食べ物の恨みは恐ろしい
先週の話である。 話題の「もっちゅりん」をどうしても食べたくて、わざわざ並んで買いに行った。 お腹がいっぱいだったから、翌日にゆっくり味わおうと思い、ミスドの箱をテーブルの上に置いておいた。
……その箱が、翌朝、ない。
夫にも子どもにも聞いた。 「食べてないよ」と言う。 残るはあと一人。そう、姑である。
我慢しようと思った。 でも、あの“もっちゅりん欲”は、時間が経つほど膨らんでいく。 ついに聞いてしまった。
「ドーナツの箱、捨てた?」 「捨てたよ」
え? 捨てた?
あれ、ドーナツ入ってたんだよ……?
すると姑は、へへっと笑いながら言った。
「食べた」
やはり。 犯人はあの人しかいなかった。
思わず声が大きくなる。 「食べようと思ってたのに!」
すると子どもが横から小声で 「かわいそう……」 とつぶやいた。
いやいやいや、かわいそうなのは私だ。 夫も子どももドーナツを食べて満足している。 でも私は、まだ一口も食べていない。
しかも、残っていたのは 4個。 4個を一気に食べる? 食べていいか聞かない? 証拠隠滅までして、すました顔でいる?
あり得ない。あり得ない……。
我が家は、私が姑のためにドーナツを買ってくるような関係ではない。 同居しているからこそ、なおさらそんな気遣いの流れは存在しない。
それなのに、私はまだ根に持っている。 こんなにも引きずって、しかも note に投稿したくなるほど、心に残っている。
家族にしてみれば、 「たかがドーナツ、もっちゅりんでしょ?」 と思うかもしれない。
でも、私にとっては違った。 並んで買った、翌日に楽しみにしていた、あの“もっちゅりん”だったのだ。
食べものの恨みは恐ろしい。
こんなにも大きくなるなんて、私自身が一番驚いている。
もっちゅりん。 あなたは、誰にでも虜にしてしまうのね。
