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発信もチーム戦で考える

小売のセオリーとして、小さいお店ほど店舗単位ではなく商店街や商業施設のように集積した方が集客がしやすい、という考え方がある。消費者視点で考えても、ぽつんと存在しているお店にはよほど行きたい理由がないと足を運ばないがお店がいっぱい集まっている場所にはふらっと行ってみたくなる。だからこそ、遠くからお客さんが指名買いできてくれるほど強い特徴がないかぎりは、マルシェや商業施設へのポップアップなどのイベント出店が重要になる。

そしてお店が集積することで、より広域からお客さんを呼べるようになる。ひとつのお店にわざわざ県を跨いで来てもらうにはよほどの商品力かキャンペーン企画がないと難しいが、そのエリア自体に魅力があれば遠くからでも人は来る。だからローカルの事業者ほど、自分たちのまちの盛り上げに投資するのが合理的な戦略になる。

なんの産業でも、集積によって発展しやすくなる点は共通している。農業でも製造業でも、複数に事業者がひとつのエリアに集積することで生産効率も上がるし人も集まる。人が集まるところには自然とその土地固有の文化が生まれ、勝手に他のエリアとの差別化もできていく。

私はこの集積の大原則を何を考えるにしてもいつも念頭においているのだけど、発信においても今後「集積」はひとつのポイントになっていくのではないかと考えている。

SNSの発展によって個人も簡単に情報発信ができるようになって20年近くが経った。今や企業の発信は当然のものとなり、個人で何か立ち上げる際にもSNSの力が大きくなっている。最近は特にPodcastブームで音声配信やビデオPodcastの数も飛躍的に増えた。

始めるハードルが低くなったということは、当然ライバルも増えるということだ。おそらくこれからPodcastに参入したとしても、よほど強い企画を作るか有名人を起用するかをしないかぎりは遠くのたくさんの人に届けるのは難しくなる。自分たちの半径数百メートルで愛されるものをつくる、「まちのパン屋さん」規模でやり続けることになるケースが大半だと思う。

実店舗で考えると遠くから人を呼ぶ難易度は想像できるのに、オンラインになった瞬間に簡単に遠くにたくさん届けられると思ってしまう人は多い。たしかにオンラインのコンテンツは世界中に開かれていて、たまたま検索でたどり着いてくれたり、アルゴリズムによって急に「見つかる」こともある。特にTikTok以降のSNS全体のアルゴリズム変化はそのドリームを加速させた。

でも実際には1本目から急にバズるケースは稀だし、予算も知見もない中で手探りで発信しつづけてもなかなか手応えを得られないことも多い。SNSもそれぞれ細分化され、常にアルゴリズムの変更やトレンドを追い続けないと結果を出し続けるのは難しい。しっかり予算をとってプロのコンテンツメイカーに作ってもらえる企業やひとつのチャネルに特化してコツを掴んでいるインフルエンサーに素手で勝つのはほぼ不可能だ。SNSを使うだけなら無料でできるけれど、SNSを伸ばすのはもう無料ではできない時代である。

それでも私も特にローカルで志あるブランドや企業を支援したい気持ちがあるので相談に乗ってきた。そこで改めて感じたのが、発信もチーム戦で考えた方が圧倒的にレバレッジがきくということだ。

まず、小規模な事業者がプロフェッショナルに相談するのは金額的な意味でもハードルが高い。無償や大幅ディスカウントをしてでも手伝いたいと言ってもらえることを目指すとしても、そこまで心を動かせるものを作る必要が出てくる。

でもたとえばローカル単位や業界単位などでまとまって依頼してもらえれば、一件あたりを安く抑えられる可能性は高い。何かしら共通点があれば戦略やコンテンツも横展開できることが多いので、それぞれをいちから考えて作るよりも手間を減らすことができるからだ。

さらに、もっと言えばそれぞれの発信もやりつつも、何かしらの単位でまとまって発信ができれば冒頭の商店街理論と同じで、遠くから人を呼びやすくなる。たとえばひとつのお店や企業が自分のPodcastやnoteをそれぞれ運用するより、「この地域の面白い人たち」という少し大きな括りでやった方が受け手のパイが広がりやすい。地域の個別のお店には興味がなくても、その地域自体には興味がある人はたくさんいるからだ。そしてそのまとまった発信の中で「こんなお店/会社もあるんだ」と知ってもらう方が、結果的に早く広く知ってもらいやすい。そしてみんなで少しずつお金を出せば一社あたりの負担は少なくて済む。

もちろん、複数人(社)が関わるということは自分の思い通りにいかないこともあるし調整コストもかかる。

でも「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という言葉があるように、今より遠くにも届けたい、知ってもらいたいと思うならば、一人ではなくみんなで取り組んでみるのも重要な視点ではないかと思う。

この「発信のチーム戦」の考え方は最近個人的にも手応えを感じているので、一緒に取り組めるところを増やして自分の中でもひとつの型として昇華できるように研究したいなと思っている。

なので発信のチーム戦理論を一緒にやってみようという方がいたらお気軽にお問い合わせいただければと思います!直接の知り合いの方はメッセンジャーやDMでも!!

福岡にUターンしてから九州を中心にローカルで事業をやっている方々の話を伺う機会が増えて、こういう情報こそ発信されるべきなのに…!!と毎日のように感じつつも、限られたリソースでは難しいというジレンマをどう解消したものか、、、と考え続けた結果見えたひとつの仮説を、いろんなパターンで実証していけたら、と思っているのでよろしくお願いします!!!


発信について考えたことはほぼ日刊で配信しているニュースレターでも書いています

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