涼を求めて鍾乳洞へ。気づけば登山八合目 #夏の1コマ③
はぁ〜暑い。
とにかく暑い。
こんな日は、涼しいところへ行きたい。
そう思って、数年ぶりに友人と鍾乳洞へ向かった。

入口をくぐった瞬間。
外の暑さが嘘みたいに、ひんやりした空気に包まれた。
「涼しい〜!」
これはいい。
夏のお出かけ先として大正解!
……最初のうちは、そう思っていた。
少し進むと、階段。
ぬるぬると濡れた岩場。
足元は滑りやすく、天井が低いところでは頭にも気をつけなければならない。
通路は狭く、だんだん上り坂になっていく。
「滑らないように」
「頭、気をつけて」
「手すり持って」
後ろから友人の声が飛んでくる。
(……はいはい)
ひんやりしていたはずなのに、いつの間にか汗が出てきた。

途中、「近道」と書かれた抜け道を見つけた。
「どうする?」
一瞬、心が揺れる。
(いやいや。せっかくお金払って入ったんだし、さすがにここで近道は早すぎる)
私たちは正規ルートを選んだ。
この判断を、あとで少し後悔することになる。
歩いても歩いても、出口は見えない。
それに、なんかちょっと息苦しい。
途中で水筒の水を飲みながら休憩する。
持ってきてよかった。
なかったら、かなりしんどかったと思う。
そして、ようやく出口。
外へ出た瞬間、太陽が容赦なく照りつけた。
当然、暑い。
なのに不思議と嫌じゃない。
青い空。
緑の山。
岩肌を流れ落ちる滝。
暗く狭い洞窟の中を一時間近く歩いたあとだからか、暑いはずの外の空気まで心地よかった。
「はぁ〜……やっぱり洞窟って酸素薄いんかな。途中、動悸がして息苦しかったな」
すると友人が、きょとん。
「え? 全然そんなことなかったけど」
少し考えてから、
「あ! あんた、閉所恐怖症じゃなかったっけ?」
あ……そうだった。
足はガクガク。
汗はダラダラ。
「それにしても、登山ばりにしんどかったな……」
「え? 登山みたいなもんやろ。途中、八合目って書いてあったやん」
…………😇🪽チーン!
私、涼みに来たんじゃなかったっけ。
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