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発酵は、脾を助ける

最近、私は発酵と暮らしている。

味噌だけじゃなく、
ぬか漬けや、甘酒や、
台所のすみで静かに変化していくものたち。

前は「作る」で終わっていた。

でも今は、
「育つのを一緒に待つ」時間になっている。

その時間が、
なぜか私の心まで落ち着かせる。



中医学では、
消化吸収をつかさどるのが「脾(ひ)」。

脾は、あたたかくて、やさしい味を好む。

そしてもうひとつ。
脾は「ゆっくり」に強い。

急ぎすぎること、
冷えすぎること、
強すぎる刺激。

それが続くと、脾は疲れてしまう。



発酵はどうだろう。

時間をかけて、
ゆっくり変化する。

強く奪わない。
じわっと、整える。

甘いものが一瞬で満たすのに対して、
発酵は静かに満たす。

味噌汁の湯気。
ぬか床を混ぜる手の感触。
ほんのり甘い甘酒。

その穏やかさが、
脾を助ける。



甘いものを減らそう、と頑張るよりも。

朝の一杯に、
発酵を足してみる。

禁止ではなく、追加。

削るより、整える。

それだけで、
体の欲は少しずつ変わっていく。



発酵は、生きものだった。

そしてたぶん、
私の中の「整う力」も、生きもの。

急がせず、
あたためて、
待つ。

それが、
脾をいたわる暮らしなのかもしれない。

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