🌸経営未来手帳・火曜日(第153号)・完全保存版「なぜ、KFCは日本で成功したのか?」―海外企業が見落としがちな「日本ビジネス翻訳」の力
🌸経営未来手帳・火曜日(第153号)・完全保存版「なぜ、KFCは日本で成功したのか?」―海外企業が見落としがちな「日本ビジネス翻訳」の力
(執筆:安村明史/ビジネス能力開発株式会社)
今日は火曜日なので、日本人(経営者)の心理的特徴や日本組織の構造を読み解いていきます。
noteでは日本語版、LinkedInでは英語版を投稿しています。
■はじめに
海外で成功したビジネスモデルを日本に持ち込めば成功する。
そう考えがちですが、現実はそれほど単純ではありません。
例えばKFCです。
アメリカには「クリスマスにフライドチキンを食べる文化」はありません。
それにもかかわらず、日本ではクリスマスといえばKFCというイメージが定着しています。
なぜ、このような現象が起きたのでしょうか。
■KFCが売ったのはチキンではなかった
日本KFCは1970年に米国KFCと三菱商事の共同出資で設立されました。
多くの人はKFCの成功を商品力で説明します。
しかし私は少し違う見方をしています。
成功したのはチキンではなく、「食卓の再編集」だったのではないでしょうか。
当時の日本には、
・クリスマスケーキ
・プレゼント
という習慣はありました。
しかし、「クリスマスの夕食」という明確な文化はありませんでした。
当時、主食は米、主菜は魚などだったでしょう。
KFCはその空白に入り込み、「家族でチキンを囲む日」
という新しい洋食文化のテーブルを提案したのです。
■コストコも同じ構造
同じ現象はコストコにも見られます。
アメリカでは大量購入による効率化のための店舗です。
一方、日本では家族や友人と訪れるレジャー施設のような側面があります。
商品は同じです。
しかし意味が違います。
つまり成功した企業は商品を輸出したのではなく、意味を翻訳したのです。
■日本ビジネス翻訳の原則
私は最近、「文化翻訳」ではなく、
「日本ビジネス翻訳」という言葉を使っています。
海外企業が失敗する理由は、自国の成功モデルをそのまま移植しようとするからです。
一方で成功企業は、
既存文化の8割を残し、2割だけを変える。
マクドナルドもKFCもコストコも、この原則に近い動きをしています。
日本人の行動様式や価値観を理解し、その余白に新しい意味を差し込んでいるのです。
■編集後記
AI時代になり、情報そのものの価値は下がりつつあります。
しかし「意味を編集する力」の価値はむしろ高まっています。
海外企業と日本企業の間にも、同じことが言えるのかもしれません。
成功する企業は商品を売る前に、意味を翻訳しているのです。
■今日の問いかけ
あなたの商品やサービスは、
お客様のどんな「余白」を埋めているでしょうか。
新しい需要を作ろうとする前に、
既に存在している小さな違和感を探してみる。
そこに次の成長のヒントが隠れているかもしれません。
■ネコのつぶやき
「日本で成功するには、商品より先に意味を覚えることが大事かもしれないにゃ」
■おわりに
海外企業の日本進出を見ていると、
成功の鍵は商品力ではなく翻訳力にあるように思います。
日本市場を攻略するとは、日本人を理解すること。
その視点が、これからますます重要になるでしょう。
■今日の結論
成功する企業は商品を輸出する。
さらに成功する企業は意味を翻訳する。
「疲れた経営者が、少し言葉を預けられる場所として。
―経営者の深夜食堂」
🌸経営未来手帳の編集長が選んだ40選はこちら
─経営者が未来を読むための“構造地図”
https://note.com/quiet_gnu5848/n/n3596a857d755
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■次回6月10日予告
「日本進出に失敗した海外企業から学ぶ5つの教訓」
―なぜ世界企業でも日本で苦戦するのか
■安村 明史
経営未来手帳
組織・経営の相談役(静かに伴走する役割)
#経営者の深夜食堂
■付録

