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kamei_kana1223
古き慣習“嫁入り道具”〜ほんとは憧れてたの〜
わたし、手ぶらでしたが。
■昔は“嫁入り道具”を運ぶトラックを結構見かけたものだが…。
いくつものタンスや布団を荷台に乗せ、紅白のリボンをひらめかせていた。
おばあちゃんが言っていた。
「決して後戻りしないように、前から来た車にはご祝儀を渡して、道を空けてもらうの。」
家族が懐にいくつもの封筒をしのばせて同乗するのだという。
「へー。私の時は、誰に頼もうかなー」
無邪気にそんな会話をした。
■時を経ていざ結婚した時、嫁入り道具はナシである。
今どきの家はクローゼットほか収納がたくさんあるので、タンスや靴箱は不要。
三面鏡仕様の洗面台があるから、鏡台も不要。
旦那はスーツを着る仕事ではないから、アイロンも不要。
更に旦那の独身寮からその他生活用品は全て流用したため、私が持ち込んだのは衣装ケースを数個のみである。
嫁入り道具を運ぶトラック、及びご祝儀係の手配は全くもって不要であった。
■なんだか、結婚てカンタンね。
子供の頃見ていた“結婚”というもの。
新郎新婦、双方の家をあげての一大事業に見えたものだが…。
…結婚に反対する父親…いない。
…嫁入り修行を強要する義母…いない。
…何段ものウェディングケーキ…ない。
…家具屋さんに注文する嫁入り道具一式…ない…!
■なくても困らないのが、また凄い。
母親世代と娘世代で、こうも変わるものなのか。
実家には母の嫁入り道具達が現役である。
下段を閉めたら上段が出るタンス。
扉が分厚くて重い靴箱。
背後に貞子が映りこみそうな鏡台。
今更それらが欲しいのではなくて、
もっと“特別感”があったら良かったなって。
夫「荷物、これで全部?」
私「いや、携帯の充電器忘れた。貸して」
取りに戻らなかった。
験担ぎに後退しなかったのではない。
面倒くさかったからである。
