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48+2

好きなアルバムを並べてPCの待ち受けにしている。ぼんやり眺めているうちに、自分の好きな音楽について言語化してみたくなった。

今はこんな感じ。「私を構成する〜」という大層なものというよりは、その時々の個人的なお気に入りの詰め合わせみたいなもの。なので突然中身が入れ替わったりする。とはいえ、最近一定の方向性が定まってきた気がするので、記録も兼ねて1枚ずつ触れていこうと思う。
まずは10枚。
48枚だとキリ悪いし最後に2枚足すつもりです。続けばだけど。続けたいです。

今はこんな感じ

1. Oasis - Definitely Maybe

言わずと知れたイギリスを代表するバンドの1stアルバム。静寂を破るのは、夜明けを告げるかのようなギターの音と、ふてぶてしいロックスター誕生宣言。代表曲 "Live Forever"では、苦悩を言葉にしながらも、生きたいと叫ぶ。アルバム後半では、ラザニアを通して不器用に愛を語ったりもする(Blurへの当てつけという説もあるけど)。無骨で大胆で、でも繊細なマンチェスターの若者たちが世界に飛び出す、その初期衝動がここにある。
Oasisはステージ衣装を着ない。普段着のまま、大観衆の前に立つ。
彼らはずっとありのままだ。

2. Arctic Monkeys - Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

14歳のクリスマスにギターを手にした少年は、たった5年後に全英1位に輝いた。再生した瞬間、タイトなリフとエネルギッシュなサウンドで一気に引き込まれたのを鮮明に覚えている。ギター、ベース、ドラムのビタビタなユニゾンが刺激的で、とにかく気持ちいい。M4 "Dancing Shoes"なんて完全に踊らせにかかっている。
一方で、歌詞を見てみると、主人公は全然ダンスに集中できていないのも面白い。パーティーで「アイツ」にいいところを持っていかれそうになり、強がったりそわそわしたり。そんなことを歌うAlexの声はどこか気怠げだ。
うねるようなガレージロックの上で、等身大の内面を歌う。初聴時のインパクト、詞を知った時のギャップ、何回聴いても全く違う楽しみ方ができるアルバム。

3. Kendrick Lamer - good kid, m.A.A.d city

「もしPirusとCripsが手を組んだら、この曲が終わった瞬間俺は殺されるだろう」
名実ともに21世紀を代表するラッパー、Kendrick Lamarの2作目のスタジオアルバム。Kendrickはこのアルバムに、彼自身の怒り、銃、薬物、幻覚、恐怖に満ちた青春時代の一部を切り分けた。"good kid"だったKendrickが、"mad city" コンプトンで過ごした日常と、そこで自身が犯した過ち。もう戻れない過去の後悔について、K.Dotという人物(もとい当時の渾名)に仮託しながら、Kendrickの口からありありと語られている。個人的おすすめはM1、M4、M8。個性豊かなトラックもさることながら、どの曲もリリック必読だ。
"m.A.A.d" = "my Angry Adolescence divided" / "my Angels on Angel dust"

4. 銀杏BOYZ - 君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命

今や峯田和伸のソロプロジェクトと化した銀杏BOYZ。その1stアルバムとして、2005年に『Door』と2枚同時にリリースされたのがこのアルバムだ。正直なところ、好きな曲はこっちより『Door』ほうが多いかもしれない。それでもこのアルバムを選んでしまうのは、全編にもてあました青春の衝動が溢れ出しているから。
『SKOOL KILL』で思春期のどうしようもない情動を描きだし、『駆け抜けて性春』でほとばしる恋慕を歌い、『青春時代』でそんな青さと諸行無常を肯定する。生き急いでいるのかと思えるほどぎゅうぎゅうに詰め込まれた青春は、時に暴力的なサウンドと言葉を僕らに投げかけてくる。だからこそ、その中で美しい言葉がひときわ鮮明に残る。『BABY BABY』。いつまでも僕らのアンセム。

5. KOTORI - We Are The Future

彼らが得意としていたパンク/EMO路線から、さらにドリームポップ/シューゲイザーへと拡大していった3rdアルバム。影響元や音楽的なこだわりを感じさせつつ、邦ロック特有のとっつきやすさも持ち合わせているバランス感が絶妙。
アルバムの幕開けを告げる表題曲は、聴き手の心をどこか開放的な空間へと誘う、雄大なサウンドスケープを描き出す。変拍子でアクセントを加えつつクリーンなアルペジオを鳴らす『sora』は、EMOとポストロックの融合の醍醐味が詰まった曲だ。そして次の『Anywhere』、完全にシューゲでびっくりする。
一方で、『春一番』や『東京より愛を込めて』では、言葉をひとつずつ送り出すように、丁寧に友への感謝や静かな決意を歌う。進化の先でありながら原点も忘れない、KOTORIの一つの到達点。

6. For Tracy Hyde - Film Bleu

初めて再生したのは、7月の晴れ渡った日、地元の河原だった。まだそこまで暑くない日差しと水気を含んだ夏風の中で、ジャケ写のままの真っ青なサウンドと白昼夢のような浮遊感の虜になった記憶がある。思えば、自分がドリームポップやチルウェイブが好きだと気づいた瞬間だったかもしれない。
歌詞に綴られているのは、どこか確かにあったような、でも誰も経験していないような気もするほどに美しい「青」。「ラムネの瓶に閉じ込めたラピスラズリ」「冷めた色の摩天楼街」「夏のはじめは水のいたずら」。抒情的な言葉は、心のやわらかい部分になじみ、自分のものではないはずの「いつかの夏」への不思議なノスタルジアを覚えさせる。昨年惜しまれつつ解散した彼らが残した、初夏の残像。

7. The Libertines - Up the Bracket

CarlとPete、2人のフロントマンが織り成す掛け合いは、往年のガレージロックに新たな化学反応をもたらす。アルバムタイトル通り、「喉をぶん殴」りにきている彼らのサウンドは、今にも崩れてしまいそうな危ういバランスで走りつつ、確かなメロディーラインで聴き手の心を捉える。"Time for Heroes"のギターソロは言わずもがな、"Tell the King"の穏やかなアコースティックパートから"The Boy Looked at Johnny"の爆発は、街中で聴いていても思わず鼻歌でシンガロングしたくなる。
衝動とメロディという彼らの二面性は、詞世界で答え合わせができる気がする。彼らは、階級意識の中で燻る若者の自意識を歌いながら、その衝動をニヒルに眺めつつ、現状の自分たちを肯定する。後々すれ違いとドラッグで苦しむ彼らだが、その根本には何よりこの二面性があったのかもしれない。

8. Green Day - Dookie

1994年、3人の若者によって打ち立てられたポップパンクの金字塔。中学生の頃意味もわからず何度も聴いていた。その記憶も手伝ってか、やっぱりこのアルバムは僕にとってティーンエイジを象徴するものだ。15曲を38分で駆け抜ける速さといい、"Dookie"とかいうクソそのものなアルバムタイトルといい、全てが若い。
と思って舐めて聴いてると、結構芯を食った歌詞や曲間の構成に食らわされる。M3→M4→M5のシームレスな流れは1級品だし、"Basket Case"に至ってはGt./Vo.のBillieが自身の不安障害について歌った曲だし。
ポップなサウンド、ナイーブな歌詞でFake扱いされがちな彼らだが、誰にでも届く、つまり誰にでも知られてしまうポップネスの中に弱さを入れ込むことこそ、自分のヤワな部分と向き合うRealな姿勢なんじゃないかと思ったりする。

9. Weezer - Weezer (White Album)

カリフォルニアの海にインスピレーションを得たこのアルバムは、EMOとポップの融合が随所に光り、爽やかで聴きやすいタッチに仕上がっている。冒頭から、ブリッジミュートから拡大するM1、ハネたピアノが印象的なM2、ゴシックに展開するM3が耳を捉える。M8ではちらちらと顔出すファズギターが彼らのデビューシングルを想起させつつ、粗のないサウンドがバンドの成熟を物語る。ラストソングは、穏やかなアコギからフィードバックノイズを挟んでギターソロへ展開し、聴き手を轟音の彼方へ連れていく。全体として遊び心を持たせつつ、最後は彼ららしい王道で締める構成に安心感すら覚える。
波の音に始まり、波の音に帰結する本アルバム。その37分間に凝縮された起承転結は、多くの試みを経た彼らの原点回帰であり、新たな船出でもあるのだろう。

10. A Tribe Called Quest - The Low End Theory

針を落とした瞬間に流れ出すいぶし銀の低音は、Hip-Hopの新たなメインストリームの誕生を物語る。De La Soul, Jungle Brothersとともに"Native Tounges"を構成したATCQ。マッチョイズムに囚われないリリックが特徴的な彼らが、今度はジャズベーシストを招いて音楽ジャンルの融合に挑んだ。Q-TipとPhife Dawgの軽快な掛け合いに始まる代表曲"Check the Rhime"や、ジャズへのリスペクトと同志への共鳴を示す"Jazz (We've Got)"など、一度聴いたら忘れない名曲だらけ。ベーシストとの契約で攻撃的な語彙を排しているのも本作の特徴だ。
まあ、ここまで書いてきたことの大半は、「知っとくと最高」であって「知らないとダメ」ではない。MCの名前をちゃんと覚えてたらちょっと前の僕よりもすごいので、まずはとにかくリズムとグルーヴの渦に飛び込もう。


まだ続きます。
11枚目以降は次の記事で!

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