【社会福祉士試験入門講義:全15回】第10回:社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)の基盤と理論
第10回:社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)の基盤と理論
1. はじめに:なぜソーシャルワークの基盤と理論を学ぶのか
本講義「社会福祉士試験入門講義」は、今回から第3部「ソーシャルワークの理論と実践技術」へと突入します。
これまでの第1部および第2部では、生活保護、介護保険、障害者支援、児童福祉、精神保健医療といった様々な「制度や法律(主に共通科目)」を体系的に学んできました。しかし、どれほど精緻な法制度が整っていても、それを目の前の「困りごとを抱えた人(クライエント)」にどのように適用し、どう寄り添って解決へ導くかという技術がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
今回から学ぶ第3部は、まさに社会福祉士のアイデンティティそのものであり、国家試験における「専門科目」の核心部分です。第10回では、その土台として、ソーシャルワークが世界的にどう定義されているのか、そしてアメリカや日本において歴史的にいかにして「科学的・専門的な対人援助技術」として体系化されてきたのかという「基盤と主要理論」を学びます。
国家試験では、世界的なソーシャルワークの定義文の穴埋め問題や、リッチモンドに始まる歴史的な人物名と理論の紐付け、さらには「心理社会的一プローチ」や「エンパワメント・モデル」といった各アプローチの特徴が頻繁に出題されます。ここを曖昧にしたまま暗記に頼ると、試験特有の「事例問題」で確実に迷うことになります。
単なる用語の丸暗記を排し、「なぜその時代にその理論が必要とされたのか」「社会福祉士として目の前のクライエントの可能性をどう引き出すのか」という構造的・批判的な分析力を養っていきましょう。本稿を通じて、確固たる基礎力を築き上げます。
ここから先は
10,707字
本学の維持と発展のために、ご支援いただけますと幸いです。宜しくお願い致します。
