435.【WACK峮峮スピンオフ#19】たまゆらの空間
峮峮(チュンチュン)は当麻無明に会っていた。光まばゆい空間の中、そこには何もなく、2人がどこに立っているかもよくわからない。
「当麻、どうしてここに?」
「私はどこにでもいる。君たちが気づかないだけだ」
「ここは?」
「ここは高次元の世界だ。ここでの意識のスピードは人間の世界よりもずっと速い。よって、ここでの数時間が人間の世界では一瞬になる。まさに、たまゆら」
「え?何?」
「そうか、君は台湾人だったな。『たまゆら』というのは日本の古い言葉で『玉響』と書く。勾玉同士が触れ合って立てる微かな音のこと、つまり一瞬ということだ」
峮峮は意味がよくわからなかったが、直感的に正しいと思った。
「たまゆらの空間は、実は広大だ。我々は今、その広大な空間にいる」
「どうして私、ここにいるの?」
「君を導こうと思ってね」
当麻はひと区切り入れた。
「今までの3人は雑魚キャラだった。4人目の悪魔からはケタ違いに手強くなる。もっとも、アスモデウスに君は苦戦したが……」
峮峮はぶすっとした表情をした。
「気分を害したならすまない。難しい課題をこなした君を、私は評価しているんだ。それにしても小鬼くん、彼によって君は成長したんだから、感謝しなければならないな」

ここで当麻は峮峮をじっと見つめた。
「本題だ。まずはレヴィアタン。蛇に気をつけなければいけない」
「蛇……」
一瞬ゾッとした峮峮。
「蛇は苦手かね。レヴィアタンの蛇は髪の毛に宿る」
「髪の毛の蛇って、メドゥーサ!」
「そう、レヴィアタンはメドゥーサの力を身につけている。メドゥーサの目に射貫かれたら石化する」
「どうすれば?」
「メドゥーサの石化の魔眼から逃れることは不可能だ。峮峮、君は確実に石になる」
「逃れる方法はない……」
落胆する峮峮に、当麻は力強く言った。
「ある。それは君の認識にかかっている。自分の体を幻影だと思えるかどうかだ」
「体が幻影……」
「わかりにくいか。考えてみよう。人の体は37兆個の細胞でできている。その多くの細胞は日々入れ替わっている。そんな体が固定的なものだとどうして言える?」
「もし体が自分だとしたら、もう死んでる」
「理解が早いじゃないか」
「あ、あと私は今この空間に来ている。肉体じゃないけど、生きている」
「そのとおりだ。峮峮、君がこれからやることは、自分の体が幻影だと確定させること。やり方としては、自分の体が空っぽであると念じる。風船のように空っぽだと念じることだ」
「風船のように」
「そう風船のように、どんどん膨らむ、どんどん大きくなる」
「でも膨らみすぎると破裂する。パン!」
そう言って、峮峮はあっけらかんと笑った。当麻もほほ笑んで言う。
「調子出てきたな。それが君の良いとこだ。その笑顔があれば、どんな苦境も乗り越えられるだろう」
峮峮はずっと思っていたことを当麻に聞いた。
「どうして私にいろいろと教えてくれるの?」
「それは今にわかる。ここでは言わないでおこう」
そして、アスモデウスとの戦いのことを思い出して聞いた。
「もうダメだと思ったとき、なぜか白い光が降りてきた。あの白い光は何?」
当麻は驚いた表情で言った。
「それができたのか。それはスゴい!大進歩だ!」
「え?何それ?」
「やがてわかる。それは素晴らしいことだ」
🍒 🍒 🍒
当麻無明からのアドバイスを受け、次回は嫉妬の悪魔レヴィアタンとの戦いです。峮峮はどう戦うのでしょうか?
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峮峮スピンオフは、のろのろと続きます。。
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