【保存版】G検定受験後記|AI・機械学習キーワード完全攻略——試験も実務も、混同したまま終わらせない
正直に言う。
G検定で落ちる人の大半は、知識が足りないのではない。「分かったつもり」で止まっているのだ。
RecallとPrecisionの違いは説明できる。でも問題文を読んだ瞬間に、どちらを優先すべきか即断できるか。Min-Max正規化と標準化の違いは知っている。でも「外れ値があるデータ」と言われた瞬間に、どちらを選ぶか体が動くか。
この記事は、知識の整理ではない。「即断できるか」を基準に設計した。試験本番、問題を読んだ0.5秒で答えが出る状態を作ることが目的だ。
20年のITコンサルキャリアで、AI・機械学習の実務に関わってきた。現場で「これが分かっていない人は詰む」と感じた概念に絞って書いている。
第1章 前処理のワナ——正規化と標準化は「どちらを選ぶか」で覚える
前処理の問題で最も多いミスは、「どちらも数値を整える手法」という理解で止まっていることだ。試験では「どちらを使うべきか」を問われる。
Min-Max正規化は、全データを0〜1の範囲に収める。画像のピクセル値(0〜255)のように、範囲が決まっているデータに向いている。致命的な弱点が一つある。外れ値が1つあるだけで、他の値が全部0付近に固まる。データが崩壊する。
標準化は、平均を0・標準偏差を1に変換する。外れ値があっても正規化ほど壊滅的な影響を受けない。統計的な安定性が必要な場面、つまり多くの機械学習アルゴリズムの前処理では標準化が基本だ。
即断フレーズはこうだ。「外れ値があるなら標準化。範囲を固定したいならMin-Max」。これだけで試験問題の8割はさばける。
One-Hotエンコーディングは、カテゴリ変数を数値に変換する手法だ。「東京・大阪・福岡」を0・1・2と数値で表すと、機械学習モデルは「福岡>東京」という大小関係を読み取ってしまう。それを防ぐためにOne-Hotを使う。順序のないカテゴリには必ずOne-Hot、と覚える。
第2章 評価指標の逆転——RecallとPrecisionはトレードオフで覚える
ここが最大のひっかけポイントだ。
Recall(再現率)は、「本当に陽性のものを、どれだけ拾えたか」を測る。見逃し(FN)を減らすことが目的だ。がん検診・不具合検知・詐欺検出——見逃したときのコストが高い場面で最重要になる。
Precision(適合率)は、「陽性と判定したものの中で、本当に陽性はどれだけか」を測る。誤検出(FP)を減らすことが目的だ。迷惑メールフィルタ・推薦システム——誤って弾いたときのコストが高い場面で最重要になる。
この二つはトレードオフだ。Recallを上げようとすると(とにかく陽性と判定する)、Precisionが下がる(誤検出が増える)。その両方のバランスを取るのがF1スコア(RecallとPrecisionの調和平均)だ。
即断フレーズ。「見逃し厳禁ならRecall。誤報厳禁ならPrecision」。問題文に「見逃し」「FN」が出たらRecall、「誤検出」「FP」が出たらPrecisionと反応する癖をつける。
IoU(Intersection over Union)は物体検出の評価指標だ。予測した矩形と正解の矩形の重なり度合いを0〜1で表す。重なりが大きいほど1に近い。「ズレをどう数値化するか」と問われたらIoUだ。
第3章 画像認識の解像度——分類・検出・セグメンテーションを階段で覚える
4つのタスクを「どこまで細かく見るか」という階段で整理する。
画像分類は画像全体に1つのラベルを付ける。「これは犬だ」。最も粗い。
物体検出は「どこに何があるか」を矩形(バウンディングボックス)で示す。「右上に犬がいる」。位置+クラスが出力される。
セマンティックセグメンテーションはピクセル単位でクラスを分類する。「このピクセル群は犬、この部分は背景」。ただし犬が2匹いても区別しない。個体を区別しないことが試験のひっかけになる。
インスタンスセグメンテーションはピクセル単位で個体を区別する。「これが1匹目の犬、こちらが2匹目」。セマンティックとの違いは「個体を区別するか否か」の一点だ。
CNN固有の用語も整理する。GAP(Global Average Pooling)は全結合層の代わりに使い、特徴マップを平均化して次元を圧縮する。パラメータ数を減らし過学習を防ぐ効果がある。Atrous畳み込み(Dilated畳み込み)は、フィルタに間隔を空けて受容野を広げる手法だ。解像度を落とさずに広い範囲を見られる点が特徴で、セグメンテーションでよく使われる。
第4章 NLPと生成AI——BERTとGPTは「何を予測するか」で覚える
BERTはTransformerのEncoderを使う。前後の文脈から中間の単語を予測する(マスク言語モデル)。双方向に文脈を読むため、文章の意味理解・分類・固有表現抽出に強い。「文脈理解の王様」と覚える。
GPTはTransformerのDecoderを使う。直前までのトークンから次のトークンを予測する。単方向だが、文章生成に特化している。「文章生成の王様」と覚える。
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、モデルの重みを変えずに外部知識を参照して回答を生成する手法だ。「カンペを見ながら答える」イメージ。最新情報や社内データを使いたいが、再学習コストをかけたくない場面で使う。重みの更新が不要な点がファインチューニングとの最大の違いだ。
ファインチューニングはモデル自体に追加学習をさせる。特定の口調・専門用語のニュアンスを学ばせたい場合に使う。コストと時間がかかる代わりに、モデルの振る舞い自体が変わる。
RLHF(人間のフィードバックによる強化学習)は、人間の評価を報酬として使いモデルを調整する手法だ。ChatGPTの調整にも使われた。「人間の好みに合わせる技術」と覚える。
第5章 XAIと法務——説明可能AIと著作権は実務で直結する
Grad-CAMは、CNNが画像のどの領域を根拠に判断したかをヒートマップで可視化する手法だ。「なぜこの画像を犬と判定したのか」を説明できる。画像専用である点が試験で問われる。
SHAP(SHapley Additive exPlanations)は協力ゲーム理論に基づき、各特徴量の貢献度を公平に算出する手法だ。「なぜこのスコアになったのか」を数学的根拠で説明できる。Grad-CAMが画像専用なのに対し、SHAPは表形式データにも使える。
著作権法第30条の4は、日本のAI開発において重要な条文だ。情報解析を目的とする場合、著作権者の許可なくデータを学習に使えると定めている。ただし著作物を不当に害する場合は除かれる。「学習は自由、生成物の無断配布は別問題」という整理が基本だ。日本がAI学習に関して国際的に見ても開発者に優しい法制度を持つ点は、実務・試験両面で押さえておく必要がある。
ここから有料(¥980)
ここから先は
¥ 980
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!
