【社会福祉士試験入門講義:全15回】第14回:福祉サービス組織の経営と管理
第14回:福祉サービス組織の経営と管理
1. はじめに:なぜ社会福祉士に「経営・管理」が必要なのか
本講義「社会福祉士試験入門講義」は、第3部「ソーシャルワークの理論と実践技術」の最終局面に至りました。前回の第13回では、対人援助の核となる「福祉専門職の倫理と意思決定」を学び、現場での価値対立に立ち向かう羅針盤を手に入れました。
今回扱う第14回「福祉サービス組織の経営と管理」は、これまでのミクロ・メゾ・マクロの実践を支える「基盤(インフラ)」を学ぶ回です。
多くの社会福祉士は、独立して個人で活動するわけではありません。行政機関、社会福祉法人、医療法人、NPO法人、あるいは民間企業といった「福祉サービス組織」に所属し、組織の一員としてクライエントに接します。どれほど優れた援助技術や高い倫理観を持っていても、それを受け止める組織の経営が破綻したり、管理体制が機能していなかったりすれば、継続的で質の高い福祉サービスを提供することは不可能です。
また、福祉専門職は、クライエントの深刻な課題に寄り添うあまり、過度な心理的負担を抱えやすい傾向があります。適切な管理がなされていない組織では、職員の「バーンアウト(燃え尽き症候群)」が多発し、離職率の上昇とサービスの質の低下という悪循環に陥ります。
国家試験において、この分野は「福祉サービス組織の経営や管理の理論」「組織の構造とガバナンス」「福祉専門職の指導・育成(スーパービジョン)」といった形で、多角的に出題されます。本講義では、単なる経営学の用語解説に留まらず、「福祉組織においてなぜその理論が必要なのか」という本質に踏み込んで解説します。
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