【第1回】実績ゼロでもAI顧問を始められる理由——20年PMが気づいた「知識の商品化」
正直に言う。
「AI顧問」と聞いて、こう思う人がいる。
「AIの専門家じゃないと無理でしょ」「実績がないと誰も依頼してこない」「資格でも取らないといけないんじゃないか」——
全部、間違いだ。
私はITコンサルタントとして20年、プロジェクトマネジメントを生業にしてきた。AI研究者でもなければ、機械学習の専門家でもない。でも今、AI顧問・AI研修の仕事を始めようとしている。なぜか。
「AIを使いこなせる人間」と「AIを知らない人間」の差が、今この瞬間も広がり続けているからだ。
そしてその差を埋めることに、20年のPM経験は十分すぎるほど使える。
なぜ「実績ゼロ」は問題じゃないのか
PMとして言えば、これは「要件定義」の話だ。
クライアントが本当に求めているものは何か。「AI顧問の実績」ではない。「自社のAI活用を前に進めてくれる人間」だ。
中小企業のDX担当者を想像してほしい。ChatGPTを業務に使いたいが、どこから始めればいいか分からない。社内にAIに詳しい人間がいない。外部に相談したいが、大手コンサルは高すぎる。
この人が求めているのは、博士号を持つAI研究者ではない。「一緒に考えて、具体的に動かしてくれる人間」だ。
20年、現場でプロジェクトを動かしてきた人間なら、それができる。要件を整理して、優先順位をつけて、実行可能な計画に落とす——これはAIの専門知識より、はるかに希少なスキルだ。
「知識の商品化」とは何か
私がこの1年でやってきたことを振り返ると、全部が「知識の商品化」だった。
ChatGPT・Claude・Geminiを使い倒した記録をnoteに書いた。Suno AIで音楽を作った記録を公開した。LINEスタンプをAIで量産した全工程を記事にした。Google Skillsを実務に組み込んだ方法をまとめた。
これらは全部、「自分が学んだことを、他の人が使える形に変換した」ものだ。
AI顧問・AI研修も、本質は同じだ。自分が実際に試して、失敗して、使えるようになったことを、まだそこに至っていない人に届ける。それだけだ。
「完璧に知っている人間」が教える必要はない。「一歩先にいる人間」が教えれば十分だ。むしろその方が、受け手には届きやすい。
AI顧問に必要な「3つの資産」
では具体的に、何があればAI顧問・AI研修ができるのか。私が整理すると、3つだ。
① 実務経験(=現場の言語を話せること)
AIツールの知識より、これが圧倒的に重要だ。クライアントの現場で何が起きているか、どこにボトルネックがあるか、誰が何を恐れているか——これを読める人間が、AI導入を前に進められる。
20年PMとして現場を歩いてきた人間には、これが既にある。
② ツールの実践知識(=自分で使い倒した経験)
ChatGPT・Claude・Geminiを実際に業務で使ったことがあるか。プロンプトを工夫して、失敗して、改善した経験があるか。これがないと、研修で「理論」しか教えられない。
理論だけの研修は、受講者に何も残さない。
③ 言語化力(=伝える技術)
これが最も差がつく部分だ。AIの知識があっても、相手に伝わらなければ意味がない。PMとして20年、要件定義書・提案書・報告書を書き続けてきた人間には、これが既にある。
この3つが揃っていれば、AI顧問・AI研修は始められる。資格も、華々しい実績も、最初は必要ない。
「実績がない」を突破する方法
正直に言う。
最初の1件は、確かにハードルがある。でも突破する方法はある。
note・SNSでの発信が、そのまま実績になる。
私がこのシリーズを書いている理由の一つがここだ。AI活用の知見を記事として公開し続けることで、「この人はAIを実務で使いこなしている」という信頼が積み上がる。記事が営業資料になる。問い合わせの入口になる。
有名なコンサルタントも、最初は無名だった。発信を続けた人間が、信頼を積み上げた。今は誰でも発信できる時代だ。逆に言えば、発信しない人間は存在しないのと同じだ。
このシリーズで書くこと
第2回以降では、より具体的な話に入っていく。
第2回:AI顧問の単価設計と、最初の1件を受注するまでのロードマップ
第3回:企業内AI導入を任されたとき、最初にやるべき7つのこと
第4回:AI研修カリキュラムの作り方——受講者が「明日から使える」設計の全手順
第5回:20年PMが教えるAI活用術——ChatGPT・Claude・Geminiを業務に組み込む実践法
実績のない状態から、どう単価を設定するか。どうやって最初のクライアントを獲るか。研修をどう設計するか。全部、具体的に書く。
「AI顧問なんて自分には無理」と思っているなら、それは幻想だ。
必要なのは完璧な知識じゃない。一歩先にいる勇気と、それを言語化する力だ。
あとは始めるかどうか。それだけだ。
▼次の記事 【第2回】AI顧問の単価設計と受注までのロードマップ——最初の1件をどう獲るか (公開後にURLを入れてください)
▼AI活用の記事をまとめています AI活用実験室マガジン https://note.com/quiet_emu2080/m/m79242a34a2cb
▼現場PMの実践ノート https://note.com/quiet_emu2080/m/mb3eda5b30688
©shiraco|PMPおじさんの実践ノート @NoteCcm42090
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