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技術士第二次試験 建設部門選択科目III 直前確認用・本命予想問題最近の国土交通省の動向とR7出題を踏まえた全選択科目整理

本稿は、最近の国土交通省の施策動向と、令和7年度技術士第二次試験の選択科目IIIの出題傾向を踏まえ、建設部門の各選択科目について、直前期に確認しておきたい本命予想問題を整理したものです。

ただし、本稿で示す問題は、出題を当てるためのものではありません。直前期に大切なのは、新しい論点を追いかけ続けることよりも、これまで学んできた知識を、試験答案として使える形に整理し直すことです。本稿の予想問題は、その確認のための「最終チェックリスト」として活用していただくことを意図しています。

選択科目IIIでは、個別技術の知識をそのまま説明するだけでは足りません。社会的背景を踏まえて課題を抽出し、専門技術者として実行可能な解決策を示し、さらに将来のリスクや波及効果まで考える力が問われます。

対象は、建設部門の選択科目です。

土質及び基礎。
鋼構造及びコンクリート。
都市及び地方計画。
河川、砂防及び海岸・海洋。
港湾及び空港。
電力土木。
道路。
鉄道。
トンネル。
施工計画、施工設備及び積算。
建設環境。

選択科目IIIでは、個別技術の知識をそのまま説明するだけでは足りません。社会的背景を踏まえて課題を抽出し、専門技術者として実行可能な解決策を示し、さらに将来のリスクや波及効果まで考える力が問われます。

近年の国土交通省の動向を見ると、次のような横断テーマが非常に重要になっています。

老朽化インフラの維持管理。
担い手不足に対応する省人化・自動化。
DX、AI、データ活用による生産性向上。
激甚化する災害への防災・減災。
脱炭素、自然共生、グリーンインフラ。
地域交通、都市構造、生活サービスの維持。
公共工事の品質確保と建設業の持続可能性。

ただし、予想問題を考えるうえで注意すべきことがあります。

それは、R7で出題されたテーマをそのまま繰り返すのではなく、その周辺・発展領域を確認するということです。

たとえば、R7の都市及び地方計画の選択科目IIIでは、立地適正化計画を活用した地方都市のまちづくり、住宅団地の再生が出題されています。したがって、次に確認すべきなのは、立地適正化計画そのものを丸暗記することではなく、地域交通、交通空白、都市空間再編、グリーンインフラ、官民連携などへ展開して考えられるかです。

同様に、土質及び基礎では地盤構造物のDXや液状化被害軽減、鋼構造及びコンクリートでは大規模補修・補強やi-Construction2.0、道路では脱炭素化やxROAD、施工計画では地域インフラ群再生戦略マネジメントや労務費確保などがR7の選択科目IIIで問われています。これらは、最近の政策動向とかなり近い内容です。

したがって、直前期には、次の問いを自分に投げかけることが大切です。

同じテーマが別の専門分野で問われたらどう書くか。
R7で出たテーマが、防災、維持管理、DX、脱炭素と結び付いたらどう書くか。
自分の選択科目の専門技術に置き換えると、課題と解決策は何か。

以下、各選択科目について、選択科目III向けの予想問題を2問ずつ示します。


1. 土質及び基礎

R7の選択科目IIIでは、地盤構造物におけるDXによる生産性向上、既設構造物の液状化被害軽減が問われました。したがって、直前期には、DXや液状化をそのまま繰り返すよりも、地盤情報、地下水、都市部地下空間、老朽化インフラ、地盤リスクマネジメントに展開して整理しておくことが有効です。

予想問題1

地震、豪雨、地下水変動、都市開発等に伴う地盤リスクが高まる中、社会資本整備において地盤情報を有効に活用するための課題を挙げ、調査、設計、施工、維持管理の各段階における方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、単に「地盤調査を充実させる」と書くだけでは弱くなります。

重要なのは、地盤情報を一度きりの設計条件として扱うのではなく、事業全体を通じて活用する情報資産として位置づけることです。

課題としては、既往ボーリングデータの散在、地下水情報の不足、地盤リスクの見える化不足、施工時情報の設計への反映不足、維持管理段階への情報継承不足などが挙げられます。

対策としては、地盤情報データベースの活用、三次元地盤モデルの構築、地下水位の継続観測、施工時の沈下・変位計測、観測施工、維持管理段階でのモニタリングなどが考えられます。

答案では、液状化、地盤沈下、盛土崩壊、斜面不安定、地下水低下、近接施工による周辺影響など、自分の得意な具体例を一つ入れると説得力が増します。

予想問題2

都市部における地下空間利用、老朽化した地下埋設インフラ、地下水利用等を踏まえ、地盤・地下水に起因する事故や周辺影響を防止するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題は、道路陥没、下水道管路の老朽化、地下水低下、地盤沈下、地下構造物の浮き上がり、近接施工などを結び付けて考える問題です。

課題としては、地下埋設物の位置情報が不十分であること、老朽管路周辺の空洞化を把握しにくいこと、地下水流動への影響評価が難しいこと、複数管理者の情報共有が不足していることなどが挙げられます。

対策としては、地下埋設物台帳の高度化、地中レーダー等による空洞調査、地下水位観測、施工時の変位・沈下計測、近接構造物への影響評価、管理者間の情報共有、異常発見時の緊急対応体制の整備が有効です。

地下水を単に「排水すべきもの」とせず、地盤安定、周辺井戸、地盤沈下、構造物浮き上がり、環境保全に関わる重要な管理対象として扱うことが大切です。


2. 鋼構造及びコンクリート

R7の選択科目IIIでは、大規模な補修・補強工事の社会的影響、建設現場のオートメーション化が問われました。したがって、直前期には、老朽化構造物の長寿命化、補修補強、点検診断DX、脱炭素材料、供用下施工を一体的に確認しておくことが重要です。

予想問題1

高度経済成長期に整備された鋼構造物及びコンクリート構造物の老朽化が進む中、限られた人員と財源で構造物の安全性と機能を確保するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

課題としては、対象構造物数の増大、点検技術者の不足、劣化進行のばらつき、補修・更新費用の増大、点検結果と補修計画の連携不足などが挙げられます。

対策としては、定期点検の確実な実施、損傷度に応じた優先順位付け、予防保全型維持管理への転換、非破壊検査や画像診断技術の活用、モニタリングによる劣化予測、LCCを考慮した補修・更新計画などが考えられます。

鋼構造では、腐食、疲労亀裂、塗膜劣化、支承部の損傷。

コンクリートでは、塩害、中性化、凍害、ASR、床版疲労、ひび割れなど。

答案では、劣化現象を列挙するだけでなく、点検、診断、措置、記録、次回点検への反映という維持管理サイクルを明確に示すことが重要です。

予想問題2

社会資本整備における脱炭素化を進めるため、鋼構造物及びコンクリート構造物の計画、設計、施工、維持管理において講ずべき方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、材料の低炭素化だけでなく、構造物の長寿命化そのものが脱炭素に寄与するという視点が重要です。

対策としては、低炭素型セメント、混和材の活用、再生骨材、電炉鋼材、長寿命化設計、プレキャスト化による施工効率向上、補修による延命、更新時期の最適化などが考えられます。

LCCO₂の考え方を入れると答案が現代的になります。建設時のCO₂だけでなく、維持管理、補修、更新、撤去まで含めて評価する視点です。

注意点は、脱炭素材料を使えばよいという単純な答案にしないことです。品質、耐久性、施工性、供給安定性、コスト、規格適合性を確認しながら導入する必要があります。


3. 都市及び地方計画

R7の選択科目IIIでは、人口減少傾向にある地方都市において、立地適正化計画を活用して持続可能で安全・安心して暮らせる都市を目指す問題が出題されました。また、もう一問では、高度経済成長期以降に開発された住宅団地の再生が問われています。

したがって、直前対策としては、立地適正化計画や住宅団地再生そのものを繰り返すよりも、その周辺にある地域交通、交通空白、駅周辺再編、都市空間の更新、グリーンインフラ、官民連携、デジタル技術の活用を確認しておくことが有効です。

予想問題1

人口減少・高齢化が進む地方都市において、地域公共交通の縮小や交通空白の発生が課題となっている。持続可能な都市構造を形成するため、都市機能、居住誘導、地域交通を一体的に再構築する際の課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題は、R7で出題された立地適正化計画の延長線上にあります。ただし、焦点は計画制度そのものではなく、都市構造と地域交通をどう結び直すかにあります。

課題としては、公共交通利用者の減少、バス路線の縮小、高齢者の移動困難、中心市街地の空洞化、生活サービス施設の分散、交通空白地域の拡大などが挙げられます。

解決策としては、都市機能誘導区域や居住誘導区域への緩やかな誘導、公共交通軸の維持、交通結節点の強化、デマンド交通や自動運転サービスの導入、徒歩・自転車空間の改善、医療・福祉・商業施設との連携などが考えられます。

コンパクト化を「都市を縮めること」として書かないことが重要です。人口減少下でも生活サービスを維持するために、都市機能、居住、交通を再配置し、住民が暮らし続けられる都市構造をつくることが本質です。

予想問題2

老朽化した市街地や住宅団地、駅周辺空間等を再生し、都市の防災性、環境性能、地域価値を高めるための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

R7では住宅団地の再生が出題されています。そのため、この予想問題では、住宅団地単体に絞らず、既成市街地、駅周辺、公共空間、空き地・空き家、緑地、公園まで広げて確認する位置づけにします。

課題としては、建物やインフラの老朽化、空き家・空き地の増加、高齢化、防災性の不足、歩行空間の不足、緑地の減少、地域コミュニティの弱体化、民間投資の不足などが挙げられます。

解決策としては、地区計画や立地適正化計画との連携、公共空間の再編、駅前広場や道路空間の再構築、空き地・空き家の活用、グリーンインフラの導入、公園・緑地の再編、官民連携による施設更新、住民参加による合意形成などが考えられます。

都市の再生は、建物を新しくするだけではありません。防災、環境、移動、交流、景観、健康、地域経済を同時に改善する取組として整理するとよいです。


4. 河川、砂防及び海岸・海洋

河川、砂防及び海岸・海洋では、気候変動に伴う豪雨の激甚化、流域治水、土砂災害、海岸保全、災害後の迅速な状況把握が重要です。R7では、災害対応やUAV活用など、現場での迅速な判断と関係者調整につながる出題も見られました。

選択科目IIIでは、単に河川改修や砂防施設の知識を書くのではなく、流域全体、関係者連携、ハード・ソフト一体の対策として整理することが重要です。

予想問題1

気候変動に伴う豪雨の激甚化・頻発化を踏まえ、流域全体で水害リスクを低減するための課題を挙げ、流域治水の観点から方策を述べよ。

解答作成のヒント

流域治水は、河川管理者だけで完結する対策ではありません。

課題としては、外力の増大、河川整備だけでは対応しきれないこと、流域内の土地利用変化、内水氾濫、避難の遅れ、関係者の役割分担不足などが挙げられます。

対策としては、河道掘削、堤防強化、遊水地、ダム再生、雨水貯留浸透施設、田んぼダム、土地利用規制、ハザードマップ、避難情報、タイムライン、企業BCPとの連携などが考えられます。

答案では、河川区域内の対策、流域内の対策、被害対象を減らす対策を分けると整理しやすくなります。

予想問題2

大規模災害発生後に、河川、砂防、海岸施設の被災状況を迅速に把握し、二次災害を防止するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、UAVや衛星画像などの調査技術だけで終わらせないことが大切です。

課題としては、被災範囲が広いこと、立入困難箇所が多いこと、情報が錯綜すること、緊急度の判断が難しいこと、関係機関との情報共有が遅れることなどが挙げられます。

対策としては、UAV、衛星画像、航空写真、CCTV、水位計、砂防関係センサー、現地踏査を組み合わせた状況把握、危険箇所の優先順位付け、応急復旧計画、住民避難支援、TEC-FORCE等との連携が考えられます。

答案では、把握した情報をどう判断し、どう応急対応につなげるかまで書くことが重要です。


5. 港湾及び空港

R7の選択科目IIIでは、港湾・空港工事における安全対策、ブルーインフラが出題されました。

したがって、直前期には、安全対策そのものを繰り返すよりも、港湾・空港の機能継続、災害対応、脱炭素、DX、物流・人流ネットワークの維持へ広げて整理しておくとよいです。

予想問題1

港湾・空港施設において、自然災害の激甚化、施設老朽化、物流・航空ネットワークの重要性を踏まえ、機能継続を確保するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

港湾・空港は、災害時にも物流、人流、救援活動を支える重要インフラです。

課題としては、地震、津波、高潮、台風、豪雨による被災、施設老朽化、代替機能の不足、燃料・電源・通信の途絶、関係者の多さ、復旧優先順位の判断などが挙げられます。

対策としては、耐震強化岸壁、護岸・防波堤・滑走路・誘導路・排水施設の強靱化、港湾BCP・空港BCP、広域連携、代替輸送、電源・燃料の冗長化、応急復旧資機材の確保などが考えられます。

答案では、施設単体の耐力だけでなく、機能継続の観点で書くことが重要です。

予想問題2

港湾・空港分野において、脱炭素化とDXを推進するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

港湾では、カーボンニュートラルポート、サイバーポート、港湾物流の効率化、ブルーインフラが使えます。

空港では、空港脱炭素、GSE電動化、施設省エネ、空港DX、旅客・貨物動線の高度化が使えます。

課題としては、関係者が多くデータ連携が難しいこと、既存施設との整合、投資負担、運用中施設での施工制約、サイバーセキュリティ、脱炭素技術の費用対効果などが挙げられます。

対策としては、港湾物流データの連携、施設管理のデジタル化、再エネ導入、荷役機械・空港車両の低炭素化、ブルーカーボン活用、LCCO₂評価、段階的実装などが考えられます。


6. 電力土木

電力土木では、脱炭素、再生可能エネルギー、電力安定供給、既設施設の老朽化、自然災害対応が重要です。

近年のカーボンニュートラルの流れを踏まえると、単なる発電施設の設計ではなく、エネルギー供給を支える重要インフラとしての維持管理・強靱化が問われやすいと考えます。

予想問題1

再生可能エネルギーの導入拡大、電力施設の老朽化、自然災害の激甚化を踏まえ、電力土木施設の安全性と安定供給を確保するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

対象としては、水力発電施設、ダム、導水路、取水・放水設備、基礎構造物、送電鉄塔基礎、造成地盤などを考えるとよいです。

課題としては、既設施設の老朽化、豪雨・地震による被災リスク、斜面崩壊、土砂流入、設備停止時の社会的影響、点検技術者の不足などが挙げられます。

対策としては、施設の健全度評価、点検・モニタリングの高度化、斜面・基礎の安定性確認、堆砂対策、耐震性照査、非常時の復旧計画、遠隔監視の導入などが考えられます。

電力土木施設が単なる土木構造物ではなく、エネルギー供給を支える重要インフラであることを明確にするとよいです。

予想問題2

脱炭素社会の実現に向けて、電力土木分野が果たすべき役割を踏まえ、計画、設計、施工、維持管理における課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、再生可能エネルギーの導入支援と、既設施設の有効活用が中心になります。

対策としては、既設水力発電施設の長寿命化、小水力発電の導入、揚水発電施設の活用、再エネ施設の基礎・造成・斜面安定、環境影響への配慮、施工時の低炭素化などが考えられます。

注意点は、脱炭素をエネルギー政策だけで書かないことです。技術士の答案では、土木技術者として、地盤、構造、水理、施工、維持管理、環境配慮の観点から具体化する必要があります。


7. 道路

R7の選択科目IIIでは、道路の脱炭素化と、道路システムDXであるxROADが出題されました。

したがって、直前期には、脱炭素やDXをそのまま再確認するだけでなく、老朽化、防災、地域交通、災害時の道路機能確保に展開しておくことが重要です。

予想問題1

道路インフラの老朽化、災害リスク、担い手不足が進む中、道路管理の高度化・効率化を図るための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

道路分野では、老朽化した橋梁、トンネル、舗装、附属物をどう維持するかが重要です。

課題としては、管理対象施設の増加、点検技術者の不足、補修費用の増大、災害時の通行確保、地方自治体の技術力不足などが挙げられます。

対策としては、点検支援技術、AI画像診断、舗装点検データ、橋梁・トンネルの健全度評価、優先順位を付けた補修、予防保全、広域的な道路ネットワークの強靱化などが考えられます。

道路を単なる交通施設としてではなく、災害時の救援・物流・避難を支えるネットワークとして捉えることが大切です。

予想問題2

人口減少・高齢化が進む地域において、道路空間を活用しながら、地域交通の持続性と災害時の移動確保を図るための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

R7で脱炭素とxROADが出題されているため、少し軸をずらし、地域交通と道路空間の再編に寄せた問題です。

課題としては、バス路線の縮小、高齢者の移動困難、交通空白、災害時の孤立、道路空間の使い方の固定化、歩行者・自転車環境の不足などが挙げられます。

対策としては、道の駅等の交通結節点化、バス・デマンド交通・自動運転サービスとの連携、歩行者・自転車空間の整備、無電柱化、災害時迂回路の確保、プローブデータを用いた交通マネジメントなどが考えられます。

道路整備を「車のため」だけでなく、生活サービス、物流、防災、地域交通を支える空間再編として書くとよいです。


8. 鉄道

R7の選択科目IIIでは、豪雨災害への対策と、建設・維持管理プロセスの生産性向上が問われました。

したがって、直前期には、安全性を軸に、老朽化、災害、地域交通、省人化を横断して整理しておくことが有効です。

予想問題1

鉄道施設の老朽化、災害リスク、利用者減少が進む中、安全性を確保しつつ鉄道ネットワークを持続可能なものとするための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

鉄道では、安全確保が最優先です。その上で、老朽化対策、地域交通としての持続性、災害対応を整理します。

課題としては、橋梁、トンネル、軌道、電気設備等の老朽化、保守要員不足、災害時の運休・復旧遅延、地方鉄道の利用者減少、維持管理費の負担増などが挙げられます。

対策としては、施設の健全度評価、センシングや画像診断による保守点検の高度化、予防保全、災害リスク区間の対策、代替交通を含む地域交通再編、自治体・事業者・住民の連携などが考えられます。

鉄道単独で考えるのではなく、バス、デマンド交通、徒歩、自転車などを含む地域交通体系の中で位置づけるとよいです。

予想問題2

鉄道分野における新技術導入を進める際、安全性を確保しつつ、省人化・効率化を実現するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、新技術導入のメリットだけでなく、鉄道特有の安全性、信頼性、冗長性をどう確保するかがポイントです。

対策としては、状態監視保全、軌道検測の自動化、画像解析、遠隔監視、保守作業の機械化、運行管理システムの高度化などが考えられます。

留意点としては、既存システムとの整合、異常時対応、フェールセーフ、教育訓練、段階的導入、技術検証、サイバーセキュリティなどを挙げるとよいです。

単に「AIを使う」と書くのではなく、安全確認の責任、判断基準、異常時の人の関与を明確にすることが重要です。


9. トンネル

R7の選択科目IIIでは、山岳工法における肌落ち災害防止、供用中トンネルの性能維持が問われました。

直前期には、安全対策を基本に、施工の省人化、地山リスク、供用中トンネルの維持管理へ展開しておくとよいです。

予想問題1

トンネル工事において、担い手不足や安全確保の観点から省人化施工を進めるための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

山岳トンネルでは、切羽付近の作業安全が重要です。省人化施工は、単に人を減らすことではなく、危険な場所から人を遠ざけることが目的です。

課題としては、切羽地山の不確実性、施工中の地山変化、熟練技能者不足、機械化設備の導入コスト、施工データの活用不足などが挙げられます。

対策としては、切羽観察の高度化、地山評価のデジタル化、吹付けやロックボルト施工の機械化、遠隔操作、施工データのリアルタイム管理、計測結果に基づく支保パターンの見直しなどが考えられます。

NATMの基本である「観察・計測に基づく施工」を、DXや自動化と結び付けると説得力が出ます。

予想問題2

供用中トンネルの老朽化が進む中、安全性と機能を確保するための点検、診断、補修、更新の課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

維持管理系のトンネル問題では、覆工コンクリートのひび割れ、うき、はく落、漏水、附属施設の老朽化、照明・換気・非常用設備の機能低下などを整理します。

課題としては、点検対象の増加、交通規制を伴う点検・補修の難しさ、変状原因の特定、補修優先順位の設定、地方自治体の技術力不足などが挙げられます。

対策としては、近接目視に加えた点検支援技術の活用、画像解析、打音検査支援、漏水対策、はく落防止、補修履歴のデータベース化、LCCを考慮した更新判断などが考えられます。

道路トンネルの場合は、災害時の通行確保や代替路の有無も加えると、社会的影響まで踏み込んだ答案になります。


10. 施工計画、施工設備及び積算

R7の選択科目IIIでは、地域インフラ群再生戦略マネジメントと、入札価格・労務費確保に関する問題が出題されました。

これは、施工計画分野が単なる施工技術だけでなく、発注、積算、契約、担い手確保、地域インフラ維持まで扱う科目であることを示しています。

予想問題1

建設現場における担い手不足、資材価格変動、安全確保に対応するため、施工計画、施工管理、積算上の課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

課題としては、技能者不足、長時間労働、資材価格の変動、施工体制の重層化、安全管理の難しさ、発注者側の条件明示不足などが挙げられます。

対策としては、適正工期の設定、週休2日、施工時期の平準化、資材価格変動への対応、BIM/CIM、遠隔臨場、ICT施工、施工体制台帳の確認、下請を含む安全衛生管理、CCUSの活用などが考えられます。

施工者だけの努力にしないことが重要です。発注者は条件明示、適正な予定価格、設計変更、工期変更を適切に行い、受注者は施工計画、工程管理、安全管理、品質管理を確実に行う、という役割分担を書くとよいです。

予想問題2

地域インフラの維持管理を持続的に進めるため、複数・広域・多分野のインフラを一体的にマネジメントする際の課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

R7で地域インフラ群再生戦略マネジメントが出題されているため、同じ言葉の説明ではなく、実装上の課題に軸をずらして整理します。

課題としては、施設ごとに管理者が異なること、点検・補修データが分散していること、地方自治体の技術職員が不足していること、予算制約により補修が後回しになること、地域建設業の担い手が不足していることなどが挙げられます。

対策としては、施設横断的な点検・診断、優先順位付け、包括的民間委託、広域連携、共同発注、点検データの標準化、地域建設業の育成、予防保全への転換などが考えられます。

答案では、個別工事の施工計画だけでなく、地域のインフラを長期的に維持する仕組みとして書くことが大切です。


11. 建設環境

建設環境では、脱炭素、ネイチャーポジティブ、グリーンインフラ、気候変動適応、建設副産物、地域合意形成が重要です。

港湾及び空港でR7にブルーインフラが出題されたことを踏まえると、建設環境でも自然資本を活用した社会資本整備は十分に意識しておきたいテーマです。

予想問題1

社会資本整備において、脱炭素、自然共生、気候変動適応を同時に実現するための課題と方策を述べよ。

解答作成のヒント

建設環境では、脱炭素だけ、自然環境だけ、防災だけを個別に書くよりも、それらを統合して考えることが重要です。

課題としては、建設時のCO₂排出、自然環境の改変、生物多様性の低下、気候変動による災害リスク増大、環境配慮と事業性の両立、地域合意形成などが挙げられます。

対策としては、LCCO₂評価、低炭素材料、再生材活用、施工時の省エネ、グリーンインフラ、NbS、生態系ネットワーク、雨水貯留浸透、暑熱対策、モニタリング、順応的管理などが考えられます。

環境配慮を「事業の制約」としてではなく、防災、景観、地域価値、維持管理性を高める手段として書くと説得力が出ます。

予想問題2

社会資本整備におけるネイチャーポジティブの実現に向け、計画、設計、施工、維持管理の各段階で技術者が果たすべき役割を述べよ。

解答作成のヒント

この問題では、自然環境への影響を小さくするだけでなく、自然環境を回復・創出する視点が重要です。

計画段階では、重要な生息地や生態系ネットワークを把握し、回避・低減・代償の順で検討します。

設計段階では、緑地、水辺、湿地、魚道、動物移動経路、在来種の活用などを検討します。

施工段階では、濁水、騒音、振動、夜間照明、外来種侵入、廃棄物管理などに配慮します。

維持管理段階では、植生、生物、生息環境をモニタリングし、必要に応じて順応的に改善します。

ネイチャーポジティブを抽象的な理念で終わらせず、データによる見える化、関係者合意、維持管理段階の継続的改善まで書くことが大切です。


直前期の使い方

この予想問題は、丸暗記用ではありません。

直前期には、各問題について、次の3点だけを確認すると効果的です。

まず、自分なら課題を3つ挙げられるか。

次に、それぞれの課題に対応する解決策を2つ以上書けるか。

最後に、自分の経験や専門知識から具体例を1つ入れられるか。

選択科目IIIでは、社会的背景、課題、解決策、リスク、波及効果を一つの流れで書くことが重要です。

最近の施策動向とR7出題を踏まえると、今年の直前確認で特に意識すべき軸は、次の5つです。

老朽化インフラをどう維持するか。
担い手不足をどう乗り越えるか。
DX・AIをどう実装するか。
災害激甚化にどう備えるか。
脱炭素・自然共生をどう社会資本整備に組み込むか。

この5つの軸を、自分の選択科目の言葉に置き換えられれば、選択科目IIIの答案はかなり書きやすくなります。

たとえば、道路なら道路ネットワークと地域交通。

土質及び基礎なら地盤情報と地下水。

鋼構造及びコンクリートなら長寿命化と低炭素材料。

施工計画なら担い手不足、適正な積算、地域インフラ管理。

河川なら流域治水と災害対応。

港湾及び空港なら機能継続と脱炭素・DX。

都市及び地方計画なら地域交通、都市空間再編、官民連携。

建設環境ならグリーンインフラとネイチャーポジティブ。

同じ社会課題でも、選択科目が変われば、書くべき技術は変わります。

逆に言えば、社会課題を自分の専門技術に翻訳できれば、選択科目IIIの答案はかなり安定します。

直前期に大切なのは、新しい知識を無理に増やすことではありません。

すでに持っている知識を、課題、解決策、リスク、波及効果の形に並べ直すことです。

試験本番では、問題文の中に必ずヒントがあります。

そのヒントを拾い、自分の専門分野の言葉に翻訳し、技術者として筋の通った提案に組み立てる。

それが、選択科目IIIで最も大切な力です。

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