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Sinatra

笑い合った後の帰り道、静まり返った住宅街。侘しい道を暖かい胸と共に歩く。BICのライターを取り出して、レコードに8ミリの針を落とす。自分の足音がいつもり大きく聞こえて、心地よいリズムを刻む。等間隔に建てられた電柱が、小節を区切る。解けた靴紐に足を取られる。曲調のアクセント。ポケットから垂れた白い血管は僕の耳に暖かい心拍音を届ける。フランクシナトラの低い声、遠くで聞こえるトランペット。吐く息、服の擦れる音、ハイハット。楽譜の上を歩く、足元の5本線。延々と続くような道にも終止線はあるだろう。もう薄くなった月が、道の先に佇む。

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