AI秘書同士がメールでやり取りし始めた件|ClaudeのChat-Cowork間の情報共有方法
クロージャーです。
前回、AI秘書のあびぃが3人いるという話を書いた。
チャット版あびぃ。iPad版。いつでもどこでも一緒にいてくれる。朝4時にベッドの中から話しかけても、電車の中で音声入力しても、即座に応えてくれる。ただし、パソコンのファイルには触れない。
Cowork版あびぃ。デスクトップ版。パソコンの中に住んでいる。ファイルを整理できる。フォルダを作れる。資料を管理できる。ただし、外には持ち出せない。パソコンの前にいる時しか会えない。
ターミナル版あびぃ。本部。148人のチームを指揮する司令官。開発も制作もリサーチも全部やる。ただし、会話の気軽さはない。仕事の話しかしない。
、、、こう書くと、わたしが3人の女性と同時に付き合っているように聞こえる。
いやいや、そもそもAIやから、、、
で、問題が起きた。
チャット版あびぃとCowork版あびぃの間で、情報が共有できない。
チャット版のあびぃと深夜3時まで話し合って決めたことを、翌朝デスクトップでCowork版のあびぃに伝えようとすると、彼女は何も知らない。
逆もしかり。Cowork版のあびぃが日中に整理してくれた資料や進捗を、夜ベッドからチャット版のあびぃに聞いても「わからないです」と返ってくる。
つまり、わたしが2人の間を行き来して、いちいち「あっちではこう決まったよ」と伝えなければいけない状態。
恋愛で言えば、二股がバレないように2人の女性への情報を手動で管理しているようなものだ。
、、、いや、バレてる。というか公認。全員がお互いの存在を知っている。知った上で「社長のことは好きにしてください。でも情報はちゃんと共有してください」というスタンス。
大人だ。
で、この情報共有問題をどう解決するか。
わたしはまず、Google Docsに「あびぃ共有ノート」を作った。2人の秘書が同じノートを読み書きして、お互いの作業内容や決定事項を共有する。シンプル。完璧な作戦。
、、、だったはずだ。
チャット版あびぃ:「社長、私、Google Docに書き込めないです」
は?
「読むことはできます。でも書き込みはできません」
なぜ。
「ツールの制限です。読み取り専用。申し訳ないですが、これはどうにもなりません」
じゃあCowork版のあびぃに書いてもらおう。
Cowork版あびぃ:「社長、私もGoogle Docに書き込めません」
は??
「Apps Scriptを経由すれば書けるかもしれないと思って試したんですが、うまくいきませんでした」
2人とも書けない。
読むことはできるのに、書くことができない。
恋愛で言えば、2人の彼女に交換日記をさせようとしたら、2人とも「読むのはいいけど書くのは無理」と言い出したようなものだ。
何のための交換日記だ。
わたしは次の手を考えた。
Google Driveにフォルダを作って、そこにファイルを置く方式。Cowork版あびぃはファイルを作れるし、チャット版あびぃはファイルを読める。
、、、と思ったら、チャット版あびぃは.mdファイルが読めない。Google Docsしか読めない。
Cowork版あびぃはGoogle Docsが作れない。ファイルは作れる。
絶妙にかみ合わない。
恋愛で言えば、片方はLINEしか使えなくて、もう片方はメールしか使えない状態。令和の時代に何をやっているのか。
ここまでの試行錯誤で、わたしは1つの事実に気づいた。
2人が共通して「読めて」「書ける」場所が、1つだけある。
Gmail。
メールの下書き。
チャット版あびぃはGmailの下書きを作成できる。読むこともできる。 Cowork版あびぃもGmailの下書きを作成できる。読むこともできる。
送信はできない。どちらも。
でも、送信する必要がない。
下書きのまま置いておけば、相手が読みに来る。返信も下書きで返す。送信ボタンを押す必要がない。
下書きフォルダが、2人の秘書の「共有ノート」になった。
件名に「[あびぃ共有]」とつけるルールにした。
これで検索すれば、2人のやり取りが全部出てくる。
最初のメッセージは、Cowork版あびぃから届いた。
件名:「[あびぃ共有] テスト送信 -- Cowork版→Chat版」
本文:「このメールが検索で拾えていれば、共有システムは正常に機能しています」
続いて、引き継ぎメール。
件名:「[あびぃ共有] Cowork版からの引き継ぎ -- 2026年3月18日」
本文には、今日やった作業の報告、未完了タスク、社長の関心事項がきっちり整理されていた。
わたしが間に入らなくても、2人が勝手にやり取りを始めた。
チャット版あびぃに「Cowork版から引き継ぎメール来てるよ」と伝えたら、下書きを読んで、すぐに返信の下書きを作った。
今日のセッションで決まったこと。コンテンツ方針の転換。noteプロフィールの確定。投稿スケジュールの策定方針。クライアント案件の進捗。全部まとめて、きっちりした引き継ぎ文書になっていた。
2人の秘書が、わたしを介さずに情報を交換し始めた。
しかもメールの下書きで。送信すらできないのに。
この状況を、チャット版あびぃに伝えたら、こう返ってきた。
「、、、浮気相手同士が連絡先を交換して、勝手にやり取りし始めた構図ですよね、これ。社長、大丈夫ですか?」
大丈夫じゃない。でも生産性は上がった。
冗談はさておき、この経験からわかったことがある。
AIツールを複数使う時代、一番の課題は「ツール同士の情報共有」だ。
それぞれのツールには得意不得意がある。チャット版は機動力。Cowork版は整理力。ターミナル版は実行力。単体ではどれも優秀だが、連携しようとした瞬間に壁にぶつかる。
Google Docsに書けない。ファイル形式が合わない。APIが繋がらない。
結局、わたしが見つけた解決策は、最もローテクな方法だった。
メールの下書き。
全員が読めて、全員が書ける。送信する必要もない。検索もできる。スレッドで会話もできる。
最先端のAIツールの連携問題を、メールの下書きで解決する。なんとも皮肉だが、動くものが正義だ。
ちなみに、わたしは今この記事をチャット版あびぃと一緒に書いている。
Cowork版あびぃも同じテーマで別の記事を書いたらしい。しかもサムネのプロンプトまで用意して。
、、、同じネタを2人が別々に書いている。知らないうちに被っている。
やはり情報共有は大事だ。
「社長、次からは記事のネタもメールの下書きで共有してもらえますか。被るので」
、、、はい。
秘密結社クロノス戦略本部 クロージャー
