見出し画像

「クリエイティブ」と「イミテイティブ」|“未来”を作る仕事と“今”を作る仕事

偉そうにタイトルを掲げてみましたが、「クリエイティブ」と言っても、アートやデザインの話ではなく、一般的なビジネスにおける話です。仕事の種類というと、いろいろな分け方があると思います。営業/エンジニア/デザイナー/総務/経理/人事といったように職種で分けるやり方、直接業務/間接業務という分け方、肉体労働/頭脳労働といった分け方もありますね。これらに加えて、「クリエイティブ」と「イミテイティブ」という分け方もあるのではないかと思うのです。


1. 仕事には2種類ある

1.1. クリエイティブな仕事と言えば?

どのようなイメージがわくでしょうか?アート、デザイン、コピーライティングなどの仕事でしょうか。芸能、ゲームデザインなどの仕事かもしれません。どのお仕事も創造性にあふれており、クリエイティブな仕事と言えると思います。

1.2. では、クリエイティブじゃない仕事は?

ここで、反対を考えてみましょう。「クリエイティブ(Creative):創造的」の対義語はご存じでしょうか?(タイトルに書いてあるからわかりまね。苦笑)。「クリエイティブ(Creative):創造的」の対義語は「イミテイティブ(Imitative):模倣的」です。
※対義語の定義は文脈によって変わるため、別の単語があてられる場合もあります。

「そんなの知ってるよ」という方もいらっしゃると思いますが、少しイメージと違う人もそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか。イメージと違った方は、おそらく、もっとイケてない、つまらないイメージを持たれたのではないでしょうか?それこそ「クリエイティブの対極にある仕事なんて全然ダメなはずで、撲滅してすべてクリエイティブにすべき」といったようなイメージを。でもそれは誤解です

1.3. 「イミテイティブ(模倣的)」な仕事ってなんだろう?

じゃあ「イミテイティブ(模倣的)」な仕事ってどんなものでしょうか?「模倣的」ですから、何かを模倣するわけです。例えば、以下のようになります。

  1. 過去の事例に倣う。

  2. どうせ倣うなら、成功した事例がいい。

  3. 成功事例に倣って、計画を立てたり、設計したりする。組織的な底上げを目指して、手順化したり、ルール化したり、規約を作ったりする。

  4. それでも残るリスクはなるべく回避するなど適切にコントロールする。

こんな感じです。どうですか?全然ダメな仕事じゃないでしょう?むしろ「普通の仕事やん」と思われる方もいらっしゃるんじゃないかと思います。もちろんクリエイティブな仕事の価値は高いですが、イミテイティブだって大切であることがわかると思います。企業や組織にとっては確実に必要な仕事です。

2. 「クリエイティブ」と「イミテイティブ」

さて、ここで「クリエイティブ」な仕事と「イミテイティブ」な仕事を対比してみましょう。整理すると下図のようになります。

「クリエイティブ」と「イミテイティブ」

2.1. 「クリエイティブ」な仕事

「クリエイティブ」な仕事は、新しい価値を生み出す仕事です。未来志向ですし、正解のない中、「いい/悪い」「面白い/つまらない」といった美意識で判断していきます。新しい価値を目指しているわけですから、試行錯誤を繰り返しながらイノベーションを生み出すタイプの仕事です。また、将来の価値創出や利益のためにリスクもとっていきます。日々変化する社会・経済情勢に適応し、企業として生き残っていくためには新しい価値創出は必要不可欠であり、「クリエイティブ」な仕事は将来のために絶対的に必要と言えます。

2.2. 「イミテイティブ」な仕事

対して「イミテイティブ」な仕事は、計画した成果を上げることを目指します。過去の成功事例・成功体験を再現し、確実に成果を上げていきます。その意味では保守的とも言えるでしょう。リスクも可能な限り避け、コントロールすることを目指します。すべて計画・設計して、ルール化・規約化・手順化して組織全体に適用していきます。毎年の企業の業績を底支えしているのは、まさに「イミテイティブ」な仕事です。

2.3. これらの違いは職業の種類ではなく、仕事の単位で存在する

デザイナーの仕事は全部「クリエイティブ」、エンジニアの仕事は全部「イミテイティブ」というわけではありません。それぞれの職業の中にも、「クリエイティブ」な仕事と「イミテイティブ」な仕事は存在します。ひとつひとつの仕事ごとに存在します。例えば、デザイナーがCI(コーポレートアイデンティティ)に従ってデザインをするのは「イミテイティブ」です。対して、エンジニアが新しい技術を使った提案を考えるのは「クリエイティブ」です。

3. 「クリエイティブ」と「イミテイティブ」の両方を意識して動こう

『両利きの経営』(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン)ではないですが、企業・組織には両方必要です。
(かなり近いところはあります。クリエイティブは「探索」的であるし、イミテイティブは「深化」的です。)

これらをバランスよく実行していくことが大切だと思います。何もひとりで両方を達成しようとしなくても大丈夫です。企業あるいは組織の単位でこれらのバランスを取ることを目指したいところです。比重はケースバイケースです。その時の企業・組織の状態や、周辺環境の状態によって最適なバランスは変わってきます。一つ言えるのは、どちらか片方がゼロではだめだということです。「イミテイティブ」がなければ現状の経営すら危うくなりますし、「クリエイティブ」がなければ未来が危うくなります。

特にいわゆるJTCでは、過去の成功体験に基づく「イミテイティブ」な仕事ぶりがまだまだ多く存在します。しかし変わりゆく社会・経済情勢に対応し、生き残っていくためには「クリエイティブ」は必要です。この点は、企業や組織を率いる立場の人はもちろん、現場で奮闘されている方も是非意識していただけるとよいと思います。現時点で足りないと感じる場合は、少しずつでも「クリエイティブ」を増やして未来を作っていきましょう!

いいなと思ったら応援しよう!