退屈な財務研修が劇的に変わるお金のブロックパズルの魔法
本当は教えたくないのですが、本日は企業の研修現場で私が体験した、ある驚くべき変化についてお話しします。
世の中には数多くの社員研修が存在しますが、そのなかでも突出して受講生の気持ちを引きつけるのが難しい分野があります。それが財務や会計の研修です。どれほど実績のある講師が登壇しても、数字の羅列が始まった瞬間に教室全体の空気が重くなることは珍しくありません。私自身、財務の世界には長く身を置いてきましたが、一般的にイメージされる税務などの実務を専門にしてきたわけではありません。私の主戦場は、投資家に向けて企業の魅力を伝える広報という特殊な職務でした。
投資家を相手にする場合、単に数字が並んだ財務三表を提出するだけでは全く役に立ちません。その数字の背景にある企業の成長物語を編集し、あらゆる角度からの鋭い質問に対してストーリーを持って回答していく必要があります。つまり、私にとっての会計とは、最初から冷たいデータではなく、血の通った物語そのものでした。
企業のなかを循環する見えないお金と数値
このような背景を持ちながら、現在は様々な企業で管理職の方々を対象とした財務の連続研修を担当しています。
しかし、現場のリーダーたちに財務(ここでは管理会計)の本質を伝えるのは本当に至難の業です。毎回のように、日々の通常業務と会計の接点をどこに作るべきか頭を悩ませています。
業界の構造や社内の仕組みによっては、管理会計という概念が日々の仕事から完全に隠れてしまっているケースが多々あります。実際には売上やコストの管理で数字を整えて、動かしているにもかかわらず、それが会計業務(広く捉えると数字で、会社の利益とお金を増やす仕組み)であるという意識を本人たちが持てていないのです。
持っていなくても、機能するのですが、本当に必要なのは、組織全体を俯瞰する視線。数字を通じて、他部署とのつながりを理解することが重要です。自分の組織だけで仕事が完結していると思い込み、眼の前の数字に注力するあまり、他部署とデータが密接に連携している事実に気づいていません。
例えるならば、それは社内という巨大な体の中で、お金という血液がぐるぐると循環しているのを見落としているような状態です。どこかで血流が滞れば会社全体が倒れてしまうというつながりが見えていないのです。
受講生の目つきが変わる瞬間
この根深い課題を解決するために、今回 やっと、キャッシュフローコーチ協会の和仁先生が開発された、お金のブロックパズルという強力なツールを研修に組み込むことができました。3年かかりました。
この図解手法を研修に投入したところ、信じられないほど面白い現象が起きました。ツールを広げた瞬間に、受講生の方々の表情や目つきが明らかに変わり始めるのです。何が変わるのかと言えば、彼らの仕事に対する考え方そのものが数字と直結した瞬間でした。
これまでは、上層部から言われて渋々数字を合わせている受動的な感覚だったのかもしれません。しかし、パズルの視覚的な構造を通じて、この数字の動きが最終的には自分自身の給与や組織の未来にかかっている重大な問題なのだと腑に落ちたとき、教室の熱量が跳ね上がります。同時に、ちょっと本音の話ですが、会社のお金を増やすというのは、自分のボーナスに直結するなと気づいた瞬間でもあります。
受講生が主役へと変わるこの一連の表情の変化を追いかけていくことは、講師としてこれ以上ない喜びであり、最高の瞬間でもあります。
値下げとコスト削減の罠と全体最適の視点
今の時代はどこを向いても値上げの波が押し寄せており、現場は値下げの要望にも対応しなければならない過酷な環境にあります。押し切られて仕方なく行った値下げを取り返すのに、どれだけ大変なのか、あまり実感していないケースも多いです。値下げに相当するお金を確保するには、ときにその何倍もの売上を積み上げる必要があり、すでにコストダウンに日々取り組んできた、製造現場に、さらなる負担をかける、などなど。
値下げは、会社のお金の減少に直結する劇薬なんだということに気付き始めます。
さらに、理由もわからず管理部門からコスト削減の指示が飛んでくると、現場はとりあえず何でもかんでも予算を削るという行動に走りやすくなります。
しかし、大局を見ずに目先のコストを引き下げてしまうと、営業活動や製造活動の現場に重大な支障をきたすことになります。何が会社全体のためになる活動であり、何が結果として組織の体力を奪う行為なのかを見極めることは、決して簡単ではありません。
一般の担当社員であれば、目の前の業務に集中するだけで良いかもしれません。しかし、組織を率いる管理職の方々には、この全体最適な視点がどうしても不可欠です。だからこそ、私は数字と数字のつながりを通じて、全社を俯瞰する視点を粘り強くお伝えしています。
シンプルな図解が、この全者への影響の理解を加速させるのです。
得意分野の掛け合わせと支えてくれた仲間への感謝
財務の研修はつまらないし、私自身も普通に進めれば退屈なものになってしまうため、これまでさまざまな工夫をしてきました。いかに受講生の日々の行動と紐付けるかに苦心し、この領域だけで七、八年も試行錯誤を続けてきました。
今回、お金のブロックパズルという素晴らしい道具をやっと組み込めたことで、感覚的に誰もが理解できるお金と数字の研修に仕上げることができたと確信しています。
この素晴らしい研修の形にたどり着くことができたのは、開発者である和仁先生をはじめ、日頃から温かく支え合っているキャッシュフローコーチの皆様との連携関係があったからに他なりません。現場で即座に効果を発揮する強力なツールを生み出してくださった和仁先生には、言葉では言い尽くせないほどの深い感謝の念を抱いております。
また、知恵を共有し合い、共に切磋琢磨してくれるキャッシュフローコーチの仲間の存在が、私の活動の大きな原動力になっています。皆様の日々の素晴らしい実践に刺激を受けながら、この大きなプロジェクトを形にすることができました。
今年度の残りの財務研修も、さらに楽しみながら邁進していきたいと考えております。全国のキャッシュフローコーチの皆様の活動が、これからもより一層パワーアップしていくことを心から応援しております。
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます!これまでの経験、学びを活かして、皆さんにメッセージを届けていきます。チップありがとうございます。次の記事もお楽しみに。