CNIL vs Amazon(2020→2022確定)—事前同意なしで広告Cookieを保存→€35M。十分な情報提供+事前同意が必須
何が起きた?
2020/12/7、仏DPA CNILは Amazon Europe Core に3,500万ユーロの制裁金。理由はamazon.frで広告Cookieを“事前同意なく”保存し、かつ十分な情報提供をしなかったため(仏個人情報保護法82条=ePrivacy指令の国内法)。あわせて3か月以内の是正命令+未了は日額10万ユーロの過料も科した。(cnil.fr)
2022/6/27、フランス最高行政裁(Conseil d’État)がCNILの€35M制裁と適用権限を全面確認し、決着。(cnil.fr)
違反の中身(CNILの認定)
利用者が到達した最初のページで、ユーザーの操作前に広告Cookieが自動保存されていた(“事前同意”不在)。広告目的のCookieが40個超、約20社のアド関連企業のCookieが保存され得る状況を確認。(cnil.fr)
情報バナーの文言が抽象的で、目的の具体・拒否手段が分からず不十分。広告からの流入時は情報表示すらないケースも指摘。(EDPO)
2020/9のサイト改修後も、情報の明確性・完結性が未達として是正命令(3か月)+日額10万€を付した。(cnil.fr)
権限・法的論点
本件の法的根拠はGDPRではなくePrivacy系(仏法82条)。ゆえにGDPRのワンストップショップの適用外で、CNILが単独で制裁できると整理(最高裁も追認)。(cnil.fr)
実務インパクト(欧州標準)
*“Cookieは同意前に落とさない/必要不可欠Cookieのみ例外”**が大前提。初層バナーで目的を明確化し、拒否手段も同時提示。(cnil.fr)
CNILは別途方針として**「受入と同等の容易さで拒否」を求め、各社に是正命令を継続(UIでReject all/Accept allを同階層**に)。(cnil.fr)
すぐに直すチェックリスト
初層で明示:目的(測定/広告…)・第三者・拒否手段を同一画面で。“詳しくは設定へ”だけの拒否導線にしない。(cnil.fr)
同意前ブロック:タグ/SDK発火を同意取得後に。広告CookieはデフォルトOFF。(cnil.fr)
証跡:表示キャプチャ・クリック/同意ログ・タグ発火ログを保存(検査・紛争対応)。
流入経路対策:広告経由の着地でも同等の情報表示を保証。(EDPO)
参考(一次情報)
CNIL決定(SAN-2020-013)本文(英訳):制裁金、3か月是正命令+日額10万€、違反事実の詳細。(cnil.fr)
CNIL発表(2022/6/28):最高行政裁が€35M制裁を確定(権限・違反内容・金額の相当性)。(cnil.fr)
制裁発表の要約・実務解説。(hunton.com)
――要するに、“同意前に広告Cookieを置かない”と“目的と拒否の明確表示”が最低ライン。受入=1クリックなら拒否も1クリック。ここを外すと、情報提供不足+無効同意で高額制裁まっしぐら。
