ソープ嬢こころちゃんの物語22〜【番外編】帰ってきたハヤト君!下〜
ソープ嬢こころちゃんの物語22
〜帰ってきたハヤト君!下〜
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「あなたの、名前は?」
そう問う私の声は、驚くほど冷たく、抑揚がなかった。
怒鳴ってやろうかと思っていた。泣くかもしれないとも思っていた。
でも実際に彼を前にすると、感情は妙に静かだった。
目の前の男は私が好きだったハヤト君ではない。
私に嘘をつき続け、小賢しくもないお金の盗り方で私のお金を盗み続けた泥棒だ。
え、という顔をして半笑いで黙るハヤト君を前に私は続ける。
「ねぇ」
「あなたの、年齢は?」
「あなたの、誕生日は?」
「あなたの言ってた後輩の子達、
もう会社にいないらしいわね。」
「ねえ、
淳二くん。」
......

ホラー!!!
こりゃホラーである!!!!!
メンヘラホラーカナ!?
椿ちゃんは自分でもびっくりな冷たい声で尋問をしていました!!
like a 富江!!!

そしてハヤト君、
否、
淳二君の慌てようといったら。
「いや、まぁ、あれやん。
なんか、色々言ってなくて、ごめんなさい。
でも、あれやで、あの、、ちゃん言おうと思ってたし」
しどろもどろで、なにかごちゃごちゃと謝る彼を目の前に、
like a 富江の椿ちゃんは言います。
「免許証を、出しなさい。」
「は?」
「私から盗んだお金を返しなさい。返さないなら今から警察に行きます。
大声を出します。
あなたのすべての嘘はめくれました。
山本淳二くん、
さぁ、どうするの?」
「ちゃんと、返すつもりやったって。」
「もうちょっと待ってって。」
「椿のことほんまに好きやねんて。」
「免許証とか、今もってないから」
等々、
続く彼の薄っぺらい言葉の羅列
嗚呼
なんて愚かでやかましい。
携帯電話を取り出して、彼の前にかざし、
パシャっと一枚写真を撮った。
さてこれは、昔誰かにされたっけ。
たくさんの想像が容易に叶う、沈黙の脅し。
そして彼を一瞥し、
私は彼に見えるように110の番号を押しました。
「わかった!わかったから!警察はいらんやろって!!!!」
スカウトマンという職業は、グレーもグレー。
当時大きなスカウト会社には警察のガサ入れが入ったりして壊滅状態になっていたりして、
彼の会社もそのような状態でお金の回りが悪かったのでしょう。
スカウトマンは警察にだけは連絡をされたくないことは私も分かっておりました。
「ぴーぴー煩いねん。さっさと出しや。」
ハヤト君は、バツの悪そうな顔をして
本当の免許証を出しました。
そこには大阪の堺のほうの住所が書かれた
山本淳二の免許証。
書かれた住所はおそらく実家でしょう。
本当の彼の情報を自分の目でしっかりと確かめて、
私は何を見てたんだか。と自分にすこし呆れ、
そして免許証の写真を撮りました。
「お前、携帯の番号変えたらこの住所に行くからな。」
若干19歳の女の子から出る言葉とは思えません。

正直、お金が返ってくるとは思っていませんでした。
こんなに年下の女の子の貯金から、ちまちまお金を抜くような人間に、真面目にお金を稼ぐ能力があるとは思えません。
ただ、
もう全部バレたのだと、
お前のことはもう好きではないのだと、
これで、終わりなのだと、
直接言って知らしめてやりたかった。
椿ちゃんは濡れた彼の横に1万円を置き、最後に彼に言いました。
もう彼の顔は見ませんでした。
「ほなね淳二くん。
もうあんたが帰る家、ないで。」
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さよなら淳二君
私、あなたが私を逃したことを悔しがるような女になります。
ゆきちゃんとトラが待つマンションに帰る
帰り道、
私は胸のすく思いで
大阪日本橋の夜の道を歩きました。
