年収による格差
動物園や水族館、音楽鑑賞、スポーツ観戦にも
「年収による格差」が生じている厳しい実態。
発売たちまち7刷が決まった話題書『体験格差』では、日本初の全国調査からこの社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態に迫る。
こうした「体験」の数々は、そして「体験」の欠落の数々は、一人ひとりの子どもたちが成長する過程の中で徐々に蓄積していく。
その一つひとつは些細なものに見えるかもしれない。美術館に行ったことがあるのかないのか。演劇を鑑賞したことがあるのかないのか。しかし、それはゆっくりと蓄積していくのだ。どこにも行くことのない休日も、遠出や旅行のない夏休みも。
もちろん、学校教育の中でも、色々な「体験」をする機会はある。しかし、それらに加えて、学校の外でもより豊富な「体験」をできる子がいる一方で、そうした機会がほとんど与えられない子たちもまたいるのだ。
確かに。
先日、9年ぶりに
ディズニーランドに行ってきた。
下の子は初めてのディズニーランド。
とにかくやっぱり
キャストさんが素晴らしい。
「優しいね」
「すごいね」
「ここで働いたらもうどこでも働けるね」
そんな話をして、
中3の娘は、
「ここで働いてみたいな」と
目をキラキラさせていた。
小3の息子は、
普段は、普通のサッカー少年だが、
この日は、
キャストさんにも
キャラクターにも
ダンサーさんにも
飛び跳ねて手を振っていた。
息子がこんな反応をするとは思わず、
今の息子をまたすぐにでも
連れて来てあげたい、と思った。
だから、いろんな経験をさせてあげると、
親にとっても
子どもにとってもいいってことは
よく分かる。
『体験格差は、年収格差』
それに近いことを第一子が
幼い頃、よく考えていた。
娘のお友達が体験していることを
うちの子にも体験させてあげなくては、と。
・毎年ディズニーランドに行く
・毎年旅行に行く
・キャンプする
特に、北海道、沖縄、海外などは、
うちには行くことが難しいと悩んでいた。
でも、その子たちが中3になった今、
思うのは、
全てをやらせてあげるのは不可能、
ということ。
習い事ばかりしている子には、
外遊びが不足している。
「なにもない」状況をどうおもしろくするか
そういった体験は不足している。
また、うちは、旅行が5年に一度くらいで、
ディズニー、USJ、ハウステンボス。
贅沢な旅行はほぼこの3回だけ。
この3回について、
行ったねぇ
行ったよねぇ
楽しかったよねぇ
と語り尽くすのも楽しい。
いや、15年で3回行けるだけですごく
恵まれていると思う。
そして、私は、
育児、不登校、障がい、
食育などを取り扱う場所で
子連れで仕事もしている。
お客様を迎え、見送ること。
大人も子どももみんなで楽しむこと。
よその大人に遊んでもらうこと。
叱ってもらうこと。
みんなで作って食べること。
成長を喜んでもらうこと。
そんな経験も全ての子ができるわけではないと思う。
そして、私の親友はダウン症の子を産んだ。
そのおかげで、うちの子は
ダウン症の子をかわいがる、
成長を見守る、
親の気持ちを知る、
という経験をしている。
それも人生に影響する経験だ。
そして、キャンプ…やってあげたいねぇと
何年も言いながら、
結局やれておらず、
これこそ、
生きる力を育てると思うのだが、
私と夫には無理なのだと悟った。
アウトドア系YouTubeを
家族で見て、
魚を捌いた気になり、
火をおこした気になっている。
お金がある子にはその子なりの、
お金がない子にはその子なりの、
素晴らしい経験をしていると思う。
『体験格差』の中で、
「体験の欠落は蓄積する」
という表現には抵抗がある。
著者は、
子どものためを思っていると思う。
あらゆる子どもに
豊富な経験をさせてあげたいのだと思う。
けど、読み手の印象は違うような気がする。
夫に感想を求めると、
「子どもにもっと体験させてあげなくちゃって思った。」と言った。
もっと。もっと。
他の人のように。
もっとがんばらねば。
もっと愛さねば。
そんな風に思う人が多いような気がしてしまう。
いや、私はすぐ自分を責める癖があるので
そう思うだけかもしれない。
本の感想は人それぞれで良い。
この本のおかげで、
子どもひとりひとりが楽しい体験をできるなら、
それで良いのかもしれない。
だから、この本は間違っている、
と言いたいわけではないんだけど。
この話題で思い出すのは。
facebookでこんな記事を読んだ。
マツコは「人の不幸を願ってしまう」と
悩む女性に対し、
「残酷なことを言うけど」と
衝撃的な発言をしたが、
そのある理由で絶賛されたそうだ。
この女性の悩みに対し、
マツコは
「私はね、そんなに人に関心がないのよ。
誰かがどうなるとかってことにさ。
それか、あなた、よっぽど暇なんじゃない?
だからものすごく他人を見てしまって気にしすぎてるのよ」と指摘。
そして、続けて
「残酷なことを言うけど、
最後はみんないなくなるわけじゃん?
だから私、
他人なんてどうでもいいと思ってるのよね。
だってみんないなくなるんだから、
どうだっていい。
みんな一緒だなって思うんだよね」
と語り、共演者たちの共感を呼んだ。
また、マツコは自身の著書の中で
「最近の『幸せにならなきゃいけない』
みたいな風潮が、
いろんなことを
めんどくさくさせてるんじゃない?
生きることは
幸せになることではないんだから。
ちゃんとしなきゃなんて思わなくていいのよ。
人生なんて目の前のことを日々着実にやって、人様にご迷惑をかけないようにするだけで十分すぎるのよ」と綴っている。
マツコさんの言葉、しみる。
平等さより
経済的な豊かさより、
幸せに気づける心さえあれば、
幸せでなくても
生きてさえいればいいと思えたら
どこでも生きていける。
