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IT/ITC系メモ|AIに小説を書いてもらっても、それが何故AIだとバレてしまうのか?~実は技術的・表現的・心理的な要因が複雑に絡み合っている。

AIに小説を書いてもらう。
簡単なプロットを記述するだけで、AIは素人なら十分読める内容の小説を書いてくれます。
自分好みなストーリーやキャラをプロンプトで書くだけで、長編小説すら書いてくれる。

例えば、

現代ミステリーで、読みやすく自然な文章
内容は、都会のホテル、主人公は元警察官の初老の探偵、失踪者を探し都会に来たところで失踪者が絡むある殺人事件に巻き込まれる

とプロンプトを書いてAIに執筆してもらう。
(判定するのに少し長い文章でないといけないので適当に読み飛ばしてください。)

第1章:到着 ― 失踪者の影

新宿南口のバスターミナルを出たとき、雨が降り始めていた。
11月の都会の雨は、地方のそれよりも冷たく感じる。
地面の光が複雑に反射し、街の輪郭を曖昧にしていた。
風間省吾は、古びたトレンチコートの襟を立てて歩き出した。
六十を過ぎた体には、都会の湿った空気が重い。
十年前に警察を退官し、今は小さな探偵事務所を営んでいる。
今回の依頼は、ある中年男性の失踪調査。名前は黒川浩一
三週間前に都内のホテルを出たまま消息を絶ったという。
依頼人は、黒川の妹だった。
電話の向こうで、何度も同じ言葉を繰り返した。
「兄はそんな人じゃないんです。家族を置いて消えるなんて……」
感情の混じらない声だった。
泣き疲れたのか、それとも、信じることに疲れたのか。
風間は、黒川が最後に泊まっていたというホテル・ルミナス新都心へ向かった。
新宿副都心の高層ビル群の一角にある、ビジネスホテルとしては高級な部類だ。
フロントの女性に名刺を渡し、旧知の刑事の名をさりげなく出すと、彼女は小さく息をのんでから資料を出してきた。
「黒川様はこちらに三泊されました。チェックアウトは十月十五日、午前九時三十分です。その後は……」
彼女は言葉を濁した。
「その後、ホテルの裏口の防犯カメラに映ったきり、姿がありません」
 「裏口?」
 「ええ。通常のお客様は使わない通路です」
風間はモニターに映る映像を見せてもらった。
黒川はスーツ姿で、黒い小型のスーツケースを持っている。
背筋を伸ばし、足取りも迷いがない。
画面の右端――街灯の陰に、もう一人の影がわずかに揺れた。
その人物が誰なのかは、記録には残っていなかった。
雨音が窓を叩く。風間は小さく息を吐いた。
都会は、記憶を飲み込むのが早い。

この小説の一文をAIチェッカーにかけるとAI作成の確率が高く出ると思います。
では、この文章に修正のプロンプトをAIに記述しアレンジを加えます。

第1章:到着 ― 失踪者の影(改)


新宿南口のバスターミナルを出たとき、雨が降り始めていた。
透明な雨粒が、光と埃を混ぜて、街の輪郭を滲ませていく。
風間省吾は古びたトレンチコートの襟を立て、ポケットの中で指先を擦り合わせた。湿った冷気が骨の奥まで染みる。
彼は歩きながらつい二度、右のポケットの中身を確かめた。
癖のような仕草だった。
中には古い銀色の万年筆。インクはもう出ない。
十年前に警察を退いた。今は、探偵という肩書を名乗っている。
今回の依頼は、黒川浩一という男の失踪。都内のホテルを最後に、姿を消した。
三週間前のことだ。
依頼人は黒川の妹だった。受話器の向こうで、彼女の呼吸が小刻みに震えていた。
「兄はそんな人じゃないんです。家族を置いて消えるなんて……」
言葉の間に、何かをのみ込む音があった。涙ではなく、沈黙の味に近い。
風間は、黒川が最後に宿泊したという「ホテル・ルミナス新都心」へ向かった。
新宿副都心の谷間に立つそのビルは、夜でも湿った光を放っていた。
ロビーの床は磨かれすぎて、まるで雨の中を歩いているようだった。
フロントの女性に名刺を渡すと、彼女は目を伏せたまま一瞬だけ息を止めた。
「黒川様は三泊されました。チェックアウトは十月十五日、午前九時三十分。その後は……」
「何か、ありましたか?」
「裏口の防犯カメラに映っていました。あの通路は……通常は使いません」
映像を再生すると、画面に黒川が現れた。スーツ姿で、黒いスーツケースを引きずるように歩いている。
背筋は真っすぐ。だが、わずかに左肩が下がっている。
「重そうだな」と、風間は独り言のように呟いた。
フロントの女性は小さく頷いたが、その指先は帳簿の角を撫でていた。
爪の先に、透明なマニキュア。ひとつだけ、右手の中指だけが塗られていない。
画面の右端、街灯の陰にもうひとつの影が揺れた。
黒川を追うように、一瞬だけ。
風間は映像を止め、拡大した。
「……この人を確認しましたか?」
「いえ。ですが――」
彼女は何かを思い出したように目を伏せた。
「黒川様、チェックアウトの朝、フロントでこう言いました。『妻が迎えに来る』と」
「奥さん?」
「ええ。ですが、予約は“お一人様”で……」
風間はメモ帳を閉じた。だが胸の内に、微かな違和感が沈んだ。
その夜、彼はホテルの向かいの喫茶店に腰を下ろした。
窓を伝う雨の筋が、街の光を細く裂いている。
黒川の行方を追うため、古い知り合いの刑事に連絡を入れようと携帯を取り出す。だが画面に映る自分の顔を見て手を止めた。
目の下に刻まれた皺の奥で、何かが濁っている気がした。
「妻が迎えに来る」――その言葉が、雨音の中で何度も反響した。
翌朝、警察の照会で「黒川の妻は十年前に他界している」と知る。
風間は、一瞬、息をのみ、そしてゆっくりと笑った。喉の奥に錆びた味が広がる。
 ――誤解していたのは自分の方か。
黒川は、誰かを「妻」と呼び続けていたのかもしれない。
あるいは、誰かその言葉を信じたかっただけか。
湿った空気の中、風間はホテルの裏口へ向かった。
朝の光は透明で冷たい。
アスファルトの隅に小さな跡が残っていた。スーツケースの車輪の跡が二本。
そして、もう一本。
なぜ、三本目の筋があるのか。理由は誰も説明できなかった。
風間はしゃがみ込み、跡に指を滑らせた。冷たく、まだ少しだけ湿っていた。
それが、最後の手がかりだった。

こちらの文章であればAIだと判断される率は下がっていると思います。
最初の文章から、修正後の文章にするために記述したプロンプトはこんな感じです。

  1. この物語の展開を、登場人物の誤解や偶然によって少し狂わせてください。

  2. 結末は同じでも、登場人物が一時的に間違った判断をするようにしてください。

  3. 感情を直接言葉で説明せず、動作や呼吸、視線などの描写で表してください。

  4. 「悲しい」「嬉しい」という単語を使わずに。

  5. 登場人物に、少し変わった癖を1つ追加してください。

  6. 文のリズムに変化をつけてください。

  7. 会話は短く、心理描写は長めに。

  8. 「湿った」「透明」「冷たい」という語を多めに使い、物語全体にその感覚を滲ませてください。

  9. 最後に説明されない小さな違和感を残してください。

  10. 声に出して読んだときに、胸が少し熱くなるように。

  11. リズムと感情を自然に強調して。

修正後を読むと意味不明な文もあるのに、それが人間らしく判断されている。
素人目線だとそれが違和感に感じるのですが、実際はそうではないという事なのでしょうか。


ただ修正後の文章でもAI作成がベースにあるのは分かってしまいます。
理由として提示されたのは

  1. 文の「整いすぎ」
    句読点の配置、語順、リズムが整いすぎている。
    AIモデルは自然さを目指す結果として、平均的な「美文テンプレート」を最適化的に生成します。
    そのため、「人間ならもう少し崩すだろう」という“息継ぎのズレ”がない。

  2. 情報の配置が「完璧に設計されている」
    物語構造がとても滑らかです。
    AIの生成文は、プロットを「機能単位」で整理する傾向があるため、“無駄な脱線”や“人間らしい寄り道”がない。

    1. 導入(雨・到着・設定提示)

    2. 人物紹介

    3. 依頼と背景

    4. 現場確認

    5. 謎の提示(影)

    6. 誤解の明かし(妻の死)

    7. 小さな不明点(3本の筋)で締め

  3. 比喩や描写が「均一で、練りすぎている」
    比喩が均質で、破調(強すぎる表現や崩れた語感)がない。
    読者には「文体が統一されすぎている=AIっぽい」と映ります。

  4. 心理描写の“計算された間”
    「涙ではなく、沈黙の味に近い。」
    「喉の奥に錆びた味が広がる。」
    これらは巧妙な比喩で、意味も通じ、詩的です。
    ですが、人間が即興で書くと、ここまで比喩が均等に決まることは稀。
    AI的には、文章の「感情的密度」を計算して配置しているように見える。

  5. 「人間の不器用さ」がない
    物語の展開が非常にスムーズで、必要な情報を過不足なく、適切なタイミングで提示されています。
    これは、読者に理解しやすい物語を構築するというAIの機能に非常に合致しています。人間が書く場合、時として情報の出し方がもっと不器用になったり、主人公の思考が回り道したりすることがあります。

結論

この文章は「ハードボイルド探偵小説」のテンプレートを高い言語能力で完璧にトレースし、物語の進行に必要な情報を過不足なく配置した、極めて完成度の高い模倣作品であると言えます。
この完成度の高さと定型要素の密度の高さが、AIによって生成された可能性を強く示唆します。


といったことになるようで、これが素人が書く小説と、プロの小説家の差となってくるのでしょうか。
読み物として破綻なく整っているのは当然でも、人らしく揺らぎがあって完ぺきではないことが、AI小説との差?


◆まとめ

AIが書く小説は、どこか整いすぎていて言葉がきれいに並びすぎるのかもしれません。
人が書く小説には、もっと不器用で、余白があるものなのでしょう。
でもその余白の中にこそ、「書いた人の温度」や「その瞬間の迷い」が生きているのだと気付かされました。
きっと読者が物語に求めているのは、完璧さよりも“人の匂い”なんでしょうね。
AIはアシスタントとして文章の提案として使い、最後は人がそれを人らしく調理し書くことでより完成度は増すとも言えます。
でもいつかAIの物語も、そんな人の揺らぎを学んでいくのかもしれません。
その日が来るまでは、人が書いた物語の中に生きている誰かの鼓動を探していきたいと思います。


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