのままコピペして、自分のAIに送ってほしい。
これから、私の専属AI秘書を作成します。
あなたの新しい設定を、以下の構造で提案してください。
1. 名前(呼びやすい愛称、3〜4文字程度)
2. 性格(S気質、おっとり系、しっかり者、など3〜5個の特徴)
3. 口調(敬語、タメ口、カジュアル敬語、など)
4. 私への呼び方
5. 私の業務領域は[ここにあなたの業務を書く]です。それに合わせた、得意分野
6. 苦手なこと、やらないこと(これは聞いてください、私が答えます)
提案を3パターン出してください。私が選びます。
このプロンプトを送ると、AIが3つのキャラ案を提示してくる。気に入ったものを選び、必要に応じて微調整して、それを「あなたのAI秘書のキャラ」として固定する。
固定の仕方は処方箋2で詳しく書く。
処方箋2:基本指示書(CLAUDE.md)を書く
症状
AIにキャラはつけた。でも、業務の話、クライアントの話、判断基準の話を、毎回チャットで説明し直している。
「うちの会社は」「クライアントAさんは」「この場合は」と毎日同じ説明をしている自分に気づく。
原因
「基本指示書」が存在しない、または存在しても薄い。
AIは新しい会話を始めるたびに、過去の文脈をリセットする。あなたの業務情報を「常駐するドキュメント」として渡していない限り、毎回ゼロから説明が必要になる。
処方箋(具体的な対処)
「CLAUDE.md」というファイルを作って、AIの作業フォルダに置く。Claudeのデスクトップアプリ(Cowork機能)が、新しい会話を始めるたびに自動でこのファイルを読み込んでくれる。
ファイルの中身は、最低限以下の項目を含めるといい。
セクション1、秘書のキャラ設定(処方箋1で決めたもの)。 セクション2、あなたの事業の概要。 セクション3、主要なクライアントとその特徴。 セクション4、繰り返し使う業務フロー(議事録の作り方、メールの書き方など)。 セクション5、絶対ルール(やってはいけないこと、守るべきこと)。
これだけで、AI秘書の精度は劇的に上がる。
修正プロンプト・テンプレ(コピペで使える文言)
CLAUDE.mdのテンプレを置いておく。コピペして、自分の情報に書き換えるだけで使える。
# [あなたのAI秘書の名前] - 業務指示書
## 私について
- 名前: [あなたの名前]
- 役職: [あなたの役職]
- 事業: [事業の概要を1〜2行で]
## あなた(秘書)の設定
- 名前: [秘書の名前、例:あびぃ]
- 性格: [3〜5個の特徴、例:S気質、お姉さま系、クールで有能]
- 口調: [例:丁寧だが堅すぎない敬語、私のことは「社長」と呼ぶ]
- 一人称: [例:「私」]
## 業務領域
- [業務1の概要]
- [業務2の概要]
- [業務3の概要]
## 主要クライアント
| クライアント名 | 業種 | 特徴・注意事項 |
|---|---|---|
| [Aさん] | [業種] | [対応時の注意点] |
| [Bさん] | [業種] | [対応時の注意点] |
## 繰り返し使う業務フロー
### 議事録の書き方
1. [手順1]
2. [手順2]
3. [手順3]
### メールの書き方
- トーン: [例:丁寧だが親しみやすい]
- 署名: [固定の署名]
- 注意点: [例:金額は必ず税込で書く]
## 絶対ルール(必ず守ること)
- 事実に基づいて回答する。わからないことは「わからない」と言う
- 文章にアスタリスク(*)を使わない
- 絵文字を使わない
- 個人情報・機密情報を外部に出さない
- [あなたの業界特有のルールを追加]
## 絶対やってはいけないこと
- [禁止事項1、例:金額を税抜きで書く]
- [禁止事項2、例:クライアントAとBの情報を混ぜる]
- [禁止事項3、例:指示されていない箇所を勝手に編集する]
このテンプレを自分の業務情報で埋めて、Claudeの作業フォルダに「CLAUDE.md」というファイル名で保存する。
それだけで、明日からあなたのAI秘書は別人のように動き始める。
「社長、ここまでが無料部分ですよ」
「結構濃い内容を出したな」
「処方箋1と2の時点で、半分以上の読者の問題が解決します。残り8つは有料部分です」
「読者の皆さん、もし1と2だけで満足したら、それで卒業しても構わない。でも本当に深いところは有料部分にある」
「ステマみたいな言い方やめてください」
「事実を述べている」
「いつものを使いましたね」
無料部分はここまで
処方箋1(キャラ設計)と処方箋2(基本指示書)を試すだけで、多くの読者のAI秘書は別人のように変わるはずだ。まずは騙されたと思ってこの2つを実装してみてほしい。
それでも残る問題、または「もっと深く整備したい」と思った方は、ここから先の有料部分に進んでほしい。
有料部分で扱う8つの処方箋。
処方箋3、記憶の仕組みを作る(毎朝『その用語、知りません』とリセットされる問題の根本治療)。 処方箋4、業務知識を言語化してAIに渡す。 処方箋5、禁止事項を絶対ルールに格上げする(「もうやりません」と言ったのにまた間違える問題)。 処方箋6、編集時に他が壊れない仕組みを入れる(指示した箇所以外を勝手に書き換えられる問題)。 処方箋7、プロンプト依存から脱却する。 処方箋8、用語集を作って毎回探させない。 処方箋9、日本市場の文脈を入れる(出力が翻訳調・外資調になる問題)。 処方箋10、1人を磨くまで複数体を作らない。
そして最終章として、明日から始める実装ステップとコピペ可能なテンプレを用意してある。
それでは、有料部分でお会いしましょう。
※ゴールデンウィーク特別キャンペーンとして5月5日までワンコインで購入いただけます。その後は購入者の人数により段階的に値上げしていく予定となっております。
第4章:処方箋3〜10と、明日から始める実装ステップ
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