なぜ父親のキャリア支援に取り組むのか?
はじめまして。株式会社YOU ARE HEREの村中 謙太郎です。
ミドル世代のビジネスパーソン、中でも子育て中のお父さんを対象に、自分らしい人生とキャリアをデザインするための伴走支援をしています。
初めてのnoteとなります。
自己紹介を交えながら、「なぜ父親のキャリア支援に取り組むのか?」についてお話ししたいと思います。
キャリア支援を仕事にするきっかけ
僕は、大学生だった20歳の時に父親になりました。
当時は生計を立てるためにアルバイト三昧の生活でした。娘が生後3ヶ月の時から保育所に預けはじめたのですが、仕事と子育ての両立がうまくいかず、保育所の先生方に迷惑をかけっぱなしでした。
夫婦ともに生活に精一杯で、余裕がなく、喧嘩が絶えませんでした。激しく言い争った翌日などは、娘が保育所でしょんぼりしていることもあり、そのたびに先生方が温かくフォローしてくださいました。時には、「あんたたち、いい加減にしなさいよ!」と本気で叱られたこともあります。
そんな先生方は、僕が人生で初めて出会った”プロフェッショナル“でした。
先生方が仕事の範囲を超え、等身大で接してくださり、親身に支えてくださったおかげで、自分は社会に出ることができました。
この時の経験がきっかけで、人を支援する仕事に関心を持つようになったのです。
大学卒業後、IT企業で営業職を経験し、27歳の時に人材紹介事業を立ち上げたばかりの株式会社クイックに入社。人のキャリア支援を仕事とするようになりました。
入社時は30名ほどの組織でしたが、事業が成長する中、32歳の時から部長として事業・組織の統括を任されるようになりました。クイックには18年間在籍し、最終的には執行役員として300名の組織のマネジメントを担当しました。
そして2023年、45歳でクイックを退職。株式会社YOU ARE HEREを設立し、現在は父親のキャリア支援に取り組んでいます。
父親として、娘に何をしてあげられたのか?
少し遡りますが、40歳を過ぎ、娘が家を出て新しい生活を始めた頃、ふと浮かんだ問いがあります。
「自分は父親として、娘に何をしてあげられたんだろうか?」
もっと言えば、
「そもそも、自分は父親だったのだろうか?」
そんなことを思ったのです。
世間では、子育てが一区切りつき、親としてはひと段落、と考える人が多いかもしれません。でも、僕にはそうは思えませんでした。
もっと一緒に遊んだり、話を聞いたり、大事な時にそばで見守ることができたんじゃないか。
過ぎた時間は戻らない。
自分は娘にちゃんと向き合えていなかったのではないか。
何かを失ったような、何とも言えない気持ちになりました。
気づいたら、仕事が人生を占めていた
27歳でクイックに入社してからというもの、僕は仕事中心の人生を送っていました。
転職希望者の支援や企業の採用支援の仕事にはやりがいを感じていましたし、入社した頃は事業の立ち上げ期で、ハードワークではあったものの、自分たちでサービスを創り上げていくことに楽しさを感じていました。
30歳を過ぎて事業責任者になってからは、マネジメントの難しさに直面しながらも、事業を創る面白さや、仲間とともに創る喜びを感じていました。
ただ、とにかく仕事が人生の大部分を占めていました。
それが大事なことだと思っていましたし、社会的にも経済的にも当たり前のことだと思っていたので、当時は違和感を持っていませんでした。
ところが、40歳を過ぎ、娘が家を出た時、疑問が浮かんできたのです。
「これで良かったのだろうか?」
「自分にとって大事な人に、ちゃんと向き合ってきたのか?」
「仕事以外の大事なものを、見過ごしてきたのではないか?」
「仕事に焦点を当てすぎて、見失っているものがあるのではないか?」
仕事は人生の一部であり、仕事をする自分は、自分の一側面にすぎない。
そんなことを考えるようになったのです。
父親として、管理職として--”お役目”ゆえの悩み
自分自身が人生とキャリアについての問いに向き合う一方で、長く人材紹介事業に携わっていたこともあり、同世代の方からキャリアの相談を受けることがよくありました。
特に、比較的年齢が近い方で、企業に勤める男性からの相談が多かったのですが、お話を聞くうちに、多くの人に共通する悩みがあることに気づきました。
ミドル世代のビジネスパーソンの悩みが深まる理由のひとつ。
それが”お役目”です。
・父親としてのお役目
・夫としてのお役目
・組織人としてのお役目
・管理職としてのお役目
この”お役目”が悩みを深くしていきます。
僕自身、10年以上にわたって事業の責任者を務めてきたのですが、上司(僕の場合は社長)と部下の間に立つ、いわゆる中間管理職という立場でした。
上司も部下も、共通の目標に向かって仕事をする間柄ではあるものの、組織にいる以上は、評価し、評価される利害関係者でもあります。
上司と部下の間にいる中間管理職によくあるように、僕も例外ではなく、社内で気軽に相談ができる相手がいませんでした。
責任者という立場もあり、社内では相談しづらい。結局、一人で抱え込み、悶々と過ごしていました。
もちろん、そうした経験から学ぶこともたくさんあり、鍛えられた部分もあります。今の自分を形成する上で貴重な体験でしたし、社会で生きていく上で、役割や責任を果たすことが大切なのは言うまでもありません。
ですが、
「管理職だから自分の力で解決しなければならない」
「リーダーたるもの弱いところを見せてはいけない」
「父親として、夫として、家計を支えなければならない」
などの、”お役目”にまつわる思い込みに捉われてしまうと、知らず知らずのうちに孤立してしまう。
そうして孤軍奮闘するものの、一人で解決できることって本当に少ない。僕自身、ありとあらゆる失敗を重ねながら、それを実感しました。
そして、”お役目”の自分に捉われている限り、本当の自分で周囲と向き合うことが難しくなっていく。
それは、大事にしたいと思っている人との関係にも影響を与えます。
娘の大事な時期に、そばで寄り添うことができなかった。頼りたい時に頼らせてあげることができなかった。妻とも、子育てについてじっくり話す機会が少なく、多くを背負わせてしまった。職場でも、一人で抱え込みすぎたことで、仲間に迷惑をかけたこともあります。
そんな状態で将来やキャリアについて考えても、なかなか良い方向には進みません。
そのことを身をもって理解したのです。
お父さんが活き活きしていることが一番
「自分はこれから何を大事にして生きていくのか?」
そんな問いを立てながら、少しずつ自分の感情に向き合い、これまで背負ってきた”お役目”を見つめ直していきました。
父親として、夫として、リーダーとして、何を大事にして生きていくのか。
人との対話を重ねながら、人生の捉え直しをしていった時期です。
そして、45歳の時、新たな道を歩むことを決めました。
そんな自身の経験と、ミドル世代のビジネスパーソンとの対話を重ねる中で、ある思いが湧き起こります。
「親が楽しそうに働き、活き活きとしていることが一番大事なのではないか」
そう思うようになったのです。
子どもは、身近な大人の姿を見ながら育ちますし、その中でも、親は一番身近な存在なんですよね。
親が楽しそうに、活き活きと働いている姿を見て、子どもたちはそれぞれに何かを感じ取りながら成長していく。そうして、自分が大人になって働くこと、社会に向き合うこと、生きることに対するイメージを膨らませていくのだと思います。
だからこそ、ミドル世代のお父さんたちが自分を大事にし、活き活きと働き、その姿を見せていくことが大事なのではないかと思うのです。
将来を生きる子どもたちを前に、そのことを先送りにはしたくない。
自分を大事にできるからこそ、他者を大事にできるというのは本当だと思います。
子どもだけではなく、パートナーや仕事の仲間を大事にするには、まずは自分を大事にすることから。
そうやって人と人とがつながり合える社会を、たった今からつくっていきたいと思っています。
お父さんが、より自分らしい人生とキャリアを歩むこと。
今の僕が全力で応援したいことです。
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