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デニムを持っていない

「とりあえず、デニム」がない

自分のクローゼットを整理していて気づいた。そういやデニムがない。気づいたら1本もなかった。別にデニムを蛇蝎のごとく嫌っているわけでもない。去年も501のcurvyという、ウェストの割にお尻が大きい女性向けのストレートをわざわざアメリカから輸入した。クセの強い服が多いからニュートラルなものを入れようと思って。でも結局履かなかったし着心地と居心地が悪いから手放した。

デニムっていつ履くんだ?いや、いつ履いてもいいのはわかってる。どこにでも履けるしどこにでも行ける。スーツほど緊張せず、部屋着ほど無防備でもなく、匿名性がある。普通の生活の普通の制服の代表。普通になりたいわけじゃないからかも。

私が好きな服はくどい。肩が大きかったり、光沢やプリーツにまみれていたり、ゆとりある布が動くたびに揺れたりして、体を隠しながら空間との境界を強調するものが多い。

「無印良品で無力化される王九」

という狭い界隈でのネットミームがある。これは映画「トワイライトウォリアーズ決戦九龍城砦」に出てくる、ロン毛パーマにヒゲ、ティアドロップサングラスをかけてド派手な服を着た悪役の王九というキャラクターに無印良品を着せたら、「こんな地味な服じゃ元気が出ない、しょぼぼ」と弱体化しそうだというイラストを発端とする。ぜひ映画を見てください。

私も多分同じで、もうびっくりする位無印良品が似合わない。たまにこういうシンプルでスッキリしたものを着て、ジブリに出てくるような爽やかな人間になる人生も試したいもんだなとも思うけど、本当に全部入院中のパジャマになる。あんなにシンプルなものが人間を選ぶなんてことがあるんだなと感心するくらい似合わない。

普通の格好をしていると変な目に遭うことが多かった。社会人になってすぐ、実家に泊まって着替えがなかったから姉のフィットアンドフレアの上品な膝丈ワンピースを借りたら、土曜日の昼間の住宅街で自転車で後ろから来た男にお尻を触られて逃げられた。ギャルギャルしいミニスカートや派手な格好してた時は何時に歩こうが一度も遭わなかったのに。同じようなことが他にもたくさん。
普通の格好でぼんやりしていると変な人に絡まれるし、ナメられるし、急に距離を詰められる。しねどす〜

「真のおしゃれさんていうのは白ティーとデニムが似合う人だよん」との古来からの言い伝えがありますけど、私がそれにトライするとしてもdieselのデニムでも良いですか??ってなっちゃうな。

白ティーとデニムが似合う人っていうのは、痩せてるにしろ肉がついてるにしろまず体型がバランスよくなきゃいけないし、地面を踏み締めて歩いてて、生活がしっかりとその人の気配に張り付いてて、なおかつ洒脱な人だってことだと思う。生活感や人格やらの地続きの魅力だけが剥き出しになる。服は守ってくれない。そりゃ〜ちょっとハードルが高いですよ。かなり健やかに社会と接続されてらっしゃる。強者でらっしゃる。似合う方はより一層自信を持たれてください。

それよりはもりもり盛って湯婆婆を目指す方が魂が楽!簡単だ!自分、湯婆婆になります!ここで働かせてください!名前を奪われてもいいから、服だけ派手にさせてくださいね!

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