サボり筋を覚醒させたら人生変わった
「サボり筋」と呼ばれる筋肉はいくつかあるが、その代表格が前鋸筋だ。
肩甲骨を肋骨に沿って安定させるこの筋肉は、目立たないわりに仕事量が多い。前鋸筋を使えるかどうかで、運動の質は驚くほど変わる。運動パフォーマンスは、才能よりもまずこの筋肉に左右される、と言ってもいい。
肩甲骨を動かすには、前鋸筋がきちんと働いていなければならない。ここが眠ったままだと、肩甲骨は定まらず、身体は開き、軸はブレる。野球やゴルフの現場でよく耳にする「悪い身体動作」は、たいていこの不安定さから始まっている。
これまで前鋸筋は、筋トレ——とくにベンチプレスやラットプルダウン——の中で、知らず知らずのうちに鍛えられてきた。さらに立甲の練習を重ねることで、前鋸筋が「働く」感覚が、ようやく身体に宿りはじめた。
すると不思議なことに、これまでどうしても出来なかった動きが、ひとつ、またひとつと出来るようになっていく。力を入れているわけでも、無理をしているわけでもない。ただ、身体が正しい場所で支え合っているだけだ。
人生が変わった、と思った。
そしてふと、小学生のあの頃——何も考えずに、バットを振り回していた時間——に戻りたくなった。「もし前鋸筋をもっとうまく働かせることができたら」・・・白球を追いかけていた僕の青春時代は、もっと輝かしいものだったに違いない。
