インド洋に浮かぶ光り輝く島国・スリランカ訪問⑧
2023/May/5 Fri.
ホエールウォッチングツアーに出発
4:30にアラームが鳴る。昨日のアラームを消すのを忘れていただけだ。6:00まで寝ていていいのであと1時間半あるので二度寝しようとするのだが、なんだか寝れない。結局、ベッドの中でガイドブックを見たりスマホを弄ってウダウダ過ごしているうちに6:00になってしまったので、少し寝不足のまま準備を開始する。
実はこれから参加するホエールウォッチングツアーだが終りの時間がはっきりしておらず、クジラが見れたら2時間程で帰って来るが見れなければ粘って12:00くらいになるとのこと。一方、このホテルのチェックアウトは11:00というので、帰ってきてこの部屋を再び使えるのかわからない。このため、昨晩この宿の主人と話をし、一旦荷物をキャリーケースにまとめた上で部屋の中にそれを残しておき、部屋の鍵は外の机の下に隠しておいてもらえれば、11:00にまだ荷物があれば預かっておくからと言ってくれたので、そのとおりにする。

そして、6:30、昨日申し込んだオフィスの前に行くとツアーオフィスの青年が待っていてくれた。そして、"バイクタクシーじゃなくトゥクトゥクになったから"と言って案内してくれ、そのトゥクトゥクに乗って港まで行く。5分もかからずに辿り着いた港にはクジラの尾びれの石碑があったりして、ここがクジラの聖地というのを感じ少しアゲアゲ気分。その港にはカラフルな漁船が数多く停泊しているが、その中に2階建ての船が数層あり、どうやらそれらがホエールウォッチング用の船らしい。

その内の一艘に既に多くの人が乗り込んでおり、私のチケットを確認した人も"あれに乗れ"と言うので、それに乗り込む。当然、1階より2階の方が見晴らしが良いので2階へと上がる。そこにはプラスティック製の座席がずらりと並んでおり、既に多くの人が座っていて、中国人の団体もいれば、今日は祝日だからか子連れの地元スリランカ人も多い。で、私は一番後ろの端っこの席が空いていたので、オレンジ色の少し汚れたライフジャケットを着用してそこに座る。空席もちらほらあるが50名は下らない人数が乗り込んでいる。チケットの額面は70ドルなので、さぞかし儲かっているツアーなんだろう。そして、あと数人乗り込んだら、エンジンがかかって、6:47、出港。港をゆっくり出て行き、防波堤や岬の灯台に別れを告げる。
曇天下の大海原にクジラは現れないのか??
ただ、残念ながら今朝の上空は曇っている。しかもその雲はブ厚い。このため、美しいと聞いていたスリランカの海もどんよりしていてなんか気分はあがらない。船は沖に向かっていく。一応、黒い雲が多い場所より少しでも明るい方を目指しているようだ。
さて、一応、このツアーは朝食付きとなっている。そこで配られたのはサンドイッチ2種類。ソーセージなどが挟まったそれはおいしかったが、ちょっと物足りない。ただ、この後にも、スイカやバナナ、パイナップルなどのサービスもあった。

沖に出ると、風も出てくる。ただ、寒くはなく半袖でも大丈夫。そして、これが普段と同じか普段より酷いのかはわからないが、当然沖合いに出るとこの船もちっぽけな存在で結構揺れる。波はどこからやってくるんだろうと思うくらい海面は数mの上下を繰り返す。これにやられ始めている人が増えてきた。上を見ると屋根の下に黒い塊が幾つかあるなと思ったら、よく見たらゲロ袋である。船のスタッフがちょくちょくそれを配り歩いている。私の座っている場所は2階の端なので、一番揺れる場所ではあるが、今回、家より残っていた酔い止め薬を持ってきて、朝、飲んできたおかげか私はなんともない。

さて、出港して1時間経っても景色はほとんどかわらない。手すり越しにどんよりした大海原を見ているだけである。ただ、遠くに見えていたタンカーがかなり近くなり巨大なのが確認できただけである。
1.5時間後にはパラパラ通り雨も降ってきた。数人いるスタッフは時折ゲロ袋を配りつつ、常に周りを見渡し何かがいないかチェックしているが残念ながら彼らから声はあがらない。
2時間経った。インド洋の水平線に変化は見られない。スタッフから皆に言葉が掛けられ、"何も見付からないからそろそろ港に向かう"的な事を言われたが風に掻き消されてはっきり聞こえなかった。なぜか私の座席は手すりに囲まれていたため、見動きが取りづらく、わざわざ立ってどこかに行く気もしないので、ずっと同じ場所に座ったまんま。

船は陸地に近付いて来たもののまだまだ探している。だが、何もいない。ホントに何も。だいたい、シロナガスクジラは見れなくても、なんだかんだでイルカとかは見れて、"まぁイルカは見れて良かったね"という事もあるとは聞いていたがゼロである。ゼロだと翌日無料で参加とか半額返金とかもあると聞いていたが、そんなアナウンスもなく結局、3時間半後に出港した港に戻ってきた。
岬の灯台も防波堤も出港時と全く変わらず、私の感覚としてはこの景色を見たのはまだ30分程前のような感覚である。今時、手持ちぶたさならスマホを弄るとかして目に入って来る情報がたくさんあるものだが、海の上では電波はなく仮にあってもゲロの犠牲になるだけで、じっと変わらないどんよりした海を眺めているより他なかった。一種の拷問だと言ってもよい。ただ、こればかりは自然が相手だから仕方がない。
ミリッサの街中をブラブラ
降りる前にこの船のトイレに寄ってから船を降りる。元々、帰りの送迎はないと言われていたがそれほど遠い距離ではないので、久しぶりに揺れていない陸地を楽しみながら歩いてミリッサのビーチ方面に向かう。
この辺りには大小いろいろな種類の宿があり、確かにここのビーチで長期滞在したくなるのはわかる。ただ、海の上もそうだったが、今日はここのビーチも日差しはなく、ビーチで寝っ転がっている人も皆無。それだけでなく、ビーチには赤旗が出ており波が高いため遊泳禁止のようである。つまりはホエールウォッチングに行っていなかったとしても、このビーチでのんびりする事も叶わなかったようだ。

もう11:00をまわっているのでホテルの部屋も使えないので、ホテルを通り過ぎてどんどん東に向かい、ここミリッサ唯一の観光スポットであるココナッツツリーヒルを目指す。そこまでは思ったより距離があり、しかも場所が分かりづらく、アクセスも悪くて大変だったのだが、なんとか到着。ただ、ガイドブックに載っている写真は茶色の大地に、青空と青い海、そして緑のヤシの木だからキレイなのであって、今日のどんよりした海と空では絵にはならなかった場所だった。残念。
はぁ疲れた。さぁ、ランチを食べちゃおう。で、いつものようにグーグルマップで調べて良さ気なレストランに行くが閉まっている。実は今日は満月の日なのでポヤデーという祝日。確かに5色の仏教の旗や七夕祭りのような飾りが至る所で飾られて華やかだ。こうして月に一度は確実に祝日になるとは、何とも幸せな国だ。日本でも是非導入して欲しい制度だと思う。けど、一方で旅行者にとっては困った事にこの日は広く休みの店が多いのだ。
困ったと思いつつホテルならばやっているのではと思いMirissa Innというホテルのレストランに行き、"カレーを食いたいんだけど"と言うと、"だったらこの先の寺院で配っているよ"と言う。そう、このポヤデーは無料で食べ物を配っている所が多いらしく、確かに先程行列ができているのを見た。いや、旅行者がそんなのをもらうのも失礼だし、あの列に並ぶのも時間かかるので"ここで何か食べれないか"を聞くと、"カレーは無理だけどグリルだったら作ってあげる"と言うので、昨日食べ損ねたイカのグリルを作ってもらう。

だいたいスリランカの料理は量が多い事が多いのだが、ここの量はそれほどでもなく、付け合わせのフライドポテトの方が多いくらいでペロリと平らげる。ただ、これだけだとなんだか物足りないので置いてあったメニューを見ると、なんとデザートの欄にガードとある。おー、マータラの街であれだけ探したのに見付からなかったガードがここにあるではないか。そこでもちろんそれをオーダー。蜂蜜をかけて食べるのがポピュラーらしくそれを口に運ぶ。感想は、あれだけ憧れた割には、不味くもないが特別美味という訳でもなかった。
世界遺産の古い砦があるゴールへ
とりあえず腹は満たされたので、ホテルへと戻ると13:00だというのに宿の主人が待っていてくれ、"遅かったね。まだ、荷物は出していないよ"と言ってくれた。そこで"じゃあ10分だけちょうだい"と言って、部屋に入り荷物を整理する。そして、主人に礼を言ってここを出て、バス通りでバスを待つ。"今日はポヤデーだからバスの本数が少ないかも"と言われたが10分程待つとGalleと書かれたバスがやってきた。そこで"ガッレ行きか?"と確かめて乗る。
これから向かう今晩の宿泊地はゴール。しかし、どうやらこの地名は日本語読みらしくゴールと言っても現地では通じなくガッレと発音しなければならない。乗車したバスはまた海岸沿いの道を進み、ビーチリゾートを次々に通過していく。この区間も海岸線を進むので景色は良い。

そして1時間程でゴールの新市街と旧市街の間にあるバスターミナルに辿り着いたので皆といっしょに降りる。ここゴールは大航海時代の海のシルクロードの一部として観光名所になっており、インド洋に付き出た小さな半島に要塞が残っていて、ここからも石造りの城壁が見える。そこでキャリーケースを転がしてそちらに向う。そして城壁に設けられたトンネルを潜るとここからが旧市街地だ。コロニアル様式の建物や年季の入ったキリスト教会などが目に入る。
その街の趣を感じつつ15分程歩くと予約してある宿、マンゴーハウスに辿り着いた。口コミでも評判の良い宿で手前の庭には緑が多く、建物もコロニアル調で内装は明るくポップな感じで雰囲気が良い。そして座ってチェックイン手続きをしていると、さっとウェルカムドリンクを出してくれた。コップに入ったそれは水かと思ったらココナッツジュース。これはうれしい。
それを飲み終えたら部屋に案内してくれるが、"本当は予約してあったのはこちらなんですが"と1階の1号室を見せらせたのだが、そこは窓もない暗い部屋で、"特別にフリーアップグレードしました"と2階の7号に案内してくれた。こちらは日当たりの良い窓があり明るく、小さいながらもベランダもある。断然、こっちの方が良い。"その代わり口コミで良い評価をしてね"と言われた。やはり、どこも口コミは意識してるんだね。
趣のある要塞と建物がある旧市街

もう15:00過ぎ、アップグレードされた部屋で少しだけ休憩したら、この魅力的な旧市街を散策しよう。私にとっては異国なので当然ではあるが、いわゆる異国情緒たっぷりな街で、全然スリランカっぽくない。まずは来る時に見たオレンジ色の屋根瓦が印象的なオール・セインツ教会に入ってみる。この仏教国に意外だが昔のポルトガル、オランダ、イギリス植民地時代の名残であろう古い教会で、その分趣がありステンドグラスが美しい。
オランダ教会前にあった建物は海洋博物館だが、ここは有料であったので、無料の博物館であるヒストリカルマンションという場所に行ってみる。こちらも古い建物を利用した博物館だが、海底から引き揚げられた植民地時代のコインや陶器、調度品が陳列されているが、正直ごちゃごちゃした展示。更には半分はお土産屋さんという構造なので10分もかからずに退出する。無料なので当然か。
今日はポヤデーということで至る所で行列を見掛けたが、すぐ近くのダッチホスピタルでも行列ができている。どうやらここではアイスクリームを無料で配っているようだ。アイスクリーム好きとしては欲しいと思うが、やはりここに旅行者が入るのはよろしくないと思い止めておく。
そして、ここがオーロラ要塞と言われる所なのでその城壁の上に出てみる。と、海が見えた。曇り空で青空や日差しがないが潮風が気持ちいい。そしてこの天気なのに海に入っている人もたくさんいる。特に子連れのローカルが多いようだ。休日だもんな。

そして土手状になっているその要塞の上を歩いて行くと白亜の灯台が見えてきた。これがこのゴールのシンボルだ。このため、やたらこの辺りには観光客が多い。
ここから更に城壁の上の散歩を続け見張り台に寄ったり、黒光りした大砲や立派な砲台の跡を見たりする。更にアエロス要塞、スター要塞に寄りながら、大きな時計塔があるムーン要塞までやって来た。そこから城壁の外を見ると広い緑の芝の上でクリケットを楽しんでいる人達がいる。楽しそうだ。

2009年までシンハラ人とタミル人が争い内戦をしていた国。私の目ではその両者は区別できないが、いがみ合い殺し合っていたとは思えない。ただ、今はこうやって外国人も問題なく旅行ができる良い国である。そして、スリランカ人は私のような旅行者に興味があるのか、よく話しかけてくる。"Which Country?"から始まり、"Japan"だと答えると"Good country"と親日ぶりは皆共通。次の質問は"Sri Lankaは何日間?"そして"今日は何日目?"というのがいつもの会話。その最後の質問が"2日目"、"3日目"だったのが、どんどん進んでいき、"もう明日にはここを離れる"と言わねばならなくなってきた。
お洒落なレストランでちょっとだけ贅沢な夕食
本来なら、このゴールの旧市街から夕日を眺める予定だったのだが、太陽は分厚い雲に隠れており、期待していたような夕日は見れないのがわかったので、少し早めだが、この城壁ツアーはここで終え、夕食を食べに行こう。
そういえばこの旅行ではカレー三昧のはずだったのだが、思ったよりここスリランカでスパイスカレーを食べていない。今晩が最後のチャンスなので、カレーを食べなければ。しかも、この旧市街地にはお洒落なカフェやレストランがたくさんある。けど、ここもポヤデーの影響からか事前に調べておいたレストランは扉が閉ざされていて開いている場所は限られている。

そこで、今日も開いていたペドラーズ・イン・カフェというお店に入る。カフェと言いながら立派なレストランで、店先に置かれた黒いクラッシックカーが絵になり、店内の照明もおしゃれな雰囲気。まだ早い時間だからかテラスの席が空いていたので、そこに座る。ちなみに反対側のテラスからは日本人の声が。そういえばゴールデンウィークだからかこうして何人かの日本人は見たが、まだまだ海外に出ている人は少ない印象だ。
メニューを開くと、今まで食べてきた夕食の3倍の値段。びっくりだが、オーダーする前にクレジットカードが使えるかを確認したらOKだというので、心配せずにシーフードカレーを頼む。で、まず出てきたのが付け沿いのサラダ。これがマンゴーが散りばめられていて、そのドレッシングも相まってびっくりするくらい美味しい。

続いてメインのカレー。これは小さなツボに入った一品。蓋を開けて中身を確認すると想像していたそれとは全く違う。ん?そこで、店員を捕まえて"これはシーフードカレーか?"と確認すると、"確かにそうだ"と答える。どうみてもエビフライが2つ乗っかったカレーピラフなのである。が、こんなしゃれおつな物が出てくるとは思っていなかったし、普通のスパイスカレーを食べようと思っていたのでだいぶ面をくらった感があるのだが、私が頼んだ物はこれだから仕方ない。
で、口に運んでみるとこれがおいしい。具もたくさんはいっており、適度に辛く、そして量もたっぷりある。意外なこれに感動しつつ、それを貪り食べていると、私の足元に一匹の猫がやってきた。良く知っている。そう、これには小エビがたくさん入っている。その小エビの尻尾はいらないので10匹分余りあるそれを全部あげた。こうして、猫も満足したと思うが、私も満足である。それでも一方で、"んー、典型的なスリランカのスパイスカレーを最後に食べたかったんだよな"という気持ちもあり、少し複雑な気持ちにもなった。

すっかり暗くなった旧市街であるが、先程まで開いていたお土産屋ももう閉まっている。ただ夜のこの旧市街には今日のポヤデーを祝うランタンなどが飾られており、絵になるところが多いので、写真を撮りつつホテルへと戻る。
そして、シャワーを浴びて水を飲む。海外旅行では飲料水は大事。だが、今回の旅行で水はこれまで2回買ったのみ。というのは、どのホテルでもペットボトルの水を毎晩2本用意してくれていたので、そんなに買う必要がなかったのだ。だが、この宿の水はユニークでノスタルジックな瓶に飲料水が入っている。おしゃれなホテルだ。一方で、洗面所にはハンドタオルがなかったり歯磨き用のコップがなかったりして不便なところもある。
さぁ、今朝も早かったから眠い。まだ20:00過ぎだが、天蓋付きお姫様仕様のベッドに入ろう。
