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あかぎれ哀歌(エレジー)〜アラフォー女の指の痛み〜

涼しい季節になった。結構である。

寝苦しい夜とも汗だくの通勤ともおさらば。

——が、アラフォー女にとっては辛い季節でもある。

早速、指が割れた。“あかぎれ”である。

四十を越えて、肌の油分というやつが減った。

洗い物をすればピキリ、洗濯をすればヒリリ。

仕事で紙をめくれば、また一撃。

紙と指の間に人生の悲鳴が走る。


風呂上がりにハンドクリームを塗り、薬を重ねて絆創膏を巻く。

——若い肌が懐かしい。

かつては何の手入れもせずに冬を越せた。

洗剤を素手で触ろうが、熱い鍋を持とうが平気だった。あの頃の手は思うに“ゴッドハンド”と呼びたいくらい無敵だった。


おばあちゃんの手を思い出す。

皺だらけの指に白いテープがいくつも巻かれていた。

けれども、おばあちゃんは決して「痛い」だの「辛い」だのとは言わなかった。

ただ黙って、味噌汁をかき混ぜ、洗濯物を干し、畑を耕していた。

暮らしを営むということは、こういうものなのだろう。


言葉にならぬ苦労を、当たり前のように抱えて生きること。


誰も知らぬところで、ひび割れを抱えながらも、今日のご飯を支えること。


私の手も、とうとうその域に達したのかもしれない。

痛い。けれど結構である。

なぜなら、この痛みのひとつひとつが、生活の証であり、誰かを生かす温もりの名残だからだ。

と言いつつ、
毎年ドラッグストアで“これは”という薬を物色している。 劇的に効くひび割れの薬を、今年こそ見つけるのだ。

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