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🌸経営未来手帳・金曜日(第135号)完全保存版―なぜ、AI時代の経営には「空気を言葉へ翻訳する力」が必要なのかANA業務改善勧告から見える、“構造だけでは守れない組織”の限界

🌸経営未来手帳・金曜日(第135号)完全保存版―なぜ、AI時代の経営には「空気を言葉へ翻訳する力」が必要なのか
ANA業務改善勧告から見える、“構造だけでは守れない組織”の限界


(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
今日は金曜日なので
歴史や文化のエピソードを通じて、週末に心に残るインスピレーションをお伝えします。
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■はじめに

国土交通省が、航空大手ANAに対して業務改善勧告を出しました。
報道では、
・禁止オイルの使用
・虚偽記録
・必要整備未実施
・一部隠蔽的行為
などが問題視されています。
航空業界は、世界でも最も「構造化」が進んだ業界です。
マニュアル。
ダブルチェック。
トリプルチェック。
スイスチーズモデル。
CRM(Crew Resource Management)。
「人はミスをする」という前提で、
幾重にも安全構造を張り巡らせてきました。
それでも事故や逸脱は起きる。
この事実は、経営者に重い問いを投げかけています。
「構造を整えれば、本当に組織は安全になるのか」
今日は、このテーマを、“日本人の非認知能力”
という視点から考えてみたいと思います。
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■構造で安全を守ってきたはずが…

ANAは長年、
・絶対安全
・規律
・現場力
・チームオペレーション
をブランド価値として築いてきました。
つまり今回の件は、単なる整備ミスではありません。
国交省が問題視したのは、
「安全管理システムが機能していない」
という点でした。
つまり、“構造そのもの”は存在していた。
しかし、小さな逸脱が積み重なっていた。
これは航空業界だけではありません。
企業経営でも同じです。
・内部統制
・KPI
・AI監視
・ガバナンス
・評価制度
を整えても、最後に組織を壊すのは、
・沈黙
・空気
・慣れ
・疲労
・忖度
だったりする。
ここに、現代経営の難しさがあります。
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■スイスチーズモデルは、“ネズミ”がいたら成り立たない

航空業界には、「スイスチーズモデル」
という有名な考え方があります。
事故防止のため、複数の防御壁を重ねる思想です。
穴が一つ空いても、次の防御壁で止める。
非常に優れた仕組みです。
しかし今回、見えてきたのは、
穴ではなく、チーズそのものを内側から削る力が働いていた。
つまり、
・虚偽記録
・報告回避
・「これくらい大丈夫」
・空気による沈黙
が入り込むと、防御構造そのものが、
内側から崩れ始める。
しかも厄介なのは、防御構造が高度になるほど、
「この仕組みがあるから安心」
という、心理的油断も同時に生まれることです。
すると人間は、
・違和感を感じなくなる
・自分で考えなくなる
・小さな逸脱を合理化する
方向へ流れ始める。
構造は必要条件です。しかし、十分条件ではない。
最後は、“人間の感覚”に戻ってくるのです。
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■日本人は、本来「小さな違和感」に強かった

私は、日本人は本来、
“小さな違和感を察知する能力”
が高かった民族なのではないか、と思っています。
日本社会は、構造よりも“感覚”で安全を守ってきた歴史があります。
・阿吽(あうん)の呼吸
・察する文化
・間(ま)
・空気を読む
・気配を感じる
という感覚がありました。
海外から見ると、曖昧に見える文化です。
しかし別の見方をすれば、
“微細な変化を察知する文化”
だったとも言えます。
つまり日本人は、本来、
「構造から漏れた情報」を感じ取る力が強かった。
ところが今、AI・システム・リモート化が、人間の間に
入り込み始めています。
すると、
・物理的距離
・雑談減少
・沈黙
・非対面化
によって、互いを察知する非認知能力が、
機能しにくくなっている。
ここが、現代日本組織の大きな問題なのかもしれません。
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■これから必要なのは、「空気を言葉へ翻訳する力」

海外、とくに欧米型組織は、
「空気は共有されない」
という前提で発達してきました。
だから、
・契約
・マニュアル
・発言義務
・説明責任
・Speak Up文化
を徹底的に発達させた。
つまり、
“空気を信用しない文化”
とも言えます。
一方、
日本は、
空気による補完が非常に強かった。
しかしAIは、
空気を完全には理解できません。
AIやシステムが扱えるのは、
「言語化された情報」
です。
つまりこれからの日本企業には、
「空気を読む力」だけではなく、
「空気を、適切な言葉へ翻訳する力」
が必要になってくる。
違和感を、言葉にする。
モヤモヤを、共有する。
沈黙を、可視化する。
これが、AI時代の経営者に求められる、
新しい非認知能力なのかもしれません。
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■編集後記

かつて営業の現場は、
本当に喧噪(けんそう)で包まれていました。
けたたましい電話の音
怒号
笑い声
雑談
相談
オフィス全体に、人間の熱量がありました。
しかし現在のオフィスは、静寂です。
静寂は、集中力を高める一方で、
人を分断し、人間の関係を削いでいく要素もあります。
私たちは、その危険性を、忘れないでいたいと思います。
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■今日の問いかけ

あなたの組織では、
「違和感」が、ちゃんと言葉になっていますか?
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■ネコのつぶやき

「昔の日本人は、“空気を読む”だけじゃなく、“空気のズレ”も
感じてたのかもしれないにゃ」
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■おわりに

未来の経営は、「構造化能力」だけでは守れません。
最後に組織を支えるのは、“小さな違和感を感じ、
それを言葉へ翻訳できる力”
なのかもしれません。
静寂は集中を生む一方で、人の心をゆっくりと削っていく。
そのことを、私たちは忘れずにいたいと思います。
 
疲れた経営者が、少し言葉を預けられる場所として。
―経営者の深夜食堂
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■経営未来手帳の編集長が選んだ40選はこちら

─経営者が未来を読むための“構造地図”
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n3596a857d755
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■感想をぜひお寄せください。

yasumura@biz-noukai.com
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■次回5月23日予告

「なぜ、忘れ物が多い店は繁盛するのか」
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■安村 明史

経営未来手帳
組織・経営の相談役(静かに伴走する役割)
#経営者の深夜食堂

■付録


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