【社会福祉士試験入門講義:全15回】第5回:低所得者対策と生活保護制度
第5回:低所得者対策と生活保護制度
1. はじめに:なぜ社会福祉士に「貧困・低所得者対策」の理解が必要なのか
本講義「社会福祉士試験入門講義」は、今回から第2部「分野別福祉制度の理解」へと進みます。その最初のテーマとして扱うのが、「低所得者対策と生活保護制度」です。
社会福祉士という専門職の歴史的ルーツをたどると、その中心には常に「貧困との戦い」がありました。現代社会における貧困は、単に「食べるものがない」という目に見える飢餓にとどまりません。住居の喪失、家族関係の破綻、精神的・身体的な疾患、そして社会からの孤立が複雑に絡み合う「複合的な生活困窮」として現れます。
国家試験において、「低所得者に対する支援と生活保護制度」は、共通科目・専門科目の双方で極めて重視される最重要科目の一つです。生活保護法の条文や基本原理、具体的な扶助の種類、さらには生活保護に至る手前で機能する「生活困窮者自立支援法」の仕組みは、事例問題のベースとして毎年のように出題されます。
本講義では、単に制度のルールを暗記するのではなく、「なぜ現代社会にこのセーフティネットが必要なのか」、そして「社会福祉士として、目の前の困窮したクライエントの権利をどう守り、自立へと伴走するのか」という実践的かつ構造的な視点から、この広大な制度を読み解いていきます。
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