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「無駄な会議をなくす方法——そして1on1は本当に必要か」

プロローグ

会議が多い。それは誰もが感じていることだ。

でも「会議を減らせ」と言うだけでは何も変わらない。私が20年のPM経験で気づいたのは、無駄な会議が生まれる原因は「会議の設計ミス」にあるということだ。

そして最近、もう一つ気になっていることがある。

「1on1をやれば部下が育つ」という風潮だ。

1on1が悪いとは言わない。でも万能薬のように語られすぎている。 今日はその話もする。

第1章|会議には「3種類」しかない

まず会議の正体を整理する。会議は突き詰めると3種類しかない。

①決議型——何かを決めるための会議。参加者全員に決定権があるか、決定に必要な情報を持っている人だけを集める。これ以外の人は不要だ。

②共有型——情報を全員に届けるための会議。ただしこれは会議でなくていいケースが多い。 メール・チャット・録画でほぼ代替できる。

③雑談型——チームの関係性を維持するための会議。無駄に見えて実は重要だが、目的を意識せずにやると単なる時間の浪費になる。

会議の設計ミスのほとんどは「3つが混在している」ことで起きる。 決議したいのか、共有したいのか、雑談したいのか——最初にそれを決めるだけで、会議の質は大きく変わる。

第2章|アジェンダのないミーティングには出なくていい

アジェンダのない会議には出なくていい。

これは極端に聞こえるかもしれないが、私は本気でそう思っている。

アジェンダとは「この会議で何を決めるか・何を共有するか」を事前に示したものだ。それがなければ、参加者は「何のために来たのか」が分からないまま座っている。

アジェンダを作るのに必要な時間は5分だ。 5分かけてアジェンダを作れない主催者は、会議を開く準備ができていない。

私がPMとして徹底してきたのはこのルールだ。

会議の3日前:アジェンダを送付
会議の前日:資料を共有
会議当日:決議事項の確認から始める
会議後24時間以内:議事録と次のアクションを送付

これだけで「あの会議、何だったんだろう」という感想はほぼなくなる。
補足だが、「理想は3日前だが、最低でも前日には送る」を心がけてほしい。

第3章|参加者を絞る勇気

会議に人を呼びすぎる。これが日本の職場の慢性病だ。

「関係者全員」を集めると何が起きるか。発言できない人が増える。決まらない。時間が延びる。

私の基準はシンプルだ。「この人がいなければ決まらないか」——YESなら呼ぶ。NOなら議事録を送ればいい。

特に公共系・金融系のプロジェクトでは「関係者を呼ばないと後で文句を言われる」という恐れから、無関係な人まで招集するケースが多い。

でもそれは会議の問題ではなく、組織の信頼関係の問題だ。 会議を増やしても信頼は生まれない。

第4章|時間を守るファシリテーション術

会議が時間通りに終わらない理由は2つだ。「ゴールが不明確」か「発散を止める人がいない」かのどちらかだ。

ファシリテーターの仕事は発言を引き出すことではない。「今日決めること」に向かって会話を収束させることだ。

私が使うのは3つの言葉だ。

「それは今日決めることですか?」
 → 議題外の話を止める

「一旦整理すると、選択肢は○○と○○ですね」
 → 発散した議論を収束させる

「残り5分です。今日のゴールを確認します」
 → 時間管理と着地を同時に行う

これを使うだけで、1時間の会議が45分で終わるようになる。

第5章|オンライン会議でやってよかった工夫

コロナ以降、会議のほとんどがオンラインになった。オンライン会議には対面と違う設計が必要だ。

私が実践して効果があったのはこの3つだ。

カメラオフを禁止しない代わりに、発言ルールを作る。 「発言するときはカメラオン」というルールにすると、参加者の集中度が上がる。

チャットを議事録代わりにする。 決まったことをリアルタイムでチャットに流すと、後から議事録を作る手間が半分になる。

会議の冒頭2分でアイスブレイクを入れる。 オンラインは沈黙が重い。最初に一言話してもらうだけで場の空気が変わる。

第6章|会議をやめる勇気——「本当にこの会議、必要か」

定例会議は惰性で続く。

「毎週月曜の朝会」「月次の進捗報告会」——これらの会議を最後に見直したのはいつか?

私のプロジェクトでは半年に一度、全定例会議を棚卸しするようにしていた。「この会議、なくなったら困る人はいるか」——この問いに誰も答えられなければ、その会議は終わりにしていい。

会議をやめることへの罪悪感は要らない。「会議を減らした」ではなく「本当に必要な場だけ残した」という言い方をすれば、誰も反対しない。

第7章|1on1は万能薬じゃない——そろそろ本音を言う

最近、1on1が神格化されている気がしてならない。

「1on1をやれば部下が育つ」「週1回1on1をしているPMは優秀だ」——そういう空気がある。

でも私はずっと疑問に思っている。1on1でやることを、本当に理解して使っているか?

1on1が有効な場面はある。個別のキャリア相談、メンタルのケア、対面では言いにくいフィードバック——これらは1on1でやるべきことだ。

でも共有事項を1on1でやるのは間違いだ。

全員に伝えるべき情報を1on1で伝えると何が起きるか。情報の伝達漏れが起きる。「あの人には言ったけどこの人には言っていない」が積み重なって、チームの信頼関係が壊れる。

昔からの鉄則がある。「ほめるときは全体の前で。指摘するときは個別で。」 これは今も変わらない。

1on1は個別の指摘・ケア・キャリア相談のためにある。チーム全体に関わる情報共有は全体会議でやる。この使い分けができていない1on1は、単なる時間の浪費だ。

エピローグ

会議を減らすことが目的ではない。

「この会議は何のためにあるか」を言語化できる状態にすることが目的だ。

決議・共有・雑談——どれかを明確にする。アジェンダを作る。参加者を絞る。時間を守る。定期的に棚卸しする。そして1on1は正しく使う。

これを一つずつやるだけで、会議は変わる。組織は変わる。

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