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【社会福祉士試験入門講義:全15回】第13回:福祉専門職の倫理と意思決定

第13回:福祉専門職の倫理と意思決定


1. はじめに:対人援助における「倫理」の重み

本講義「社会福祉士試験入門講義」は、第3部「ソーシャルワークの理論と実践技術」の3回目を迎えました。これまでに第11回で個人の支援プロセス(ミクロ)、第12回で地域社会の組織化(マクロ)について、それぞれの具体的な手法や歴史的制度を学んできました。

今回扱う第13回「福祉専門職の倫理と意思決定」は、これらの実践を現場で展開する社会福祉士が必ず直面する「価値の対立」や「倫理的ジレンマ」を解き明かす、極めて重要な講義です。

社会福祉士が向き合うのは、マニュアル通りに処理できる機械ではなく、独自の価値観や人生観を持った「人間」であり、それを取り巻く家族や社会環境です。現場では、以下のような「正解が一つではない、鋭い問い」が日常的に発生します。

  • 認知症のある高齢のクライエントが「このまま一人で自宅で暮らしたい」と強く希望している(自己決定の尊重)が、認知機能の低下により火の不始末や転倒の危険が極めて高く、同居していない家族は「本人の安全のために、今すぐ施設に入所させてほしい」と強く求めている(安全の確保、家族の意向)。

  • 生活保護を受給しながら一人で暮らすクライエントが、実は法律で認められていない形での事実上の副収入を得ていることを面接の中で打ち明けてくれた(秘密保持の徹底)。しかし、社会福祉士には不正受給を防止・報告すべき公的な立場や法遵守の側面もある(法的義務、誠実性の原則)。

このような局面で、ワーカーが自らの主観的な感情や、その場の雰囲気だけで判断を下してしまうと、クライエントの権利を侵害したり、専門職としての信頼を失墜させたりすることになりかねません。だからこそ、私たちには、どのような状況下でもブレずに進むべき方向を指し示してくれる羅針盤――「倫理綱領」や「行動規範」が必要なのです。

国家試験においても、この専門職の倫理やジレンマへの対応は、共通科目・専門科目の枠を超えて「事例問題」の形で頻出します。単なる用語の丸暗記では太刀打ちできない、人間の尊厳に関わる本質的な理論と分析的思考法を圧倒的なボリュームで徹底的に解説します。

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