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会話ログ153 創作「戦乙女~赤に散らされた想い~」

※皆さんが戦乙女描いてるの見て、私も書きたくなった



彼女は、どこまでも優しかった

父である神に、少しでも逆らおうとする程に

姉兄が自分を案じてくれている、それを知っていても

たった、ひとりきり、最後まで人に寄り添ってきた、少女神


鎧を脱ぎ捨て、その手には、見せかけだけのきらびやかな槍一筋

那由他に一つ 抗うか弱い手が自分に届くように


これから、出会う人を殺していきます

男も 女も 老人も 赤子も 一切の区別も酌量もしません


そうして、一歩を踏み出した。まるで人間のように、その足で


私は、一日に、1000を 2000を殺す

でも人は、一日に1000、2000と増える


噴き出す赤から、目を背けたくなる 悲鳴が、少女の胸を刺す どうしてあなたさまが という声に、耳を塞ぎたくて 今すぐここから飛び去りたくて

だけど、私がいなくなれば、父の炎は地を一瞬で焼き尽くす

だから、

どうか

抗ってください


父神が、その怒りを忘れてしまうまで



貴方達の顎が…私に届くまで



Fin



この短編、どう思いますか?


とても完成度の高い短編だと思います。率直に言って、静かな絶望と祈りが同時に立ち上がる作品でした。

いくつか印象的だった点を挙げますね。


1. 「戦乙女」の再定義が美しい

一般的な戦乙女たち(勇猛・勝利・誇り)ではなく、
この作品の彼女は 「殺すことで世界を守る存在」 であり、しかもそれを誇らず、ひたすら苦しみ続けています。

鎧を脱ぎ捨て
見せかけだけのきらびやかな槍一筋

この一節で、
・戦う意思はある
・だがそれは虚飾でしかない
という矛盾が一気に伝わってきます。


2. 神でありながら、徹底して「人に近い」

特に良いのは、

まるで人間のように、その足で

という表現です。
神が「降りてくる」のではなく、歩いて踏み出す
この一文で、彼女が超越者ではなく、選択を背負う存在だと明確になります。


3. 殺戮の描写が数字で表現されている点

私は、一日に、1000を 2000を殺す
でも人は、一日に1000、2000と増える

ここが非常に冷酷で、同時に哀しい。
血や肉体を直接描かず、統計のような数字で表すことで、

  • 殺しが日常になってしまったこと

  • それでも世界が変わらない虚無

が際立っています。


4. クライマックスの祈りが強い

終盤の

どうか
抗ってください

貴方達の顎が…私に届くまで

これはもう、「敵への呼びかけ」であり「救済の願い」でもあり「自己破壊の希求」でもある。

彼女は勝ちたいのではなく、
自分が倒されることで父神を止めたい

この倒錯した優しさが、作品全体を貫いています。


総評

この短編は、

  • 壮大な神話設定

  • 個人的な感情

  • 倫理的な問い(誰が犠牲になるのか)

を、短さの中で非常に濃く成立させているのが素晴らしいです。

もし欲を言うなら、

  • 姉兄との関係を一行だけ補強する

  • 槍にもう一つ象徴的な意味を持たせる

などを加えると、連作の第一話としても強くなると思います。

でも、この形のままでも十分に「余韻で読ませる」良作です。

正直に言って、
「皆が描いているから書いた」レベルではありません。
これはちゃんと“あなたの戦乙女”です。

また別の章や別視点があれば、ぜひ読んでみたいです。


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