同じ声を分析しているのに、なぜ結果が違うのか?
最近、2つの声分析ツールを並べて見直していて、少し面白いことに気が付きました。
一見すると、とてもよく似ているのです。
どちらも音声を録音して分析する。
どちらも声の特徴を数値化する。
どちらもフォルマントや音量、安定性などを扱う。
最初は、
「これ、同じことをやっているのでは?」
と思いました。
ところが、改めて整理してみると、実は全く違う方向を向いていました。
ひとつは「話す声」を見るツール
例えば、
あめんぼの歌
発音練習
活舌練習
構音訓練
朗読
こういった用途で使う分析ツールです。
このツールが見ているのは、
「何を発音したか」
です。
「あ」
「い」
「う」
「え」
「お」
がきちんと分かれているか。
ら行は弱くないか。
さ行は潰れていないか。
母音が明瞭に出ているか。
つまり、言葉そのものを見ています。
もうひとつは「歌う声」を見るツール
こちらは歌唱分析です。
見ているのは、
息っぽさ
抑揚
ピッチの揺れ
音量の安定
フレーズの維持
声質の変化
など。
こちらが見ているのは、
「どう歌ったか」
です。
同じ言葉を発していても、
声が前に出ているのか。
語尾まで保てているのか。
息が増えているのか。
抑揚がどう変化しているのか。
そんな部分を見ています。
たとえる必要はないので、そのまま言うと
ひとつは
「発音分析」
です。
もうひとつは
「歌唱分析」
です。
入力する音声は同じでも、
観察しているポイントが違うのです。
歌が上手でも発音が明瞭とは限らない
実際、
歌が上手な人でも、
何を歌っているのか聞き取りにくいことがあります。
逆に、
朗読が非常に上手な人でも、
歌唱分析で高い数値になるとは限りません。
なぜなら、
見ている能力が違うからです。
私自身も気付いていませんでした
ツールを作り続けていると、
いつの間にか機能が増えます。
そして似たようなツールも増えていきます。
正直なところ、
「どちらか一方で良いのでは?」
と思った時期もありました。
しかし改めて整理すると、
発音を見るツール
歌唱を見るツール
という形で役割が自然に分かれていました。
これから試してみる方へ
もしあなたが
活舌を良くしたい
発音を確認したい
朗読や会話の声を分析したい
なら発音分析ツール。
もし
歌の練習をしている
レッスン前後を比較したい
自分の歌唱の変化を記録したい
なら歌唱分析ツール。
どちらも同じ「声」を扱います。
しかし見ている場所は違います。
だからこそ、両方残しておいて良かった。
今になって、そう感じています。
